button Asian Dub Foundation w/ African Head Charge
@ Shibuya AX (10th April '05)

ADF・バージョン2005


Asian Dub Foundation
 AsianとAfrican、それぞれに地域色をサウンドのコンセプトに掲げるスターが共に訪れた、あまりにも豪華な夜。
 Adrian Sharwood主宰、UKダブ界の代表的レーベル「ON-U」を代表するAfrican Head Chargeは、80年代より活動を続ける重鎮である。それに対してAsian Dub Foundation(以下ADF)は、メンバーだけでなくサウンドのほうも変化を続ける現在進行形。かたやルーツサウンドを重んじ、かたやジャングルなど新しい音楽のフォームを模索しつづけるという非常に興味深いライヴが始まる。
Asian Dub Foundation
Asian Dub Foundation  まずはAfrican Head Chargeが登場した。先にも述べた通り、彼らのサウンドはラスタ信仰に基づいたルーツサウンド。ヴォーカルのボンジョは「ラスタファーライ!」という合言葉を会場に響かせ、数々のパーカッションでナイヤビンギ(=ラスタ集会のようなもの)を聴かせた。どの楽曲もヴァース→コーラスのリフレインという単調な仕組でありながら、これが実にあたたかみがある。特にライヴ中でのダブ処理はしなかったと思われるが、逆にそれによってキーボードなどの高音が特徴的に鳴り響きウタゴコロ的なものを堪能できた印象である。一時間弱という時間を横揺れのザイオンに変えた後、彼らは笑顔で会場を後にした。
Asian Dub Foundation  ADFの時間が近づけば、会場がにわかに熱を帯びてくるのを感じる。ADFにはどうやらダブというよりもミクスチャーロックという認識を持っている人間が多いのかもしれない。フロア前方では「さあ暴れるぞ!」的なキッズが集まりだした。
 そしてライヴが始まってしまえば、そこは完全に「ロックバンドADF」というフロアへと移り変わった。すさまじいモッシュの空間が生まれ、2曲目"Tank"後半頃までは窒息寸前の勢いであった。

 さて、今回のツアーで初めてお目見えすることとなったメンバー編成はどうであったか。まずドラマーが脱退してしまった事によってリズム弱体化を心配していたが、それは杞憂に終わった。考えてみれば結成当初からいなかったわけだし、リズムマシーンがビートの中枢を保っていることでリズムの多様性にもバラつきを感じなかったようにも思う。
 次の大きな変化はマイク担当。『Enemy Of The Enemy』から参加しているスペックスはライヴを観るたびに成長を感じさせてくれるが、今回もまた前回とは比にならないほどADFサウンドとのシンクロが取れており、初めて日本に立ったフジロック2001の時のような「勢いだけのマイク担当」という肩書きはもはや完全に誤りであるといってよい。佇まいにも凛としたものを感じた。
 そして、彼だけでなく今回のセットでの核となっていた新ボーカルも新生ADFに欠かせない存在感があった。ラガだけでなく、歌モノといってもいいようなフローでもって攻撃的なADFビートに潤いを与える。まるで以前からこのスタイルであったかのように溶け込んでいて、既存の曲にもいいバイブスを注いでいた。
Asian Dub Foundation
 既存の曲と言えば、今回のセットリストを見て古くからのファンは戸惑いを覚えたに違いない。"Taa Deem"なんていうレアな懐かしい曲を聴かせてくれもしたが、今回は大半が『Tank』『Enemy Of The Enemy』で占められていた。つまり初期…というか初期のラガ担当であったディーダー在籍時の名曲達はほとんど姿を現さず、たまに"Naxalite""New Way New Life"などがプレイされても、それらはあの頃とは違う表情を持っていた。
 ADF=ラガジャングルという図式が成り立っていたのはもう昔の話。チャンドラソニックも長髪という出で立ちにイメチェンしたことだし、きっと彼らは次の段階へと完全に向いているのであろう。アンコールで"Fortress Europe"のイントロが流された時にちょっとした寂しさを、そしてADFの未来への期待をそれぞれ感じた。
report by ryoji and photo by hiroqui

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『Community Music』 ( 国内盤 / UK import )
『Rafi's Revenge』 ( 国内盤 / UK import / US import)
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