THE NEAT BEATS @ Ebisu Liquid Room (7th Dec '04)
「ATTENTION!!よりCAUTION!!」
部屋の中にこれでもかってくらいに陽が入ってきて目が覚める。そのまま近所迷惑にもかかわらず、ステレオボリュームを上げて眠った頭を叩き起こすと今夜のことで頭がいっぱいになる。日が沈んで辺りが真っ暗になると、周辺にはチケットをすでに手に入れたヤツらが集まりだし、待ちに待ったロックコンサートにじっとしていられない様子だ。クハラカズユキ、奥野真哉(ソウルフラワーユニオン)の2人が参加した今年のTHE NEATBEATSのツアー最終日は相変わらずのハイテンションで始まった。
MR.PAN(Vo.&LeadGu.)が赤と黒のジャケットに身を包んで久しぶりのリーゼントで登場すると、10月にリリースされたニューアルバム『ATTENTION PLEASE!!』から"SPACE SHIP"、"真空パック"、"HI-FI LADY"と立て続けに披露する。15分ほど経って楽器が口に変わると、さっきまでの歓声が笑いへと変わる。この組み合わせがニートビーツ節だ。
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そこからなだれ込むようにMR.LAWDY(Vo.&2ndGu.)の小刻みなカッティングが鳴り、底をMR.ROYAL(Vo.&Ba.)のベースラインが走るとMR.PAN(Vo.&LeadGu.)のスライドギターと色っぽい声が絡みつく。
1年間ツアーに参加してきたクハラと奥野ももちろん「今」のニートビーツには欠かせない存在だ。一応は、サポートメンバーでありながら個性が隠せない強力な2人なだけに、隙などどこにも見あたらない。それに加えてサッカーのジーコ・ジャパンよりもチームワークが遥かにいい。
昨年末にドラマーのMR.SHEENが脱退した時は、正直これから彼らがどうなるのか全くわからなかったが、このステージを観ていたらそんなことはどうでもよくなった。リーゼントだろうがキツツキヘアだろうが、黒だろうが花柄のジャケットだろうが、彼らは「かっこいい」ロックンローラーなんだから。
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この夜でTHE NEATBEATS+クハラカズユキ+奥野真哉という形でのステージは最後になってしまったが、寂しさ半分楽しみ半分といったところか。いや、楽しみのほうが多いだろう。
"とってもスター"でステージが弾けると、"ピーナッツ・ギャラリー"ではそれまでの上下に揺れるビートから正統派なロッキン・バラードへとシフトチェンジをし、歌を聴かせてくれる。春の渋谷でのライヴで、ジプシー・バイオリニストスカーレット・リベラと共演した時に初めて聴いてすぐに気に入った曲だっただけに、思わず感情が持っていかれる。真鍋"MR.PAN"崇の歌声が場内響き渡ると、大きな拍手に場内は沸いた。
一息入れるとクハラがスネアとハイハットを連打する。ビートパーティの第2部の始まりだ。
James BrownやSam Cooke、「みんなが飽きても演る」とまでいったChuck Berry、とTHE NEATBEATSのルーツが始まるとそれと知ってか知らずかダンスし始めるオーディエンス。オリジナルだって全然古くなんてないが、彼らがやるとまたかっこいい。"Little Queenie"、"Twistin'The Night Away"に続いて赤くてでっかいパートナーが紹介されると、今度はMR.LAWDYの高い声が響く"BABY,THAT'S R&R"で手拍子がそろう。オーディエンスも1つになってきた。トドメに"黒いジャンパー"のリフがスピーカーから流れると「赤のチェックだー!!」の大合唱。会場全体が笑顔になった。
4回にも及んだアンコールを入れて30曲弱を披露した彼らは今月22日の新木場STUDIO COASTでのライヴから3人に戻るが、彼らが真剣にロックンロールで遊べば遊ぶほど、THE NEATBEATSは「かっこいいアイツ」になっていく。
report by Taisuke and photo by saya38
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