SOUTHERN HURRICANE @ Shimokitazawa Shelter (18th Oct. '04)
我が道をゆけ
FUJIROCK'04の深夜、一般応募で出演者が決定する「ROOKIE A GO GO」というステージで彼らを観たのだが、その後どんな風に成長しているのかなんて勝手に親心にも似た感情を抱きながら会場に向かった。開演時間ギリギリに会場に着いたらまだ始まっていない様子。ほどよく埋まっている会場には昭和歌謡が流れていてレトロな雰囲気。年齢層は若干高めで落ち着いている。彼らのライブを初めて観たのが今から約1年半前、下北沢CLUB QUEであった。そのときに美空ひばりの「りんご追分」をカバーしたのがとても印象的であった。平成育ちの彼らが原曲を活かしつつ、サザハリ流にアレンジしこの曲を歌い上げる姿は見事であった。実際その日のライブはカバー曲の印象の方が強かったというのが正直なところである。今でもそのときの歌いっぷりは話題になることがあるくらいだ。いつか音源にならないかなぁ。

そんなことを思い出しながら開演時間15分押しで始まる。この日のライブは「ダルマンディー上陸作戦」と題されていることもあり“軍艦行進曲”をSEに、迷彩柄のヘルメット、サングラスをかけGt.竹内、Ba.岡部、Dr.森が登場。肩に担いだ巨大なバズーカ砲型クラッカーを客席に向けて発射。SEは「探偵物語」の主題歌でお馴染みの“BAD CITY”に変わり、梅沢が黒のハットを被って登場。(って松田優作かよ)しかもアフロの膨張っぷりはいつにも増して気合いがはいっている。でもこの髪型がサマになっているところがすごい。
こんなふざけたオープニングでも曲が始まれば一転、二枚目に早変わりする。一曲目は代表曲ともいえる“条件”。「そ〜れっ!!」と腹の底からだしている掛け声が気持ちいい和ロック。歴史に詳しいわけじゃないけれど、なんとなく明治初期の時代を思い浮かべる。ロックという西洋から渡ってきたものに日本の伝統文化を上手い具合に融合させるのは彼らだからこそ成せる技だ。「カッコいい」なんて言葉じゃない、「粋」という言葉がこれほどしっくりくるバンドはそうそういないだろう。
爽やかなギターポップ色の強い“友よ”では自分よりデキの悪かった友人が先に結婚を決めたこと歌っている。しかしタダのおめでとうソングで終わらないのが彼らだ。「正直うらやんでるさ/夜道にはくれぐれもきをつけろ/なんてね」喜びつつも、クスっと笑えてしまうような嫉妬と皮肉をさらっと利かせている。一見まっすぐであるけれど実はどこが曲がっている。それもサザンハリケーンの魅力といえよう。
ライブの中盤で演奏された新曲“サッパリ兄弟”は前に述べた“条件”に続く和のテイスト全開。ギターを置いてマイク片手に踊り狂いながら歌うVo.梅沢。お祭要素も満載のチャキチャキなサザハリ節が際立っている。こういう歌謡曲っぽいものを歌わせると右に出るものはいない。一年半前にカバーした”りんご追分”は彼らのルーツであると確信できる曲でもあった。
MCでは「梅澤学磁のコバナシ」を披露。小学生レベルの下ネタですよ。そりゃ会場もひくって(笑)。そんな空気にめげず一曲終わるごとに、どこに隠し持ってんだか小道具が次から次へと出てくる。星のタクトやら、おもちゃの刀やら、オープニングで使った巨大クラッカーの中身詰め替え用とか・・・。
そんな彼らだが聴かせる所は聴かせます。アンコールの一曲目は梅沢がギター一本で“ゆっくりゆっくり”を弾き語る。シェルターの天井を突き抜けるように響く歌声が心地よい。これを聴いたらいくら笑いのセンスがいまいちでもすべてアリになってしまう。ただの二枚目バンドじゃつまらない、そんなギャップもまたたまらないのです。ラストの曲はファーストアルバムから“我が道をゆく”。メジャーデビュー時から「目白系文学ロック」なんてキャッチコピーがついていたりもするが、一見文学的でありながら「空手チョップ」とか「バンドやってもてた〜い」なんて歌われると、思わず突っ込みを入れたくなってしまう。そんな遊び心のある歌詞と古き良きものを自分達なりの解釈で残し、日本人魂を持ち続けている所。私は彼らのそんなところに魅かれるのだ。我が道をゆけ、サザンハリケーン。
|
|
セットリスト(原文のまま)
01.条件
02.なめらか
MC
03.Weather Report
04.友よ
MC
05.オーベイビー
06.ぷかぷか
07.野球狂の歌
MC
08.ビリビリしちゃう!?(新曲)
09.The Band
10.ロックをあきらめて
11.田舎ピアス(未発表曲)
12.サッパリ兄弟(未発表曲)
MC
13.この感じ
14.サヨナラだけが人生さ
15.雨ざらし
16.遠くへ
アンコール
A-1.ゆっくりゆっくり
A-2.我が道をゆく
|
 |
|
report by sleepy and photo by maki
|
mag files :
我が道をゆけ : (04/10/18 @ Shimokitazawa Shelter) : review by sleepy, photo by maki
photo report : (04/10/18 @ Shimokitazawa Shelter) : photo by maki
|
|
previous works by sleepy
2004
今だからこそ必要なうた : (16th May @ SHIBUYA YANEURA
|
|