ASTRO-B @ 四谷 Livegate (6th May '05)
サイバー・お笑い・バトル
四谷というところは、東京で音楽を聴く人たちにとって、あまり縁のないところである。山手線の内側にあるし、周りに大学とかがあるとはいえ、地味な感じは拭えない。ライヴを観に行くために四谷三丁目の駅を降りたのは初めてである。四谷ライブゲートというハコの周りは、オフィスやマンションが並び、繁華街という感じがない。そんなところのビルの地下に入っていくと、お客さんが結構いるので驚く。ハコの雰囲気は宇都宮VOGUEに似てると言っても、どれだけの人が分かるか微妙だけど。
この日、ASTRO-Bは数バンド出演の中、最後の登場であった。ステージには柔道着を着たJUDO MAN(ギター)、パンキッシュな女の子、キヨミ・カークラッシュ(ヴォーカル)、イエス・キリストとKISSのポール・スタンレーの合体であるジーザス・ホリエサン(ドラムス)、ニューロマ風衣装のプロフェッサー・サム(キーボード)、サイバー忍者であるニンジャボーイ・ヒデ(ダンス)、そしてVJが揃う。
彼らの音は、打ち込みを基本に生のドラムとノイジーなギターとキーボードが絡んで、強いて言えばプロディジーや『エクスターミネーター』のときのプライマル・スクリームやジグ・ジグ・スパトニックのような曲が多いけど(あくまでも例えれば)、それだけにはとどまらないだけの、バラエティが豊富さがある。
まずは、"SPACE CAT"で始まる。デジタルなリズムにノイジーなギターが絡み「No FUTURE」と歌詞にセックス・ピストルズを引用した"FUTURE ROCK"なんだけど、「No FUTURE」の先が「for me」だったりするわけで。そして、ジーザス・ホリエサンが『ジーザス・クライスト・スーパースター』のパロディを演じるコーナーがあり、もうひとりの重要なキャラクターであるラマ様が登場する。文字通りラマ僧の格好をしていて、ジーザス・ホリエサンと並ぶ姿は、それだけで笑いがこみ上げてくる。以前、香港のビーチリゾートのレパルスベイに行ったときに、渚で遊ぶ大勢のラマ僧の集団を見たことがあるんだけど、そんなムズムズしたミスマッチ感が笑える。そして、新曲の"タイムスリップ岡本太郎"なんだけど、
何故かメンバー全員でマッドネスのパロディをやる。しかも、スクリーンにはご丁寧に、マッドネスが出ていたホンダのCMが映し出されている。もちろん、歌詞の方は「芸術は爆発だ」というセリフ入り。
次は、プロフェッサー・サム、ジーザス・ホリエサン、ラマ様の3人がフロントに残って"君はウルトラC"。これが凄い。何せ、YMOの"君に、胸キュン"をベースに、うなづきトリオの"UNAZUKI MARCH"、イモ欽トリオの"ハイスクール ララバイ"、忌野清志郎+坂本龍一の"い・け・な・いルージュマジック"、矢野顕子の"春咲小紅"など、パロディがパッチワークのように組み合わさる傑作なのだから。多分、YMOのファンならあと、もうひとつかふたつ元ネタが分かるだろう。そして、ラマ様がヴォーカルで"恋の般若心経"。般若心経をGS風に歌い上げる。
やっぱりキャプテンズとの対バンが多いので、そこからの影響なんだろうか。スクリーンには歴代GSのレコードジャケットが映し出されていく。
なんとスターウォーズに出てくるストームトゥルーパーが出てきて"禅パワー"。ストームトゥルーパーはニンジャボーイとの戦いを繰り広げる。そして、ラストは"SAMURAI TRANCE"と"YOGA DISCO"の定番曲の2連発。この2曲は、デジタルとノイジーギターと和風やインド風のメロディラインが組み合わさったASTRO-Bのイメージを作る曲である。忍者やラマ様がフロアに降りてきてお客さんも巻き込んでカオスな盛り上がりを見せているところなんか、東京の盛り場でない地下のライヴハウスで、このようなライヴを繰り広げられているという事実は多くの人が知っておいた方がいいだろう。
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