The Stands @ Tokyo UNIT (1st October '04)
桃源郷フォーク改めロックンロール
コーラルを始め、ズートンズ、ベースメントなどの、少し土臭い香りがして、それでいて一筋縄ではいきそうもない独自のスタイルを持ったバンドたちを排出している最近のリバプール。ロンドンでキャーキャー言われているスマートでパンキッシュなノリと一定の距離を置いた独自の音楽スタイルを持つ街へと、どうやら着実に歩みを進めつつあるようだ。ポップの桃源郷、またはロックの治外法権地区と呼んだとしても、全然違和感は無い。そして、そんなどこか頑固職人的な気質を持つ街から、一際頑固そうな面持ちでドリーミーなフォークを奏でながらひょっこりと顔を出してきたのが、このスタンズだ。
先日リリースされたばかりのファースト・アルバムでは、初期のバーズさながらの甘いギター&メロディーに、時折ボブ・ディランが顔を出すヴォーカルが乗るという、いかにも今のリバプール印な音楽を届けてくれた彼らだったが、ライブとなると満月を見てしまった狼男のように豹変。もう、完全にロックンロールなのである。去年のグラストンベリー以来、今回で彼らのライブを観るのは4回目になるが、観るたびにロック色が強まっているように思える。
例えば一曲目の"she speaks of things"。ギターヴォーカルであるホウイ・ぺーンが長刀を振り下ろすように掻き鳴らした一発目のジャーンというギターの入りからして、何の疑いようも無く、完璧に、ロック。まるでピート・タウンゼントがガンッと決めるギターリフのように、ロック好きの急所を一寸の狂いも無いタイミングで突くような感触には、久しぶりにドキドキした。また、"nearer then green"で見せた、渋くも圧倒的な熱量で振り切るブルージーなギターソロは、何もブルーズに狂ったうるさいオヤジでなくとも、「くぅ〜」と唸りたくなるような美味しいフレーズがたんまり。ここらへん、さすが伊達に歳とってなさそうである。(新人バンドにしては、パッと見、どうも若くは無いようだった。)
しかし、一時間じっくり聴いていて一番感心してしまったのは、何と言ってもメロディー作りの上手さ。まるで良いメロディーの法則を発見してしまった天才科学者が作ったような、どこか規則性がある美メロがこうも連続して繰り出されると、何故か無駄に頷きたくなったりして、腕組しながらフムフムとこっそりやっている自分を発見してしまう。と言うのも、良いメロディーと言っても、オアシスのように一緒に歌いたくなるわけではなく、はたまたリバティーンズのようにウギャーと叫びだしたくなるわけでもなく、なんだかじっくりと聴き入りたくなるような、そんなタイプのメロディーだからなのである。そのせいか、終演後は「良かった、良かった」という声をあちこちで聞いたものの、ライブ中のフロアは、上映中のランプが灯った映画館にでも迷い込んでしまったかのように静かだった。スタンズのメンバーに、その非常に典型的な日本人のライブの楽しみ方を理解してもらえていたのかどうか少し気になったのだが、どうなんだろう。客はあれでも心から楽しんでいたというのを、分かってもらえたのだろうか
いや、どうもそれが分かってなかったんじゃないだろうか、と思ったのが、本編ラストの定番曲、"the way she does"後半部で彼らがジャムってるときだった。恐らく、イギリスでやってたらビール片手に良い気分になったイギリス人たちが適当にヒューヒュー言い出すであろうこのパートでも、ただ静かに聴き入っている客に向かって、ホウイは珍しく派手なアクションなども交えて、彼にしてはかなり頑張って盛り上げようとしていたからだ。でも、もしかしたらこれも私の勝手な誤解なのかも知れない。と言うのも、アンコールで披露された新曲がスタンズの中ではかなりロック色が強い曲調であり、また、その曲の最後にはなんとホウイがピート・タウンゼントさながらの大車輪ストロークを見せたりと(これにはさすがにニンマリしてしまった)、バンド自身のノリがそういった派手なロック的方向にシフトしているようにも思えたからだ。どっちの解釈が正しいのかは知る由も無いが、スタンズが正真正銘のロックバンドで、客にももう少しそういうノリを求めていることだけは、どうやら間違いなさそうだ。
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今まで何回かスタンズのライブは観たことがあるので、彼らがヘナヘナした音を出すバンドでないことくらいは知っていたが、まさかここまでロックンロールなライブが出来るバンドだとは気づいていなかった。ドリーミーなフォークを聴かせるアルバムも悪くないが、やはりライブはこうでなくては。桃源郷フォーク改めロックンロール。今回のライブを観て、スタンズの印象が私の中で完全に書き換えられた。
Setlist
She speaks of things
Outside your door
Nearer then green
I will journey home
Always is the same
Shine on
Soon come
When this river rolls
I need you
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report by yoshi_k and photo by mari
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mag files :
桃源郷フォーク改めロックンロール : (04/10/01 @ Tokyo UNIT) : review by yoshi_k, photo by mari
photo report : (04/10/01 @ Tokyo UNIT) : photo by mari
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previous works by yoshi_k
2004
ミクスチャー・キャー・キャー : TOKYO PINSALOCKS (28th Aug. @ Shibuya Chelsea Hotel)
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2003
飛躍的な進歩、圧倒的な勝利 : The Strokes (6th Dec @ Alexander palace, London)
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生々しい自然体のズレ : intensions of an asteroid (3rd Oct @ barfly, London)
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オ〜オ!!オ〜オ!! : The future heads (11th Jul. @ barfly, London)
お父さんも安心!家族向けフェスティバル : uilfest'03 (6th Jul in Guilford)
巨大さに支えられた自由 : Glastonbury Festival '03 ( 27 to 29th Jun '03 in Shepton Mallet)
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Completely Stone Roses! : the complete stone roses (10th May. @ Garage, London)
死ぬまで踊り狂え! : Death in Vegas with DJ Andrew Weatherall (4th May. @ Nrixton Academy, London)
私もまた力の限りジャンプする : Blur (13th May. @ Astoria, London)
もっと今のあなたを! : (20th Feb. @ Shibuya Club Quattro)
all these worlds are yours! : DOVES (2nd Feb. @ Shibuya Club Quattro)
「もう一声」を聞かせてくれ! : the jeevas (7th Jan. @ Kawasaki Club Citta)
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