BANDWAGON @ Shimokitazawa Shelter
BANDWAGONはアジテイター
ニューアルバム『New Music Machine Extended Play!!!』のレコ発として、同じベクトルを持ったthe SHUWAとJournal Spy Effortを引き連れてお互いをサポートしあう、バンドとしての理想的なツアーを展開し、そのオーラスを飾る下北沢SHELTER。他のバンドや、ジャケットのデザイナーがバンドを紹介して登場するという、D.I.Yを地でいくイベントだった。
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それに、2機のギターのアンサンブルがこれまたたまらない。池田啓介のMGは余韻を生かして大胆に何度もロールし、奈部川光義のテレキャスは小刻みなカッティングでぶつ切りにしてゆく。相反する音のせめぎあいは、互いに干渉し合い、カオスを積み上げ、臨界点を迎えると同時にそれを破壊してゆく。オーディエンスはやすやすと打ち抜かれ、目を見開きながら喜び勇んでコール&レスポンスに応えており、その一体感といったら、そんじょそこらで繰り広げられる生半可なものではなかった。 |
冒頭こそボーカルのレベルが頭ひとつ飛び抜け、オケを喰っていたが、一曲演って微調整をしたのだろう、以降はすべての音が渾然一体となった「らしさ」がこちら側へと侵食してきた。辻祐一が叩き出すドラムの前乗りのビートはフロントの3人をおのずと上下に揺らせる。BANDWAGONの世界を根底で支える、いきり立つベースの力強いトルクはダンサブルな印象を植え付けるキモであり、キーマンであった。決して飾らないのだが、隠しきれない要としての自負が存分に滲み出ていた。
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劇物を遠慮無しにぶちまけられた感があるサウンドとは裏腹に、MCで必ず飛び出す「ありがとうございます」の言葉に人柄や人間味溢れていて好感がもてる。THE CLASHのカバーである"Rock The Casbah"に引っ張られたわけではないが、奈部川の咆哮やヒジの曲がり具合、立ち振る舞いに至るまで、Joe Strummerの影響がそこかしこに感じられた。彼らに対する賛辞として「音を楽しむと書く」というベタな言葉を贈りたい。恥ずかしくないぞ、だってそれっきゃねぇだろ!
次回のライブは5/22@下北沢ERA。別に告知を頼まれたわけではない。でも、どうしても知ってほしい、そんな気にさせるバンドなのだ。
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report by taiki and photos by sama
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