Keane @ ZEPP TOKYO (16th Dec. '04)
普通の人の特別な歌
フジロック以来のKeaneであった。11月から12月にかけてフランツ・フェルディナンドや、22-20sやKasabianなど夏フェスに出たUKの新人バンドが再来日して、あの夏をもう一度みたいな勢いだったりするんだけど、フェスで掴んだ手応えが本物かどうかを、バンドもお客さんも確かめるよい機会になっているのだと思う。
会場のZEPP東京にはUKバンド好きが集結――というわけでもなく、普通の人が多かった。普通の人っていうのもなんとも説明が難しいものだけど、ライヴハウスやUKロックが流れるクラブで見るような感じの人っていうよりも、普通のOLさんや普通のスーツ着たサラリーマンさんや、普通の外国人ビジネスマン(年配も結構いる)がよく目に付いて、あんまり「フェスだ!」「ロックだ!」という人がいないように感じる。J-WAVEとか聴いてバンドを知った人が多いように思えた。それだけ非・オタク的空間になっていたのだ。まあ、そうでしょう。フランツ・フェルディナンドのようにアイドル的なルックスでもなく、ステージにはヴォーカル、キーボード、ドラムだけのこれ以上ないくらいのシンプルな編成で、速い曲をやらずに、ひたすら美しいメロディの曲を演奏してくれるバンドなので、キャラクターよりは純粋に曲の力でブレイクしたので、お客さんも普通の感じになるのは当然と言えるかも。
だから、もしかすると、80年代ならビリー・ジョエルとか70年代ならエルトン・ジョンとかを好んでいたようなタイプの人がZEPPに来たんだと思う。
ライヴは"Can't Stop Now"で始まり、2曲目には"Everybody's Changing"。「コレハアナタタチジシンノウタデス」とか妙に日本語が上手くて人の良さを感じたりする。はっきり言って、ベースやシンセサイザーが打ち込みになっていて、ピアノとドラムはそれに合わせて演奏しているんで、実質ヴォーカルのTom Chaplinによるカラオケに近いんだけども、もう、その声さえ聴ければOKつーか、Tom Chaplinの優しく包容力ある声の素晴らしさはどう形容しても言い足りない。しかも、その声で"Everybody's Changing"のような高揚感あるサビを持つ曲や"She Has No Time"のようなしっとりした曲を歌われたら堪らんですよ。ジャイアン・リサイタルならぬTom Chaplinリサイタルでも全然OK。新曲ではキーボードを弾いたりして「おおっ、ツインキーボードか、こりゃプロコル・ハルムか」と思ったりしたけど、そこまでには至らず。
ただ、やっぱりお客さんは大人しくて、前の方はそれなりに盛り上がっていたみたいだけど、合唱や拍手を求めてもいまいち反応がなくて、あのフジロックでの盛り上がりはなんだったんだろうか?やっぱりフェスマジックだったのか、と思ったのだった。でも特に本編最後の"somewhere only we know"が終ったときの拍手は凄くて、結局のところアンコールにも応えて「ライネンマタアイマショウ」と妙に上手い日本語で再会を約束したのだった。
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