KAIKOO JAPAN TOUR feat. DJ BAKU、MSC、 GOTH-TRAD、DJ KENTARO、韻踏合組合、and more... @ Daikanyama Unit (13th May '05)
現実にペタペタ足つけて、踊りたいんだオレは
「誰よりも速く生きたい」……リアルなものは"速さ"を纏う。過去や未来ではなく、今流れる時間の速さ、それを感じるか否かがリアルの分かれ目だと思う。そういった意味では、この日集まったアーティスト、オーディエンス、ともに生き急ぐ"スピード狂"と言え、さながら"god speed you! black emperor"(映画の方)の世界観。HIP HOPの不良性を垣間見た。
「誰よりも速く生きたい」という言葉は、29歳で逝った伝説のアルトサックス奏者、阿部薫のものである(彼を知る最適な本)。彼の写真で印象に残っているものと言ったら、白黒の写真がほとんど。それは、彼のスピードを切り取るには白黒でしかありえなかったから、この持論に間違いはないと思う。そして、今日本で巻き起こっているアンダーグラウンドHIPHOPのシーンも、白黒でとらえたくなるような"メッセージ性"と"事件性"を秘めている。阿部薫はいないけど、DJ BAKUがいる、MSCがいる。どう考えたって無視できる状況じゃねぇスよ。
今回のイベントは、以前レビューした映画「KAIKOO/邂逅」の生バージョンと言おうか、ドキュメントを観て即リアルを体験できる素晴らしい企画。パフォーマンスはDJ BAKU、MSC、GOTH-TRAD、そしてSecret GuestにDJ KENTARO( official site/works )、映画に登場したアーティストはほとんど出演した。そして、当日発表されたタイムテーブルを覗いてみると、"DJ BAKU & DJ KENTARO"という文字列が……DJセッション!? 凄過ぎるってそれは。マジでヤバいでしょ! そのとき感じた「凄いなぁ、楽しそうだなぁ」という思いは『ALIEN vs, PREDATOR』の発想に近く、「凄いモンと凄いモンが戦えばもっと凄いっしょ」という単純なものなんだけど、こんなワクワクは久しぶり。楽しみだ。
|
会場の代官山UNITはおのずと地下の雰囲気。客層はと言うと、どうだろう、HIPHOP特有のピリピリした感じはさほど気にならなかったかな。今日は映画「KAIKOO/邂逅」のパーティーだし、いい雰囲気。そして、はじめにステージで観たバンドはBLACK GANIONというバンド。今日のイベントでは最も異色のバンドで、ハードコア、メタル、それぞれ純粋に汲み上げた要素をミックスした感じ。最初は様子見程度で観ていた自分も終盤にはもっていかれた。こういったバンドが出演するところがこのシーンの面白い点で、HIPHOPに限らず"想い"で音楽を繋げている。音楽に壁は無いのだよ。
DJを挟んで現れたGOTH-TRAD( official site/works )。ゴツい機材を操り身体を揺らす"嵐 of ノイズ・ダブ"な帝王だ。The Mars Voltaのオープニングアクトや、別ユニットREBEL FAMILIAで以前観たことがあったが、The Mars Voltaのときは正直その激ノイズに体力を削られた感あり。しかしそのときとは違って、この日はかなりアゲる感じで楽しめた。街を壊してまた新しいものを作り出す「スクラップ&ビルド」な印象、ノイズの中にそんな想いを感じ取った
|
続いて今夜の主役DJ BAKU( official site/works )の登場。しかし、ここでひとつ言っておかなくては、RUMI+SKEのパフォーマンスが今日は観れない。当初予定されていたRUMI、"ノドの怪我"のような症状にかかり声が出なくなってしまったという。物凄いエネルギーをコトバで発するのだから負荷が身体に蓄積されて当然だ。どれだけ一生懸命ラップをしていたのかが分かるし、その結果がこのような症状だったということ、凄く悔しかったと思う。この日は出演を断念し、マスクをして観客として顔を出していた。そんな状況を想ってかどうか真意は分からないが、DJ BAKUがはじめに針を落とし聴こえてきた声はRUMIの「ハロ〜、昭和五十三、から平静な気分じゃねぇ!」。高校生の頃からの知り合いであるDJ BAKUとRUMIの絆を見た気がする。
DJ BAKUの超絶ターンテーブルさばきは止まることを知らず、ぐいぐいフロアを引っ張っていく。そしてDJ KENTAROとのセッションが、夢のセッションがスタート。ふたりがヨコに並ぶ姿だけでもかなり圧巻だが、同時に発せられるその情報量の多いこと多いこと。「お前のことはオレが一番分かってるぜ」的な高めあうコンビネーション、翼と岬のゴールデンコンビを思わせるスクラッチで繰り広げられるパス、ドリブル、笑っちゃうほど理解不可能な手さばきと、ふたり合わせて郷ヒロミばり(言いすぎ)の回転を披露しちゃうコミカルさ、もぉ〜最高! いいモン観た!
|
そして出たぁ、MSC!( official site/works ) いっぱい出てきたぁ。さすが新宿アンダーグラウンド・エリアの雄、みんな目が血走っている。ライヴが始まってしまったらフロアもドカンと弾け、収拾がつかない混沌。観客から観客へと伝播する波の激しさは、過去体験したHIPHOPのライヴとは段違いに凄い。辛辣なメッセージと漆黒なイメージとはうってかわって楽しすぎるMSCのライヴ、MCの度にユーモアとアジテーションを込めるMC漢のフリースタイルには毎回驚かされる。この凄さを伝えるにはスペースが足りなさ過ぎ。いやぁ、ブッ飛んだよ!
そして、MSCの去ったステージに飄々と現れたのは、大阪からやってきた韻踏合組合( official site/works )。韻踏合組合である、凄いネーミングセンスだと思いません?最初聞いたとき笑っちゃいましたもん。さすが、そんな名前を付けるだけあって、巧みにユーモアを散りばめた独特な韻踏みと、跳ねるビートがダンスホールレゲエのような高揚感。有名なのか知りませんが、途中披露された謎の"大阪っぽい"歌がやけに印象に残った。
ひとつひとつの出来事が面白くて全部紹介したかったがそうもいかず、今回紹介できなかったアーティストも多数。これから自分、ガンガン掘り下げていくつもりなんで今日のところはこんな感じでご勘弁を。しかし、CDで聴くだけじゃなくてナマの彼らを体験する重要性を、今更ながら強くプッシュしておきたい。リアルで事件を起こそうとしている彼らのエネルギーは、そこいらで転がっている青春パンクなんかとは比べものにならないくらい"今"を感じさせる。そう、いま彼らの"速さ"に追いつけるものなど存在しないってことさ。
|
report by toddy and photos by hiroqui, KOJI KAWAMATA (POP GROUP)
|
|
2005
い次元ワールド絶タイ楽しいYO=! : あふりらんぽ (20th May. @ Namba Bears)
映画レヴュー : 悔恨したオレ、後追いはこれで終わりにしたい!: 『KAIKOO/邂逅』 (22nd Apr.)
あがた森魚でぽんポがぽんポンあふりらんぽ : あがた森魚 and あふりらんぽ (9th Apr. @ Aoyama Cay)
SXSW 編集後記 : (16th - 20th Mar @ Austin TX)
デンジャーMAD爆裂カルテット : DMBQ (18th Mar. @ SXSW05,Club de Ville Austin TX)
インベーダージャパン 〜セカンド〜 : SXSW05特集コラム 第3話 (16-20th Mar. @ Austin TX)
インベーダージャパン 〜ファースト〜 : SXSW05特集コラム 第2話 (16-20th Mar. @ Austin TX)
ロックンロールワークショップ発見 : Peelander-Z (19th Mar. @ SXSW05,mojo Austin TX)
なんでSXSWに行ったの : SXSW05特集コラム 第1話 (16-20th Mar. @ Austin TX)
逆輸入はカッコ悪いぞジャパン : Electoriic Eel Shock (17th Mar. @ SXSW05,Bigsby's Austin TX)
Mag Special with SXSW05 : (16th - 20th Mar @ Austin TX)
頭ん中フラフラ革命 : MO'SOME TONEBENDER GUEST : PANICSMILE / あふりらんぽ (05/02/25 @ Shibuya Club Quattro)
驚きの白さ、抜群ケミカルウォッシュ : The Chemical Brothers (05/02/12 @ Shibuya AX)
脳ミソのうしろ側が開いてるのにアフロで隠してる : The mars Volta (05/02/08 @ Ebisu Liquidroom)
『エメラルド・カウボーイ』特集 - 第2回 変わった人たちが集まった : 日本脳炎、ギターウルフ and more (05/02/03)
アッシュは煌きシャイニング : Ash (05/01/17 @ Shibuya AX)
『エメラルド・カウボーイ』特集 - 第1回 男、エメラルドに惹かれる : 早田 英志 (05/01/13)
2004
妙子、たゆたう姿 : Taeko Onuki (04/12/23 @ 鎌倉芸術館)
圧倒的なグルーヴ魂 : Wrench (04/12/22 @ Shibuya Club Quattro)
存在感は力なり : Invisibleman's Deathbed (04/12/21 @ Shibuya Yaneura)
イルリメの殺陣、斬られて斬ってあぁ楽し : illreme with MELT-BANANA,TUCKER,ロボ宙 (04/12/06 @ Shibuya Club Quattro )
1分・マゾンナ・ワンマン・shelter : MASONNA (04/11/23 @ Shimokitazawa Shelter )
1ほんとうにこのライヴをいつも? : インビシブルマンズデスベッド (04/11/20 @ Shimokitazawa 251 )
ロックにやりたい女子どもよ、マフスを聴いて姉さんとなれ : the Muffs (04/10/29 @ Shibuya Club Quattro )
ギター引っ掻き回しとるだけとちゃいますよ : Ani Difranco、GO!GO!7188 and 山口洋-HEAT WAVE (04/10/07 @ Shibuya AX )
今夜、すべてのパンクスへ : 町田康ユニット (04/10/01 @ Shinjyuku LOFT )
いまさら悪態ついても仕方ねぇってこと : NEW YORK DOLLS (04/09/25 @ ZEPP TOKYO )
ゆるみまくりナイト 〜どこもかしこも FUCKING IN HEAVEN〜 : FATBOY SLIM (04/09/22 @ ageHa studio coast )
究極のフリースタイラー、猫 : Cat Power and Women & Children (04/06/02 @ Shinjyuku LOFT )
不滅の男 : 遠藤賢司 (04/06/03 @ Shibuya Club Quattro )
ここはどこ?爆音に誘われ何処へやら : ゆらゆら帝国, REBEL FAMILIA (04/05/07 @ Shinjyuku LOFT )
音の宇宙、君はコスモを感じたことがあるか : Buffalo Daughter, audio active (04/04/17 @ Shinjyuku LOFT )
「赤フンドシが盗まれた。」なんのこっちゃ!?なライヴ : Shibusa Shirazu (04/04/07 @ Shibuya Club Quattro)
初のワンマンっていいね : Bleach (04/04/03 @ Shibuya BOXX)
DVD Review : 『DIRECTORS LABEL BEST SELECTION』 : クリス・カニンガム (25th Mar)
あ〜楽しかった : Morgan Fisher (04/03/16 @ Yokohama Motion Blue)
Disc Review : 『渋星』 : 渋さ知らズ (9th Mar)
Disc Review : 『Rebel Vibration』 / 『Dub From Creation』 : Creation Rebel (4th Mar)
号鳴 : Ghost (17th Jan @ Ikebukuro Adm)
グラインド!グラインド!グラインド!! : EXTREME THE DOJO vol.7 feat. 324, PIG DESTROYER, AxCx, NASUM, Napalm Death (12th Jan @ Shibuya Club Quattro)
アフロは只者ではない : The Mars Volta (7th Jan @ Shibuya AX)
2003
なんでもありで何処までやれる? : Robert Randolph and The Family Band (9th Dec @ Shinjuku Liquidroom)
このまま突っ走れ!! : Bleach (1st Dec @ Shibuya Club Asia)
4時間やりました! : Theatre Brook (24th Nov @ Shinjuku Loft)
メタリカのファンは世界一だ : METALLICA (11th Nov @ Saitama Super Arena)
銭パンク魂2003 : MOST with Aburadako (3rd Nov @ Shimokitazawa Shelter)
6人の怒れる男 : The Cooper Temple Clause (15th Oct @ Shinjuku Liquid Room)
JBのキラキラ☆エンターテイメントショー : James Brown (3rd Oct @ Nihon Budokan)
|
|