buttonLemon Jelly @ Shibuya AX (29th Mar '05)

トラブルを乗り越えた笑顔


Lemon Jelly
 19:57。普段なら、この時間ガラガラのロビーがごった返している。ビールを求める長蛇の列。何かっていえば、機材トラブルでいつ始まるか分からない状況になってしまったからだ。

Lemon Jelly  自分は19時ちょっと前、職場を早退してAXに着いて「何とか間に合った〜」と安堵してフロアへ。程よく埋まった会場はレモンジェリーの登場を待っていたのだった。ステージの背後には大きなスクリーンが夕陽を映している。突然アナウンスが入り、レモンジェリーのミックスCDを3人にプレゼントすると、日本語と英語で言う。CDを持った人が会場に忍び込んでいるので、ヒントを出すので見つけたら「わさび」というキーワードを言ってほしいとのこと。スクリーンにCDを持った人の一部分が映り、だんだん全体が分かるようになるのだけど、すぐ見つかってしまう。まあでも、粋な演出で楽しい。

 ……が、それから30分経っても始まらず、ついに、機材トラブルだというアナウンスが流れたのであった。そして現在20:16。まだ始まる気配なし。20:22頃「できるだけ早く再開させたい」とのアナウンス。しかし、先が見えず。取りあえずビール飲む。20:47。間もなく開演のアナウンスがロビーである。フロア後ろは座り込んでいる人多数。20:50照明が落ち、ようやく始まる。待ちくたびれたお客さんたちも歓声を上げる。

 2人は「ゴメンナサーイ」と謝り、まずは、レスポールのギターが充分にハードで、ケミカルブラザースみたいなビッグビートっぽい感じの"'88 AKA Come Down On Me"からである。音と連動するはずであろう背後のスクリーンには何も映ってない。さっきは歓声を上げたものの、どこかしらお客さんの反応が硬いようにみえる。徐々にほぐれてきたかなと思ったのは、ニックが「待たせてごめん」みたいなことを言いながら「SWEETS」(ベタだなぁ)と書いてある紙袋からお菓子を取り出してフロアにバラ撒いたあたりか。こうした温かい対応で、2時間も待ったこちらも顔がほころんできたのである。最後にも「スタッフのみなさんありがとう」と周りの人たちに気遣いを見せていたし。

Lemon Jelly  選曲は『'64-'95』からが中心も、以前の曲も満遍なくやってくれた。2人は基本的に卓を操作するけれども、ニックはエレクトリックギターにアコースティックギターそしてキーボード、フレッドはエレクトリック・チェロ、キーボード、ギター、スクラッチと、いろんな楽器をこなす。やっぱり一番の盛り上がりを見せたのは"Nice Weather For Ducks"。CDではポップでドリーミーなアレンジだったけど、それを強力なバスドラ4つ打ちのリズムに改造されていたのである。AXくらいの広さでは、これくらいのハードな方がいいのかも知れない。そして、"Soft"。そこからシカゴの"If You Leave Me Now" をサンプリングしてループさせ、そのまま"'79 AKA The Shouty Track"へという展開が面白かった。いつの間にやらスクリーンに映像が映るようになって(だけども「OPEN」とか「CLOSE」とか画面左上に出てきたり、チグハグだったが)、どんどんお客さんたちは彼らの世界に引き込まれていって、最後の最後には客電が点いたあと、しばらくは拍手が鳴り止まなかった。もちろん、1時間半くらいじゃ物足りないという気持ちも、あっただろうけど、後半の巻き返しが凄かったこと、そして何よりも、温かくハッピーなライヴであったことの証しだろう。

set list(原文のまま)
Intro/Come Down On Me/Bath/Spacewalk/Baby Battle Scratch/Raam/Don't Stop Now/Only Time/Make Things Right/Ramblin' Man/Page One/Patagonia/Ducks/Soft/The Shouty Track/Stay With Me/Rolled/The staunton Lick

report by nob and photo by hiroqui

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