BOOM BOOM SATELLITES @ Daikanyama UNIT(30th Nov '04)
これはロックンロールですよ
まずは個人的な話から。デジタル・ミュージックって奴がどうも苦手で、その傾向はストーンズなんかを齧り始めたころからいっそう顕著になった。グルーヴの微妙な“間”や“ズレ”を楽しむことができるようになると、その対極にある打ち込み音のジャストすぎるりズムは逆になんだか不快に聴こえることがあるのだ。それでも人間って奴は面白いもので、一定の周期を経ると、かつて距離を置きすぎた対象には今度は興味を抱くようになるらしい。なぜか今はデジタルな音楽の魅力を「わかる」ようになりたくてたまらない。われながら不思議である。
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とりあえず最前列に立ち位置をキープ。えらく久々のポジショニングだが、ソールド・アウトなのに比較的スキマがある今日の密集度から予想すると、ここでもなんとかなるだろう(と、その時は思った)。メンバーが登場しても観客は比較的冷静だ。はー、みんな、なんだかお上品なのねえ。同じ融合系でもTHE MAD CAPSULE MARKETS なんかのデジコアになるともっと野太い怒号が聞こえるもんですが。まあ安直にMADと較べるのが間違ってるんだろうけど。しかし中野がコンピューターから最初の一音を出した瞬間、状況は変わり始める。
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というわけで、そのイメージから今までなんとなく苦手としていたBOOM BOOM SATELLITES のライヴに行くことにする。これを契機に、なんとか機械音の魅力がわかる耳を作りたいなと考えたのだ。ブンブンのライブはコンピューター音に生楽器の演奏を組み合わせたものだから、それまでバンド・サウンドしか馴染みがない者でも比較的親しみやすいだろうと踏んだ。そうしたら……親しみやすいどころか……。

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収穫はふたつ。ライブ・バンドとしてのブンブンの顔を知ることができたこと、そしてそのロック性に触れることができたこと。だけど……肝心のデジタルな部分を堪能することはできなかったんだよねぇ。もう飛び跳ねて頭振ってえらいことになってたから。それどころじゃなかった。今度は少し後ろから観て、音に集中するようにしたら、当初の目的が達成できるかしらん?
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川島がギターをノイジーに鳴らし、中野はベースを持ちつつコンピューターを操作する。ドラムの音圧が直接腹に響く。曲目が進むにつれて後ろからぎゅうぎゅうに押されるようになってきた。川島がギターを肩から外しハンドマイクで絶叫するようになると、もうこの時点で前方のスキマはまるでなくなっている。それに輪をかけるように、フリー・ハンドの中野がステージ前に飛び出してきて客を煽る。拳を突き上げてそれに応え、ガンガンに飛び跳ねる観客。お前らちょっと前まで冷めてたじゃねぇかよ!といっても始まらない。久々にもみくちゃにされながらもなんだか心地よかった。だってこれはもうロックンロールですよ!
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