All Tomorrow's Parties 2005 curated by Vincent Gallo @ Camber Sands Holiday Centre, Rye, UK (22nd - 24th April '05)
- Intro -
UK、L.A.、NYで年数回、不定期に開催されるAll Tomorrow's Parties(以下ATP)は、毎回キュレーターと呼ばれるアーティストが、出演アーティストのラインナップを決めるフェスティバルである。今までキュレーターをつとめたのは、トータス、モグワイ、シェラック、オウテカ、ソニック・ユース、モデスト・マウス、チャップマン兄弟、スリント等々。このような「お好きな方にはたまらない」アーティストが、これまた「お好きな方にはたまらない」メンツをズラリと揃えてフェスを行うのだから、面白くないはずがない。私は毎回キュレーターや出演アーティストのラインナップが発表されるたびに、「いいなー、行きたいなー!」と極東で身悶えしていたのだが、今回、丁度自分がヨーロッパに居る時期にATPが開催されたため、カメラを片手に乗り込んでみた。
会場となるCamber Sands Holiday Centreは、ステージやゲームセンター、パブの入った建物を中心として、アパートのような宿泊施設が建ち並ぶ。海まで徒歩5分の好ロケーションで、きっと夏には海水浴客が利用するレジャー施設となるのだろう。ATPの観客はキャンプではなくこの宿泊施設に寝泊まりするのだが、各部屋にはキッチンが付いているため、食材を持ち込めば自炊し放題だ。UKのフェス名物の高くて不味い屋台の食事に悶絶することなく3日間が過ごせるのは、かなり嬉しかった。毎日、ライヴが始まる時間もお昼の3時前後と遅く、タイムテーブルに追われることなく、ゆったりと過ごすことができた。
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今回のATPのキュレーターはヴィンセント・ギャロである。出演アーティストには本田ゆか、オノ・ヨーコ、メルツバウ、あふりらんぽ...と、いつもより日本人アーティストが多めに含まれ、それ以外のアーティストに関しても、ギャロらしく一癖も二癖もあるラインナップとなった。宿泊する部屋にあるTVではギャロのセレクトした映画が観られるチャンネルがあったり、映画『ブラウン・バニー』のUKプレミア上映もあり、ファンにはたまらない3日間となったはずだ。ステージは建物内の1階と2階にひとつずつあり、私は2つのステージを行き来しながら撮影していたのだが、なるべく沢山のアーティストをカバーしたくても身体はひとつしかない。アーティスト側の都合で、全プレス、柵前での撮影がNGだったり、時間の都合がつかず撮影をあきらめざるを得なかったアーティストも沢山居る。結局撮影できたのは3日間で18アーティスト。初日はあふりらんぽの堂々としたパフォーマンスに度肝を抜かれ、2日目はギャロのライヴの混雑具合とジョン・フルシアンテの選曲の大サービスっぷりに目眩を起こし、最終日はジェイン・カウンティーのパンチラ? ...いや、パンモロ? とマジック・マーカーズの「むくつけ」加減に熱狂。3日間の最後を飾るオノ・ヨーコのステージにはあふりらんぽとジョン・フルシアンテがゲストとして登場し、予想外に感動的なフィナーレとなった。次のページからのフォトレポートで、少しずつではあるが、ライヴの様子を皆さんにお伝えできれば幸いである。
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photos and comment by keco
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