Losalios @ Ebisu Liquidroom (27th Jan. '05)
媚びない色気
「ヒョォーーー!」
相変わらずだ、達也。ただもう、奇声をあげて楽しそうにドラムを叩き続けるあなたを見ていると、それだけで来て良かったと思う。 Losalios久々のライヴは「東京連鎖反応」と名打たれ、セッションから生まれた曲を次々披露してくれるとのこと。「中村達也ソロワーク」から、随分バンドになってきたなあ。「We are Losalios!」と叫ぶ達也の姿に、なんだか幸せな気持ちになる。
この日のメンバーはB.おなじみTOKIE、G.はスカパラのカトウタカシ、そしてAIGONGこと會田茂一…そして、Dr.中村達也。40を越えてますます脂ののったドラミング。勿論めちゃくちゃ巧い。けど、テクニシャンとかパワープレイヤーとか、何か一つに突出してるというワケでもない。ましてや、テンポキープが巧いとかそういうワケでもない。ただ、この男のドラムはいともカンタンに理性をトバす。一言で言えばゴキゲン、心地よくアッパー系というカンジだ。”アナコンダ”の原始的なリズムに腰を突き動かされながら、呆然と達也を見つめるあたしの目はたぶん微かに潤んでいる。んあ…だって、気持ちイイ…。
シンバルのセンターやリムショットが上手なドラマーは個人的にツボだ。いやらしいくらいヤられるのも悪くないけど、さらりと通り過ぎてまた戻ってくるのが反則で素敵。新曲は”Sick?””H・A・E””日記」””SANREN Indonesia”の4曲。ことさら”Sick?”はすごいです。アッパー炸裂、爆凶スネアリフだけでもうどうにでもしてという気持ちにさせられる。見ると、隣で大の男がやはり陶酔し、目を閉じてひたすら躍りながら、女子群の声に混じって叫ぶ。「達也ぁ、ヤっちゃってくれえー!」…オマエもか。
しかも、新しい試みが主旨のライヴなら、フツーMCでその旨を説明するじゃん? ない! MCといえば「あっ、はさまった(フロアタムの間)」「謹賀新年!(1月末です)」「40になる1分前居酒屋でなんかそういう雰囲気になって…それまではこう、さあ、グチっていうか…ああ、この話ヤメ(そのまま曲に突入)」あとはひたすら「ヒョオーーー」「ヒャー」「イアー」…奇声じゃん(笑)。見事奇声じゃん。叩く以外に表現手段を持たないこの男を本当に愛おしく思う。
ラスト、アンコールの”coganemushi"で、体を前に倒した時、達也のスティックは後頭部まで振れ、髪がこぼれて、汗ばんだうなじがちらりと覗いた。それでもなりふり構わず叩き続けるこの男のプレイって、本当に綺麗。時にパンキッシュで、時にジャジー。ほら、サッカーでもF1でも、スポーツ選手の色気ってあるじゃないですか。彼のプレイはそれに近い。オンナに媚びない色気っていうか。
インストゥルメンタルというと敬遠する人も多いけど、イイものはイイんだったら。
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report by yuka and photo by sama
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Mag files : Losalios
媚びない色気 (05/01/27 @ Shibuya AX) : report by yuka, photo by sama
photo report (05/01/27 @ Shibuya AX) : photo by sama
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