Smashing Mag / The Music @ Zepp Tokyo (13th Jan. '05)

The Music @ Zepp Tokyo (13th Jan. '05)

トモダチの音楽
なにしろ4日連続の登場である。それだけでもう彼らを抱き締めたくなる・・・と言っても過言ではない。　最近ではすっかり日本の夏フェスにおける定番になりつつあるThe Music。久々の東京単独公演は、ググンッとグレード・アップしてZepp Tokyo 3daysだ。「フェス会場でお客さんが集まるのは当然としても、いきなり前ツアーの3倍のキャパなんて大丈夫かしら？」なんて心配もなんのその。各会場をきっちり売り切るのだから畏れ入る。気づかないうちに本当にビッグ・スターになってたってわけだ。　東京公演初日を翌日に控えた1月10日、彼らはその日もZepp Tokyoのステージにいた。新潟中越地震被災者を応援するためのベネフィット・コンサート"HEAL NIIGATA"に賛同し、急きょスピーチ及びチャリティ・オークションという形で参加してくれたのだ。2年連続フジロック出演の後、昨年はとうとうお客さんとして遊びに来ていたThe Musicならではのサプライズ。フジロック仲間の登場に会場が沸いたのは言うまでもない。　そしてライブ当日。颯爽とスキップで登場したロブは、のっけから聞く者を突き刺すような鋭いボーカルで攻め立ててくる。鋭いのはロブの歌声だけじゃない。以前に比べ、なんとなくバンド全体が攻撃的になっているのだ。普段はおっとり笑顔のフィルのドラムさえも攻撃的。スネアの音なんて爆竹の破裂音のようだ。しばらく見ないうちに、若者バンドThe Musicは大人の技巧派アーティストへと変貌を遂げていた。　大人になったからと言って勢いが衰えているわけではなく、むしろ加速している。2曲目の"THE TRUTH IS NO WORDS"で、ギューギュー詰めのお客さんは早くも大合唱。続く"FREEDOM FIGHTER"で場内の興奮はあっという間にピークに達し、スイッチの入ったダイバーたちが頭上をビュンビュン飛んでいく。ロブがピースサインを掲げると、それに呼応するようにお客さんも空に向けて両腕を伸ばす。反射板に囲まれたような真っ白な照明に包まれたピースサインの波はあまりにも美しく、神々しくさえ見えた。　フジロックがあるせいだけではないだろうけど、The Musicとお客さんの関係は仲の良い友達のようだ。ロブが日本語で「アリガトウ」と言うのが「ハニガトウ」と聞こえておかしいんだけど、そのおかしささえも共有している身内っぽさ。お互いが相手を大切にしてきた結果なのだろう。"HEAL NIIGATA"もしかり。「この曲を君たちに」と言って演奏された"THE PEOPLE"がこの日はことさら胸にしみた。「The people Change the way you live now」。ハニガトウ。

-- set list --

NORTH
TRUTH
FREEDOM FIGHTERS
CESSATION
HUMAN
LONG ROAD
BREAKIN
ONE WAY IN
GETAWAY
I NEED LOVE
TOO HIGH
INTO THE NIGHT
PEOPLE
BLEED
DISCO

（原文まま）