button Green Day @ Makuhari Messe (19th Mar. '05)

別にガキでいいじゃん


 久しぶりの幕張メッセ、中に入ると、すでにオープニングアクトであるシュガー・カルトの演奏中だった。Bブロックなのでステージが遥か彼方だ。取りあえず飲もうと思い、フロア脇にある屋台へ行くと、バド・ガールならぬハイネケン・ガールがいる。あのコスチュームで柄がハイネケンなのだ。おっ、ラッキーと思いつつ、ビールを買い、それを飲みながら前座が終わるのを待つ。ちなみに、反対側の屋台もチェックしたのだが、ちゃんとかわいいハイネケン・ガールがいました。そしてステージ転換のときには、ジョーン・ジェットの"I Love Rock N Roll"やチープ・トリックの"Surrender"やクラッシュの"I Fought The Law"やQUEENの"We Will Rock You"やゴリエがカヴァーした"Mickey"(の元ネタ?)やビースティー・ボーイズの"Fight For Your Right"が流れる。"We Will Rock You"ではBブロックの人たちも手拍子をして、こんな時から盛り上がっていいのだろうかって感じ。そして突然ヴィレッジ・ピープルの"Y.M.C.A."が流れ、ウサギの着ぐるみが登場して踊る。何やってんのとか思ってると、「アーーーアー」っていう叫び声のSEと共にゴジラの着ぐるみも登場、ウサギと一緒に踊ったり、相撲を取ったりする。これでメンバーが出てきたかのような大盛り上がり。そして曲はラモーンズの"Blitzkrieg Bop"。すると「ハイ!ホー!レッツゴー!」と大合唱が巻き起こる。言っておくけど、まだメンバーは姿を現してないのだ。そして客電が落ちて、さらに歓声が大きくなって、リヒャルト・シュトラウスの"ツァラトゥストラはかく語りき"が流れ、グリーンデイに似合わなさそうな無駄な壮大さを感じさせながら、見るとステージにメンバー(とサポートメンバー)がいる。

 そしてビリー・ジョーがギターをかき鳴らし「Don't want to be an american idiot……」と歌い始めて会場は爆発する。まあ「爆発する」と書いたのもあながち比喩とか誇張でなく、この日は火薬と火柱がふんだんに使われて、まるでラムシュテインのライヴか、フジロックのときのビョークかっていうくらいで、消防法は大丈夫?と心配になるくらいの派手な演出だった。

 この日は最新アルバムの『American Idiot』からの曲が中心で『Warning』が大好きなおれとしては不満なんだが、お客さんたちは大抵の曲でコール&レスポンスやサビの合唱なんかで盛り上がる。ビリーもステージを右から左へ走り回ってお客さんたちを煽り、水鉄砲をぶっ放し、恒例のお客さんをステージに上げてギターやベースやドラムを演奏させるコーナーもあり、"King For A Day"では王冠のようなものをかぶったりする。ついでにこの曲のメドレーでIsley Brothersの"Shout"をカヴァーする。楽しませるのに命かけてるような奮闘ぶりでなのだ。

 やっぱり盛り上がったのは"Hitchin A Ride"や"Basket Case"や"Minority"であるのだけど『American Idiot』からの曲も反応よく、お客さんたちに受け入れられている。ヒットパレードにしないところが潔いと言えば潔いのだけど、だからと言ってストイックなライヴでなく、サービス精神満開のステージだった。最新アルバムではアメリカへの批判があるし、"Holiday"の前には「ファッキン、ジョージ・ブッシュ!」と言ったりはしているんだけど、シリアスなバンドになったということは全然なくて、相変わらずの悪ガキぶりであるし、相変わらずのパワーコードの曲であるし、別にグリーンデイに進歩や進化や成長なんてないのだ。いや、それでいいのだと思う。バンドにはバンドそれぞれのあり方があるわけで、別に他のバンドが進歩や進化や成長をしていくのを否定するものじゃないし、それで素晴らしさが開花することもあるだろう。だけども、そのような右肩上がり的な時間の進み方がないバンドもあるのだ。老舗の料理店に味覚のイノベーションを求めないように、オール阪神巨人に今さらM1グランプリで優勝するような笑いを求めないように、グリーンデイにあるのは成長でなく、熟成なんだろう。その熟成の結果が10年もの間パワーコードを鳴らし続けバンドが、アメリカから遠く離れた日本の数万人入る会場でこれだけ多くの人の心を掴むようになったということなのだ。

 アンコールは4曲。その中には、去年のサマーソニックでもやったQUEENの"We Are The Champions"もあった。まさに「おれたちはチャンピオンだ」って笑いとマジの紙一重なところがいい。しかも、そのとき今までに見たこともないくらいの紙吹雪が吹き上げられ、あとで掃除が大変だなぁとか思っていると、メンバーが去り、ビリーが一人残って、エレキギターを弾きながら"Good Riddance (Time Of Your Life)"を歌って、この盛りだくさんのライヴを静かに締めくくったのだった。


-- set list --
1.American Idiot / 2.Jesus Of Suburbia / 3.Holiday / 4.Are We The Waiting / 5.St.Jimmy / 6.Longview / 7.Hitchin A Ride / 8.Brain Stew / 9.Jaded / 10.Knowledge / 11.Basket Case / 12.She / 13.King For A Day 〜 Shout / 14.Waiting / 15.Minority

-- encore --
16.Maria / 17.Boulevard Of Broken Dreams / 18.We Are The Champions / 19.Good Riddance (Time Of Your Life)
report by nob

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関連リンク
・ライヴで"Basket Case"をカヴァーしたこともあるAvril Lavigne
・ポップ・パンクの後輩!?SUM 41


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