buttonTONIGHT'S THE NIGHT vol.6

@ Shimokitazawa Club QUE (27th Mar '05)

追う者と受ける者が出会う特別な夜 -part2-

DUSK


dusk
 暗転したステージ、マイクの前にサングラス姿のジョウミチヲがまっすぐに立った。空気の流れをピタッと止めて会場中の意識を1点に集中させる。そんな一瞬の後、一気に流れ出した唯一無二の歌声でその場のすべてを瞬時に自分の色に変えた。

 DUSKを初めて観たのはもう3年程前になる。その時から強く訴えかけてくるメッセージや、憂いをたたえたメロディには惹きつけられるものがあった。ただ、その頃は"featuringジョウミチヲ"とでもいおうか、バンドとしての一体感はそれほどなかったように思う。しかし、最近のDUSKは違う。声量とオリジナリティのあるヴォーカルはそのままに、"バンド"としての迫力をもってこちらに迫ってくる。歌がどこまで大きくなって走っていっても、それを他の3人がしっかり受けとめ、力に変えて放出する。4つで1つになった音の風が目の前を吹き抜けて、ハッと目を見張らずにいられないのだ。

dusk  「やばい、やばい、やばい」ライヴの間中、何度もそう思った。揺れるタンバリンは聴く者を誘って連れ去る魔笛のようだし、透明にゆらめくギターのフレーズは一度聴いたら忘れられなくなる。足下からDUSKの世界に引きずり込まれて、抜け出せなくなりそうだ。いや、すでに抜け出せなくなっていたかもしれない。地中からどんどん湧き出して周囲に広がり、すべてを呑み込んでしまう音楽に会場中がどっぷり浸かっていた。

 ライヴが進めば進むほど、DUSKの独特な色が濃くなってくる。じわっとしみ込むような歌があったかと思えば、いきなり突き放されたり、一瞬たりとも油断できない。計算された空間創りのようでいて、飾っていたりうわべだけ取り繕った創作物では決してない。センターに立つジョウは感情の昂ぶりを包み隠すことなく表現し、時にそれは「気がふれたか?」と思うようなパフォーマンスとなって前面に現れる。

dusk  本編最後の"USE MY IMAGENATION"で、一心不乱にタンバリンを叩き続け、終いにはそれを投げ出してステージを去る、といったように。そういう激しい面を見せたかと思えば、アンコールではアコギ1本で弾き語ったりもする。「まっすぐに自分の音楽と向き合って、それを伝えようとしている」。まったく違う方法で表現された2つのシーンには同じような説得力があった。そして今日のラスト、「PEALOUTに捧げます」といって始めた"REVIVAL"はDUSKの真骨頂ともいえる曲だ。伝わるメロディと歌と言葉。「光のあるほうへ。」そう歌い上げられるメッセージは、DUSKとPEALOUTとその場にいた人たち全員の上に降り注がれていった。

 どちらのバンドも今観なくていつ観る! と声を大にしていいたくなるほどの渾身のライヴを見せてくれた。追う側と受けて立つ側の真剣勝負。これほど見ごたえのあるものはない。1度しか訪れないこの夜、間違いなく特別なものになった。

Set list 1. UNTOUCHED SKY 2. DOLLY 3. about THE END OF THE WORLD 4. ONE LOVE 5. GET SO HIGH 6. BOYユS SUICIDE 7. COLLECT 8. AND I KNOW YOU 9. IMAGE/PAGE 10. SLIP AWAY 11. ROBERT DE NIRO 12. USE MY IMAGINATION EN. 1. THE ONE I LOVE(R.E.M.) 2. REVIVAL

report by wacchy and photos by saya38

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