Katteni Shiyagare @ Ebisu Liquidroom (23rd Jan '05)
粋でいなせな雨男
勝手にしやがれに、雲一つなく晴れ渡った青空は似合わない。
猫背気味な背中に、無造作に襟を立てたコートを羽織る男。パラつく小雨を避けるように目深に被ったボルサリーノの奥では、哀惜に満ちた風貌とは不釣合いな鋭さを湛えた眼が、冷たく輝いている。そんな、裏街道を突き進むようなバンドのイメージからだろうか。そういえば一昨年のフジロックでも、ゲートから歩くと30分はかかろうかというステージに、雨が降る中、入場規制がかかる程までのオーディエンスを集めた。その後の小岩井ロックフェスも雨、去年の朝霧ジャムでも小雨がパラついていた。そしてこの日の恵比寿の街にも、類に漏れず小雪が舞っていた。
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「そりゃそうだろうよ、だから一回見たらハマるって前から言ってんじゃん」なんて少し得意にながらも、日本相撲協会から届いた花(なんで相撲協会?)はしっかりと見逃さなかった。
メンバーが現れ、リーダー武藤を中心にしてオーディエンスに背を向けて立つ。ダークスーツに身を包んだ4人のフロントマンの背中を、冷たく光るナイフのような青白いライトが照らす。武藤が「ワン、ツー、」と声をかける。それに合わせて4人がくるりと向き直ればと、それまでのクールな雰囲気に包み隠していた激情が一気に弾ける。ステージ上のクールキャッツから放たれたパッションは、導火線を伝うダイナマイトの種火の如く一気に伝わり、フロアにビッグバンを起こす。黄金色に輝く管楽器を、相も変わらずぐるんぐるん振り回しながらステージ狭しと動き回る4人からは、この日もやはり殺気染みたものが感じられ、いつものように背筋がゾクゾクする感覚を覚えた。 |
会場についてまず驚いたのは、オーディエンスの多さ。一昨年の秋頃に渋谷のクアトロで見たときには、フロアに半分くらいの入りだった気がする。それがこの日、クアトロよりもひと回り大きなフロアが、淑やかに着物を纏った女性やリーゼントに革ジャンでキメた兄ちゃん、そして何よりTシャツの首にタオルを巻いた大量のキッズたちで溢れかえっている。
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メンバーがステージを去った後でも、なかなか点かない客電に、誰一人として帰ろうとはしない。アンコールを求めていつまでも鳴り止まない拍手に、一旦は点きかけたライトも再び落とされる。あれ、もしや……! と淡い期待を抱かされたのもつかの間、この日も昔聞いた「アンコールする体力残ってないんすよ。本編で出し切っちゃうから」という武藤昭平の言葉に嘘はなかった。 |
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全20曲で時間にして2時間弱。その間に余計なMCなど一切入らない男気溢れるステージに、今日もまたハートをガッチリ持っていかれた。これを読んでいるあなた、まだチェックしていないのなら急いだほうがいい。TVの主題歌にも使われているし、この日チェッカーズの武内亨氏やミュートビートの増井明人氏が会場に姿を見せていたことからも、注目度の高さは窺える。今ならまだ間に合う。「すげーカッコいい!」ってホクホク顔の友達に「だから言ったろっ!」って間違いなく自慢できるはずだ。
ゴダール映画の世界観を、ピストルズの反骨精神とジュリーのような哀愁溢れる寂れた歌声で聞かせるバンド。一度ナマで感じてみな。きっと想像超えてるから。 |
-- setlist --(原文のまま)
オーヴェン・ブルー(新曲) / ショットガン / ワイルドルーム / スイサイダル・スウィング / オール・ザ・マッドメン・ブルース / コメディ / スローなブギにしてくれ / キャバレーNo.9 / ミシェル・セッド… / メランコリック・デカダンス・ピエロ / マイルストーン / 円軌道の外 / ビッチ / 祈りのオリオン / シスター / ラグタイム / ロミオ / SLAVE / バース・オブ・バップ / Z28 |
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report by imakaz and photos by hanasan
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