Asian Dub Foundation w/ African Head Charge @ ZEPP Tokyo (15th April '05)
「世界」につながる音楽
2年振りのエイジアン・ダブ・ファンデイション、前回の来日は、踊りまくりの4時間ぶっ通しのライヴで凄く良かった。今回も期待しつつお台場に向かう。ZEPP東京に着くと、まばらでもなく、ぎゅうぎゅう詰めでもない、いい具合の人の入りだった。会場ではずっとダブぽいBGMが流れている。20分押しくらいでアフリカン・ヘッド・チャージが出てくる。さすがダブだけあって、ぶっとい低音が迫り、スネアの音にリバーブがかかって「かーーんっっっつ」と響き、エコーやフランジャーが彼らの生演奏にかけられて音が加工されて、めちゃくちゃディープでダビーな世界を作り上げる。基本はベース、ドラム、パーカッション、ヴォーカル、ギター、キーボードで彼らのコシが強くて、キレがあるビートは、手応えのある物体のようにずっしりとした感覚があるのだ。
アンプにはエチオピア皇帝ハイレ・セラシェの肖像が飾られ、MCでも、何度も「ジャー」と叫ぶように、ジャマイカとアフリカを音楽でつないでいるバンドなのである。まあ、もろにプリセットされていると思われるキーボードの音をそのまま使うんじゃなくて、もうちょっとどうにかして欲しかったけど、このアフリカンヘッドチャージにフロアは十分に暖められ、次のADFが20分くらいのインターバルを置いて出てくる。 |
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楽しみだったADF、それがもう、とんでもないことになっているのだ。ヴォーカルが3人いて、その自由なところを生かしヴォーカルを分担することによって曲にメリハリがあったし、MC.Spexは暴れまくりで、お客さんたちを煽り、しまいには客席にダイブ、と一番目立っていた。だけど、チャンドラソニックの鋭くハードで、パンク的なギターが、曲にパワーとダイナミズムを与える。そして何よりも、お客さんが凄くて、フロアを眺めるとステージ近くはモッシュとダイヴの嵐、真ん中辺と後ろでもダレることなく反応良く、それこそフロア一体で盛り上がっていた。
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曲は新作『TANK』中心で、ダブやドラムンベースをアジアの血とパンクスピリットでまとめ上げた、本来の意味でのミクスチャーサウンドを聴かせてくれた。もちろん"NEW WAY NEW LIFE"などの以前の曲もやるので、お客さんの期待には十分に応えている。"ENEMY OF THE ENEMY"では、曲のイントロで、誰か(ブッシュ?)の演説が流れる中、スポットライトが空襲警報を告げるサーチライトのように会場を駆け巡り、緊迫感を作り出す。政治的なメッセージうんぬん以前に何よりも格好いい。この曲の終わりには、前回と同じように「ナンバーワン・テロリスト、ジョージ・ブッシュ!」と叫ぶんだけど、それだけ状況は変わってないということでもある。本編最後は"NAXALITE"。チャンドラソニックがあのギターフレーズをゆっくり弾きだして、歓声が上がり、怒涛の演奏に突入していくところなんか最高である。
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そしてアンコールの2曲目の"FORTRESS EUROPE"での盛り上がりは、まさに会場一体になっていて、この日のハイライトになったのである。そうだ、ADFのファンの人たちって何がいいかって言えば、過去のメンバーに固執していなくて、今、鳴っている格好いい音に反応出来ているっていうことだ。そして最後はアフリカン・ヘッド・チャージのメンバーも参加して"REBEL WARRIOR"。ハイレ・セラシェの肖像はADFの演奏の時も飾られたまんまだった。インドからエチオピアを通ってジャマイカまでの"REBEL WARRIOR"のルートがここ、アジアの日本で再現されているのである。それは音楽が「世界」を知る手段であることの(かつて(洋楽の)ロックを聴いていれば世界を知ることが出来た)可能性を明らかにしていたのでもあった。
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report by nob and photo by izumikuma
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