buttonAni Difranco、GO!GO!7188 and 山口洋-HEAT WAVE
@ Shibuya AX (7th Oct. '04)

ギター引っ掻き回しとるだけとちゃいますよ
 突然飛び込んで来たAni DifrancoとGO!GO!7188のコラボが気になって来ちゃいました。Ani Difrancoは01年のフジで見逃したことを発端に観てみたい指数が臨界値に達してきたところだったし、GO!GO!7188はメジャーでありながらどこか他とは違う面白いバンドなんじゃないかとずっと思っていたのに、友人等から投げかけられた何度かのライヴのお誘いをむげに断ってきた経緯があり、2つ同時に観れちゃうこの機会を逃すわけにはいかんと、渋谷AXへと向かったのでした。

 実は今回のライヴは『in the city TOKYO』なるイベントに組み込まれたものらしく、手元にあるパンフレットのようなものによりますと、『音楽ファンはもちろんのこと、音楽業界に働く人、これから音楽の仕事に関わりたいと思っている人にとって刺激的な10日間』であり、『東京・渋谷を拠点にした都市型ミュージック・フェス』とのこと。「ふ〜ん」って感じですが、この10日間、クアトロ、AX、公会堂ではスチャダラパーからカルメン・マキ、ザ・ゴールデン・カップス、GOTH-TRADにenvyまでととっ散らかってライヴは行われていて、渋谷にある他の小さめなライヴハウスでは『Label Night』の名の下、インディーと思われるレーベルの注目アーティストが続々ライヴ演奏中とあって、いろんなアーティストが渋谷に集結していたと言えそうですが、それよりなによりちょっと異様だったのが、関係者と思しきおっさんの数。ぼくが行ったこの日の渋谷AXにも業界人ぶったおっさんがひしめき気味で、居心地の悪い感は否めなかった。

 まあそんなことはさておきライヴですが、なんとAni DifrancoとGO!GO!7188の前に山口洋がアコースティックライヴをやるらしい。・・・ってだれ?突然の話だったから調べてなかった。"HEAT WAVEの"って言われてやっと「ああ、ヒートウェーブですか、名前だけ聞いたことがあります」程度で、申し訳ない、よく知りませんでした。どんな音楽性の御人なのかも分からずステージ正面で待ってみると、とても"いいひと"っぽい男が現れた。第一声なにを言うのかと思ったら「今日、出演者のリスト見たら『Ani Difranco、GO!GO!7188、and more』て書いてありました。and moreです。がんばります〜」と自虐アンド皮肉ギャグ。これが良い感じに観客の空気を和ませたようで、とてもいい雰囲気で演奏は始まった。

 なんか誰かの声に似てるなぁと思ったら、そうだ、福山雅治だ。福山かぁ…。まあさておき、ハスキーでありながら歌詞がハッキリ聞き取れる障りの良いボイスである。ジャッキジャキにギターを掻き鳴らす様は少年の様であり、歌はとにかく青くて男っぽい。渋めの"TOKYO CITY HIERARCHY"、ノリノリの"風にハーモニカ"という2曲が特に素晴らしく、そこいらの兄ちゃんに励まされているかのような錯覚を覚えるほど。20分強の短いライヴだったが、とても熱いライヴだった。最後に「さっき、今日出るAni Difrancoに会ったんだけど、芯が強くて、しなやかな目をしていました」と伏線を張っていくあたりがにくい。

 続いて登場、GO!GO!7188。3ピースバンドで、ギターボーカルのユウとベースのアッコが女子、ドラムがターキー、男子。この陣形になると男は控えめになるのが常で、やはり前衛2人の女子が目立つ。特にベースのアッコは相当な人気のようで観客からの歓声がなかなか止まないのには驚いた。男が女の子にわーわー言うのは見てる側としてはあれだが、よくある話。しかし、このバンドに投げかけられる歓声はほぼ女声なのがすごいことだと思う。カリスマティック。

 そして肝心の音はというと、思った以上に凄い。ばりばりのガレージですぜ。実はドラムの彼がかなり激しくドラムスを叩きつけるもんだから、空気がぎゅっと引き締まる空間の萎縮という現象が起こり、音が散らかることはまず無い。ベースがブリブリいっても問題ない。ギターも思いのほか自由にジャカジャカやっている。しっかりした演奏をするバンドだと思う。あとはやはり歌ですが、オリコンのチャートアクションに乗っかってしまうほどのバンドですから、サビはポップに決めます。"こいのうた"、"浮舟"という超メジャーソングを連続でカマしたときの観客の反応はなかなかのもの。しかし、彼らのポップな一面は知ってるんです。それよりみなさんに知ってもらいたいのはこのバンドがロックバンドであることなんです。ガレージよろしくなインスト曲や、"ロック"、"パンク"といった直球ソングの急くようなプレイは生で観たひとしか分からんでしょう。特に男に観てもらいたし。是非一度チェックして。

 最後はAni Difranco。残念ながら、今日のお客さんはGO!GO!7188だけ観たい、Ani Difrancoだけ観たいっていうひとが多かったみたいでセットチェンジの間の客の入れ替わりが激しかった模様。せっかくだからって訳じゃないけど、みんな色々観てみれよといった感じ。Ani Difrancoといえばアコギを首からさげてジャキジャキ掻き鳴らすカミソリ奏法で有名だと思うけど、彼女のそれはウィルコ・ジョンソンのカミソリ奏法とはまた違って、弦をめいっぱい振動させるように弾くので、弦が切れるのはもちろんのこと指から血が出んばかりのストロークが特徴。そのピーンと張ったギターの音が魅力だとぼくは思う。歌詞は様々な出来事に対して率直に書かれ、パンクフォークの女王とも謳われるほど激しい歌詞もその中にはある。そんな歌詞やきりりとした佇まいがぼくらを惹きつける。

 この日はアーニーとベース奏者だけで音が少なかったので、ギターをはちきれんばかりに演奏する姿をなかなか拝めなかったのは残念だったが、比較的彼女の歌を楽しむことができた。ぼくはどの曲が何と判別できるほど詳しくなかったので、1曲ごとの解説は省かねばならないが、それでなくてもこの日は起伏が少なめで全体を通して1つの楽曲と言っていいほど静かに緩やかに進められていたと思う。これは、変わりがなくてつまらないと言っているのでは全然なくて、むしろ逆にスリリングだった。水面を滑るように優しい演奏をしていたベースが、時折激しさを増す瞬間、アーニーの左手が弦を押さえる役を放棄し、弦を弾き下ろす瞬間、そういった動きが大きなインパクトになりうる。

 MCは大抵1曲ごとに挟んでいたのに、本編終了後、アンコールに出てきたとき速攻で演奏を始めたときは「おおっ!?」って思ったし、しかもそれが非常にエネルギッシュだったもんでたまらなかった。確かアンコールの時だったと思う、レコード会社など日本の音楽業界が支配的であることを言及して突入した1曲は、この日最も激しいテンションで演奏され、ギターの弦を見事にブチ切る炸裂ぶり。心底感動した。

 最後に見せてくれた激しさが忘れられないのは事実で、終始ギターを引っ掻き回すアーニーも見てみたかったが、イメージと違った一面を見れたことはとても意味のあることだったと思う。これはもう一回観てみる必要があるなぁ。
report by toddy
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