illreme with MELT-BANANA/TUCKER/ロボ宙 @ Shibuya club Quattro (6th Dec '04)
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次に登場したのはMELT-BANANA。かなりアクの強いこの日の出演者の中でも、群を抜き際立っている存在感。登場するやいなや、一瞬にして場の空気をMELT-BANANA色に染め変えてしまう。その全く隙のない雰囲気と演奏に、毎度ながら背筋がゾクゾクし緊張感が一気に張り詰める。イルリメのニュー・アルバムを初めて耳にした際、その1曲目"banana boot"でMELT-BANANAの楽曲がまんまサンプリングされていたことにまず吃驚し、接点が全く無さそうだと思っていた双方の音楽性が、意外なほど好相性だったという事実には心底心躍らされたものである。
やはり第一に声が素晴らしい。イルリメもMELT-BANANAのヴォーカル・YASUKOも、他に二つとない個性豊かな声を持っている。その両者の声の奇妙な魔力に、私は滅法取り憑かれてしまっているみたいだ。YASUKOの過剰なほど高く突き抜けた声が一気に溢れ、その饒舌ぶりに更に輪をかけたノイジーなサウンドが、歯止めのきかない暴走機関車の如く猛スピードで覆い被さっていく。痙攣を起こしてるかのようにギターを引っ掻くAGATAの手元なんて、早すぎてどうなってるのか分からないぐらいだ。
持ち時間は割と長めだったのにも拘わらず、演奏中の空気は全く弛緩することなく、最初から最後まで圧巻のテンションで一気に駆け抜けていった。その荒れ狂う波のような獰猛な演奏を前に、私はといえば「すげー、すげー」と、アホの一つ覚えのように繰り返すしか術はなかったのだった。
客席から向かって左にやけのはら(アルファベッツ)、右にタケウチカズタケ(SUIKA)、左奥にJOSEPH NOTHING、右奥にL?K?Oという猛者達を配置したイルリメ・スペシャル・バンド。改めてみるまでもなくめちゃくちゃ豪華な面子だ。いちアーティストとして突出した個性を持つ各人が、イルリメのためにバンドのメンバーとして集結してるっていう時点でもう凄い。それぞれサンプラー、キーボード&シンセ、ミキサー、ターンテーブルというセットで臨む。イルリメがマイク片手に颯爽と登場すると、静寂を保っていたステージから一転、幾重にも連なる言葉とサウンドが勢いよく流れ込む。
これまでにも何度となくイルリメ(客演も含む)のライブは見た事はあるし、「イルリメ・バンド」名義のも数回見てきたが、こんなにもブ厚い音のセットは初めてかもしれない。当然のことながら演奏されるのは最新アルバムからの楽曲がメインであった為、ライブ開始当初は正直馴染みにくいと思っていたのだが、アガリ切ったテンションのイルリメ(&タケウチカズタケ)を見てるうちに、いつの間にやらこちらの気持ちも高揚していった。脳内のツボをズボズボと絶妙に突いてくる、イルリメのハキハキとした通りのよい声。声を使う商売以外あり得ない、っていうぐらいのその天性の声を盛り立てるように、バックのミュージシャン勢がこれまた例えようのない無比の音像を轟かせる。各人のバック・グラウンドを垣間見せるような、ヒップホップ、エレクトロニカ、ハードコア、パンク、ダブ、ノイズ…と様々な要素を内包した底なしに歪んだ重厚サウンド。にもかかわらず、突き抜けてポップで驚くほど風通しがよい。矢継ぎ早に繰り出される高速ラップの応酬に痺れつつ、MCでは笑わされ、終盤では思わず胸がジーンとさせられたりと、イルリメの懐の深さを痛感させられたライブだった。
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アンコールでは、メンバー全員何かにとり憑かれたように機材を激しくなぎ倒したりと、サービス(?)満点の混沌ぶりを見せていた。L?K?Oなんて、卓ごとまとめて横転させるのか!?かと思いきや、やおら卓上のターンテーブルに直立し、レコードを踏んづけバキッと足スクラッチ。溶解するようなノイズの渦の中で、イルリメの咆哮が響きわたる。ライブが終わっても暫くの間、その残響が耳にこびりついて離れなかった。この面子による「イルリメ・バンド」名義でのライブは当分やらない(やれない)らしく相当に残念ではあるが、これほどまで強烈なライブを体感できただけで感無量である。
ロボ宙〜TUCKER〜MELT-BANANA〜イルリメと、強烈過ぎる曲者達のライブを目の当たりにし、当然のことながら各アーティストの素晴らしさを再確認させられた。これまた伝説の一夜として語り継がれることだろう、いや語り継ぎます!
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report by uko and photo by saya38
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