button Yuji Takahagi @ Shibuya Aoi Heya (2nd Mar. '05)

Gメンの左手〜チェーホフに捧ぐ


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 平日の青い部屋。「Gメン75」の丹波哲郎ばりのトレンチコートを脱いだ高萩幽司が歌いだす。 極めて都会的な長髪、端正な顔立ちに似合わず、小便をがまんするようにクロスした脚。"ピッタピタ"ではなく微妙にフィットする細身のパンツ。少しキモイ。これが高萩ワールドなのか...

 かったるく始まった曲は、数え歌を彷彿させる『奇数となる夜』。よーく聴かないと空気に呑みこまれそうな静かなギターと心地よく耳障りなボーカル。ニヒリスティックな笑いを浮かべて聴衆(といっても数えるほど)を凝視したかと思えば、空を仰ぐような流し目。高萩氏の特徴的なステージは混沌として整然、ギラつきながらも清潔だ。カバー曲からオリジナル曲への流れが実に良い。一瞬狭い意味での”組曲”かと思いきや『アゴ髭ヲ巡ル問答』を語りだし、アゴ髭が伸びる速度と人間が宇宙へ到達する速さの争いが始まる。
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-- setlist --

1.奇数となる夜
2.小夜曲(アルペンホルンによる)
3.あの人の木曜日(野村麻紀、カバー)
4.都会のまぶしい午後
5.アゴ髭ヲ巡ル問答
6.素晴らしい大雨
 ギターの弦に落ちる左手のスピードとそのイヤラシイ抑え方に目を奪われていると、肩すかし的に爽やかなフォークソングを正しく歌い、すり足ほどの最小限の上下動でステージの奥へ消えていった。

 とてつもない旋律で聞き手を惹きこみ「なんちゃって」的フレーズで突き放すジョン・レノンのように、高萩氏の演奏は聴衆を行ったり来たりさせる。問いかけも説教も主張もない、ひいて寄せて終わる、不可解なのに後に残る空間を作り出す音だ。

 このかんじ、「とにかくやっちまってから考えようぜ」という姿勢を、可能な限り抑制したパンクだ!「それ、パンクじゃないだろう!」と思った人、高萩氏のステージを体感してから考えてみてください。


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report by kao and photo by nachi
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