ポカスカジャン @ Roppongi sensation (12th Nov. '04)
新たな顔の発見
ライブに行かなきゃわからないことがある。それはロックバンドでも、お笑いでも同じみたいだ。
CDを聴いてただけじゃ、TVを観てただけじゃ、なかなか見えてこないいくつもの顔。生で接してみて初めて、距離感を埋めてくれるそんな顔に思いもかけず巡り合う。だからぼくはいまだに、ライブに行きたい!って衝動はなかなか抑えられないのだ。
ポカスカジャン、今回ツアー・ファイナルとなる六本木公演は、立ち見もいとわない観客が通路まであふれかえる大盛況。彼らを生で観る醍醐味としては、単純にTVではちょっとやれなさそうな過激ネタ(下ネタや北○鮮ネタ!)をやってくれるってのもあるが、今回それより注目したいのは『心の歌&魂のネタ』と題された二部構成である。まず期待通りにドカンとお得意ネタでお客を引きつけておいてから、メンバーそれぞれが超本気で"聴かせる"歌を歌うのだ。(※注・東京公演のみ。地方では構成の順番は逆だったようです)
ポカスカジャンはそれぞれが元々ロックバンドのボーカリストだった連中だ。だから全員がリード・ボーカルを取れる。全員が思いを込めた歌を歌う。玉井はネタではなくマジで津軽弁で歌い、大久保は逝ってしまった先輩芸人を偲び、中山は携帯メールを元にした感動巨編・"ポカスカ船"の曲で喉を震わせる。
お客さんもそんな三人に真剣に向き合って応える。もちろんそこはポカスカだから、直後のMCではまたドカンと笑わせてくれたりはするんだけれど、いざ歌いますって時は超シリアス・モード。きちんと"届けよう""伝えよう"とする意思が、演奏からもクリアーに聞き取れる歌詞からもはっきり伝わってくる。こういう時の会場の雰囲気をなんといえばいいんだろうな。しんみり? これはちょっと違うな。しっとり? う〜ん、とにかく、その場の全員が聴き入ってしまっていた。
MCで、そして終演後の打ち上げで、メンバーは「こういうことをいつかやりたかった」と語っていた。それを成し遂げた今、きっと達成感をひしと感じているに違いない。おっと、そういえば「もう次にやりたいこともある」とも言ってたっけな。今度はどんな顔を見せてくれるんだろう? またちゃんとライブに足を運んで、ちゃんとこの目で確かめなきゃ。
report by joe
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mag files :
新たな顔の発見 : (04/11/12 @ Roppongi sensation) : review by joe
illustration : (04/10/12 @ Nagoya Bottom Line) : illustration by chika
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