Franz Ferdinand with The Beat Up @ Ebisu Liquid Room (24th Nov. '04)
とにかく速報だ!
2004年の夏、The White Stripes"Seven Nation Army"と共に、いろんなところで耳にしたのが"Take me out"だろう。フジロック'04、レッドマーキーの深夜にアーマンド・ヴァン・ヘルデンが、今年9月のSTUDIO COASTでファットボーイ・スリムが、この曲を回したときフロアの盛り上がりぶりは凄まじいものがあった。もちろん、今年のフジロック2日目のグリーンステージで本人たちが演奏したときも凄かったし、ネットで中継されたグラストンバリーを観てたら"Take me out"で大合唱だった。もはや今年を代表する曲のひとつと言っても過言ではあるまい。
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男女は半々?女の子が多めか?お客さんに外国人の率が結構高い。オープニングのTHE BEAT UPが終わり、会場には、ザ・スミスの"London"やダブ、ハウス、80年代ニューウェーヴなど統一感なく流れ、クィーンの"Another One Bites The Dust"もかかる。ステージではセットチェンジが行われているんだけど、ローライズのジーンズを穿いたローディーの姉ちゃんに注目した男子は正直に手を上げること。ドラムのチェックで客席に背を向けて屈んだときがヤバイ。ヤバ過ぎます。お○の○れ○が見えちゃってるんだもの。ステージをよく見るとアンプには"FF"とイニシャルのロゴが飾ってあって、こんなところまで芸が細かいと感心してしまう。 |
そんな状況にあって、日本に来る前にはメンバーが殴り合いの喧嘩をしたとかいう
ゴシップも流れて話題の提供にはこと欠かない彼らであったりして、この日の恵比寿
のリキッドルームは充分すぎるほど期待する空気が満ちていた。着いたときにはサ
ポートのTHE BEAT UPが演奏中で、中盤くらいだっただろうか。THE BEAT UPはブルー
スロックをベースにした、どっちかというとフランツよりも22-20sに近い感じの泥臭
い感じ。垢抜けない出で立ちでラフなロックを鳴らすバンドで、この手のバンドが好
きな人にはかなりイケるだろう。スマートなフランツとは好対照だった。
身動き出来ないくらい鮨詰めとなり、フロアの入口に人が溜まっているので奥の方へなかなか行けない。人を掻き分け奥に着くと、それなりのスペースあったのだが。
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20時10分ころ、大歓声に包まれて、青いシャツのボタンを上までキチット止めているニック、PILのTシャツを着たポール、赤い細く短いネクタイのアレックス、黒づくめのボブの4人が登場する。まずは"michael"で、決してテンポは速くないのにスピード感があってパンキッシュという曲でまずはご挨拶という感じ。この恵比寿リキッドルームは低音が凄くよく鳴るのだった。こういう踊れるビートを持つバンドにはいいかも知れない。歌い出しはニックだったのだ、と軽い驚きの"tell her tonight"、ニューウェーブぽいキーボードの音、っていうか、どう考えてもウルトラヴォックスな曲である"auf achse"。
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新曲?を経て、あのイントロが!"take me out"である。当然のように大盛上がり、テンポが変わるところで、さらに歓声が沸き上がる。「take me out!」大合唱もキメた。フォーキーな歌い出しから一転してビートを叩きつける"jacqueline"、やたらテンポがころころ変わる、ちょっとアヴァンギャルドな新曲、鈍重なイントロから開放感あるサビの対比が印象的な"the dark of the matinee"あたりなんかも80年代初頭の感じがする。次の新曲の最後の方では「サヨナラ、ベイビー」と繰り返し歌っているように聴こえたけど、空耳だろうか。続く"come on home"の高いキーのところではアレックスの声が出なくてちょっと辛そうだったけど、何とかやり抜いて、"40'"では、間奏のところでアレックスが「Ladies and gentlemen, please welcome ... 」と各メンバーを紹介する。本編ラストは"darts of pleasure"で盛り上げて一旦去る。 |
アンコールは"cheating on you"。それにしても、ちょっとナル入ったアレックスの仕草が女子には人気の的であったようで、キメのポーズにヤラれた人も多いだろう。おれは日本の某バンドを思い出して仕方がなかったが。「グラスゴーのバンドのカヴァー」らしい"get up and use me"(本国のファンサイトでこんなクイズが)、そして最後は"this fire"。CD以上の激しさを叩き付けた。アレックスとニックが並んでギターを掲げていく仕種に歓声が巻き起こる。いや〜全然仲良さげじゃないですか。演奏終わってメンバーが手を繋いで挨拶して笑顔で去って行ったし。
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そして再びザ・スミスの"London"が流れて客電が点く。周りの女の子は「可愛かった〜」。ロビーで会ったmagのtaikiは「nobさんがウルトラヴォックスって言うのなら、おれはギャング・オブ・フォーですね。これは譲りませんね」というし、ギターの音なんかミッシェルガン・エレファントを思い出させるのだ(もちろんその源であるウィルコ・ジョンソンもつながっていく)。こうして、いろんな人を巻き込んでいくのだった。 |
report by nob and photo by keco
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mag files :
It's In Their Hands Now : (04/10/29 @ Shibuya AX) : review by shawn, photo by izumikuma
photo report : (04/10/29 @ Shibuya AX) : photo by izumikuma
illustration : (04/11/28 @ Nagoya Diamond Hall) : illustration by chika
乗せ上手に乗せられ上手 : (04/11/28 @ Osaka Mother Hall) : review by kuniko, photo by izumikuma
完全無欠のエンターテイメント・ショー : (04/11/25 @ Yokohama Blitz) : review by yoshi_k, photo by keco
とにかく速報だ! : (04/11/24 @ Ebisu Liquid Room) : review by nob, photo by keco
photo report : (04/11/24 @ Ebisu Liquid Room) : photo by keco
フランツ・フェルディナンド大公に捧ぐ3枚 : (04/11/21) : column by nob
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