Scissor Sisters @ Tokyo UNIT (25th Feb '05)
虹色 THE NIGHT CLUB
モンゴル相撲みたいな衣装(しかしノースリーブ)を纏った漢が、巨大な扇子を持ち、エロを振りまく女郎(ひょっとするとドラァグ・クイーンか?)と絡み出すだけでなく、チチ揉みやインアウトの真似事をおっ始めたらば、そこはもはや異空間。大沢伸一のアグレッシブでスタイリッシュなスピンで熱を帯びたフロアにドバドバ油を注ぎ、一瞬で性の解放区といった趣きにシフトさせる。「パーティーターイム!」の一言に集ったクラバーには既におなじみ、刃先がピンヒールになったハサミが大型ヴィジョンでくるくる回るだけでも、ビートの氾濫に飢えていた僕らにはシンプルかつ効果的なカンフル剤となって、血中のアドレナリンやヘモグロビン達が忙しく駆け回る。
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曲間のMCで、アナ(Vo.)が「p**p!」や「b**b!」とお子ちゃま言葉をつかえば、アラ不思議だわ、オーディエンスの黄色い歓声と野太い声のどちらとも、最新型の赤ちゃんプレイとなってしまう。言動のみならず、サウンドも刺激的だわよ。Tレックス、デヴィッド・ボウイ、ロキシーミュージック、クイーンをまとめて洗濯機に突っ込んだら、真っ白なシャツがレインボー(!)に染まってしまった感じで、ゲイ・カルチャーのポップ・イコンを地でいく彼ら。シド・バレット在籍時のピンク・フロイドの影響もうかがえる。とにもかくにも、リバティーンズ(今はベイビー・シャンブルズだけ?)のピート・ドハーティに次ぐくらい話題が豊富で、デイリーミラーが喜びそうだ。 |
そんな状況を軽くいなす"Laura"のイントロに、代官山に集ったつくづくオサレクラバー達はひとまず衝動を胸にしまい込んで、ゆらゆらりと漂う。後々のキラーチューンに向けてのカウントダウンがここに始まった。
昔カートゥーンでやってた『クラッチカーゴ』風にコーディネートしたベイビーダディ(B.)のベースがたらい回しにされて、誰が本来のベーシストなのかわかんねぇ、ってのはかなり面白い。
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聴覚、視覚を刺激するダンサブルなナンバー"Comfortably Numb"と"Filthy / Gorgeous"では当然バースト。前者はYMO、後者はヘアカット100"Favourite Shirts (Boy Meets Girl)"っぽい。どちらにも共通するのは、ジェイクのアースウィンド&ファイアーのようなウラ声。そりゃ踊るわよ。ダッチワイフもダイブするわよ! |

オアシスのノエルは「ヤツらは最悪」と言ったらしいが、そんなことはない。たしかにブラー派のほうが受け入れやすいかと思いますがね。
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アンコールでは「ジェイクがペリー・ファレルのような帽子を被って登場!」と一思いに言いたいんだが、十中八九他のライターと被るだろうから、ここはひとつ「ソフト路線へシフトしたデーモン小暮閣下の帽子のようだった」とでも言っておく。そんな邪魔っけな勘ぐりをすっ飛ばしたのは、なぜか淫らな風が至極爽やかに吹き抜ける、お待ちかねの媚薬"Take Your Mama"。アコギが先行し、ピアノとパーカッションの瑞々しさが、懐かしくも新しい。雰囲気はローリング・ストーンズの"悪魔を憐れむ歌"に近いかも。"Music Is The Victim”では、ジェイクのジョージ・マイケルみたいな地声が聞けたけど、意外じゃないのは、何故なんだろう…ね。
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report by taiki and photos by keco
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