button 新宿フォーク @ Akihabara Goodman (18th Dec '04)

めぐる季節の中で


shinjukufolk
 この日の新宿フォークはデリシャス・スウィートスというバンドっていうか集団が主催する企画で秋葉原GOOD MANというライヴハウスに登場した。オタクのメッカであり、電気電機電器の街である秋葉原の喧騒から離れた休日の夜だとかなり寂しいところに、このライヴハウスはあって、渋谷新宿下北のように周りにもいろんなライヴハウスがあるような便利なところでないゆえの濃さと、1ドリンク券でソフトドリンクを引き換えると差額のチケット(次頼むときに使える)を渡してくれるなど、ユーザーフレンドリーなところが良いところだ。

shinjukufolk  さて、ステージに現れたヴォーカルの小田切とキーボードの大久保を見て驚いた。このレポートの下には過去の新宿フォークの記事があるので、そのときの写真を比べてみて頂くと分かるのだけど、小田切がさらにファンキーダイナマッ!と化してワイルドな髪形へ、キーボードの大久保も髪形や眼鏡が変わって、こちらもワイルド化していた。

 まずは"夏が来た"でスタートする。リズム隊が作り出す力強いグルーヴに歯切れのよいキーボードが色をつけて、そこに小田切の声が乗り、音が一丸となって迫ってくる。"スカート"、"ベイビーソーキュート"と継ぎ目なく、メドレー風に次々と畳み掛ける。冒頭は新宿フォークのファンキーな面が遺憾なく発揮された。どれもファンキーなんだけども、"夏が来た"の焦燥感、"スカート"の切ない感じ、"ベイビーソーキュート"の楽天的なところなど、歌詞の内容がそれぞれ違うところが面白い。そして「立川でピクニック」と歌うポップな"ピクニック"。これは昭和記念公園あたりだろうか?このバンドは具体的な場所を歌ったものが多いんだけど、だからと言って聴く人を限定するわけでなく、ちゃんと普遍性を持っているのだ。


shinjukufolk  そして"27番地"である。この日聴けたのは、今まで聴いていたのと比べ、イントロの入り方や、ピアノの音にリバーブ(多分)がかかったところなどがマイナーチェンジなんだけど、切なくスローで始まり、徐々に盛り上がっていき、音が暴れ回る展開はいつ観ても圧巻である。そしてクライマックスはキーボードから火花が飛び散るのだ。この火花はもちろんエンターテイメントであるけれども、切なすぎるバラードを壊し、曲を食い破るようなバンドの意思を感じる。先日のKeaneもこのバンドのように突き破って行くようなものが欲しいよなぁと思ったり。次が"悲しいなんていうなよ"バックはピアノのみのバラードで切々と歌い上げる小田切の声が染みてくる。そしてラストは"東京"。どうやら東京で育った「僕」が羽田で「君」を見送った後の話で、「場所」と「距離」と、そこから生まれる気持ちが見事に歌の中に込められている。 以前は確かシンプルにピアノだけがバックの曲だったと思うのだけど、この日はバンド全体での演奏である。サビの「東京は雪」とあるように、短いステージの中に夏から冬まで季節の移り変わりをバンドもお客さんも共に体験するのだった。
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