G.Love @ OSAKA BIG CAT (10th Nov. '04)
「心にも栄養を」
ここ数日の気温はどこかおかしい。もう11月の中旬だというのに、9月に戻ったのかと思うほど、暖かい。しかし夜になると、冬の到来が、もう目前まで来ていると思うほど寒い。僕は大きな温度差に体がついていかず、風邪をひくことが多々ある。ここ数日の温度差にも負けて、見事に風邪をひいた。鼻はぐずるわ、喉は痛いわ、頭痛はするわと見事な風邪だ。

会場に6時半くらいに到着し、開演予定時刻の7時を今か今かと待っていた。7時を回ってもメンバーはステージに現れない。5分を過ぎても、10分を過ぎても現れない。A型の僕にとって、この「待つ」という時間がなんとも耐え難い。最近テレビで血液型を取り上げた番組が多いが、その中でA型は時間にうるさいとの報告があった。人間の性格なんて4つに分けられるわけなんてないと思う反面、「ふ〜ん」と唸ってしまう自分もいる。ただ、僕の場合はA型だから時間にうるさいというより、単なる「いらち」なのかもしれないが。足で地面を細かく叩き、手を組み、指を世話しなく動かし、何度も「早く出てこないかぁ」と口にする。どんどんイライラがたまってくるのだが、SEが止まり、会場全体が暗くなると、そのイライラもどこかへ飛んでいった。

G.LOVEは黒いジャケットに白っぽいシャツといったシンプルな格好でステージに登場した。去年のFUJIで彼らのライブを見たときは、確か茶色っぽいジャケットだったと思う。これまたシンプルないでたちなのだが、それだけできまって見える。それは音楽の格好よさから出てくるのか、それとも彼の端正な顔立ちがプラスアルファしているのか、わからないが、何とも羨ましい限りだ。音が鳴り始まると、それまで後ろで待機していたのであろう人たちが、どこからともなく前に向かって移動を始めた。そんな移動を横目に見ながら、僕は体を上下・左右に揺らし始めた。意識的にではなく、G.LOVEの音楽が自然とそうさせた。

G.LOVEの歌、ギターを支えているのは、Jimmi Jazzが鳴らすベースに、Housemanが叩くドラムだ。カンカンに張り詰められたスネアからは、高音質の音が生まれ、ウッドベースから生まれた、エレキベースでは決して出ることのない、柔らかな自然の響きが会場を包む。ドラム、ベースそのどちらも、その音だけでも体を揺らすには十二分過ぎるほど、かっこいいリズム、フレーズを生み出しているのだから、そこにG.LOVEの二くせも三くせもありそうな声とギターが重なれば、自然と体が揺れるのも当然のことだったのかもしれない。
この日は新しいアルバム「HUSTLE」からばかりではなく、「shy girl」といった、「HUSTLE」以前に発表されたアルバムからも数多く演奏された。8時を回ったくらいに、一度メンバーが舞台袖へと戻っていった。当然、僕たちはもっともっとたくさんの曲が聞きたいから、アンコールを求めるために手拍子をした。するとステージに戻ってきたのはG.LOVEただ一人。エレキギターからアコースティックギターに持ち替え、ブルースを歌い始めた。G.LOVEというバンドが演奏する曲にもブルース色は見えるが、彼が一人で演奏した時、その色は一層濃くなっていた

G.LOVEがブルースを歌うときの表情が大好きだ。哀愁がある顔とはああいう顔を言うのだろうと思う。目を閉じ、気持ちもこめて歌う表情は文句なくかっこいい。しかし、どこか物憂げな表情でもある。ギターもハーモニカも歌声も、観客席から発せられる歓声も、会場にある全ての音が、ステージにいる一人のアーティストの顔に哀愁の情を加えるのだろうか。男にも関わらず、あの表情に見とれてしまった。
G.LOVEのソロ演奏が終わり、Jimmi Jazz、Housemanが再びステージに現れた。Housemanが僕たち観客に向かって「ドモ、アリガトウ」と言ったのだが、この時の発音がカタカナで表記するよりも「どうも、ありがとう」と平仮名で表記したくなるほど、見事なものだったが、この後に言った「ワタシ ニホンゴ ハナセマセン」はどこからどう聞いてもカタカナ表記がしっくりくる発音だった。この日最後に演奏された曲は「LOVE」という曲なのだが、この曲の通りメンバーそれぞれは愛に溢れた人なのだろう。最後の演奏が終わると、曲席に向かってふかぶかとお辞儀をし、ステージへと差し出されたファンの手一つずつに触っていき、それでも足りないと思ったG.LOVEはステージをおり、お客さんと手を合わせていた。その時の表情はとても優しくて、愛に溢れたものだった。
G.LOVEのライブに行くと、素晴らしいブルースはもちろん、そこにはJazzもHIP HOPもロックも同時に味わえる。お腹がいっぱいだ。いい音楽を聴いて、気持ちに栄養をいっぱい与えたせいか、頭痛もしないし、鼻はすっきりしいていたし、喉の痛みもひいていた。「病は気から」と、昔の人はよく言ったものだ。
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report by yohsuke and photo by ikesan
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