NEW YORK DOLLS @ ZEPP TOKYO (25th Sept. '04)
いまさら悪態ついても仕方ねぇってこと
感極まり過ぎてしまうと、「爆裂」、「炸裂」、「鬼」、「神」、「うぉ〜!!」なる言葉を多様してしまう癖があるようで、ここ最近観た数々の素晴らしいライヴの直後、自分から発せられる言葉が上の類のものであったと記憶しているし、「その通り。あんたそればっかしか言ってなかったよ」とボクの友人達は証言してくれるはずだ。しかし、今回のニューヨークドールズは違った。爆裂してないし、もはや神であるわけがない。そんなアーティストにボクはいつも何を期待しているんだろうと思うことがある。ボクの場合は自分の目で見て「このバンドやっぱり凄くいいバンドだったよ」って証言をしたい、という魂胆があって観てるんじゃないかな。わからないけど。今回のライヴはそういう意味で思惑通りにいった。めちゃ楽しいステージだったし、いい曲がたくさん聴けた。そしていいバンドだった。
ニューヨークドールズとくれば、バンドのあれこれよりジョニー・サンダースやセックスピストルズが思い浮かぶのは、自分がきっとピュアなニューヨークドールズファンではない証拠なんだろう。でも、若めの世代にとっては、パンクの元祖であるとか派手なメイクとかの情報しかほとんど届いていないと思うわけで、昨今のブルース再評価ブームのなかにあっても名前が上がることはまずない。ルーツを辿れば、なかなか豊かな表情を見せるバンドだというのになんと悲しいことか。
Zepp Tokyo。デカイ会場なんで少し心配だったが、なかなかの埋まり具合。いや、実はそんなことはどうでも良かったりして、客の質がとってもジューシー&ビターな感じで、よくもまあここまで集まるわねぇといった印象。『ベルベット・ゴールドマイン』派と、『ノー・フューチャー』派がごった煮で、しかも双方が仲良さげにしている風景がなんともニューヨークドールズ。今回の来日は、直前にアーサー・ケインが他界してしまったこともあって来日が危ぶまれたが、ベーシストにハノイ・ロックスのサム・ヤッファを迎えなんとか来日したという経緯があるのだが、そんなネガティヴなトーンすら感じさせないところがなんともニューヨークドールズ。と言うのは若干違うか…。しかし、実際そんな悲しい出来事を忘れるくらいハッピーであったことは伝えておきたい。
"ライヴはやっぱり楽しく"志向。からだはおっさんでも動く動く。特に前衛の3人は、"めまぐるしく"とは違うが、細かくしきりにポーズを決める圧倒的にハードロック然としたステージング。腕をぶいぶい振り回すおっさんシルヴェイン・シルヴェインが繰り出す音がバンドのサウンドの中核を担うため、やるときはやる、ハズしてもいいから盛り上げるときは思いっきり盛り上げる、という意思は全て彼から発せられているような気がした。底抜けに陽気なんで、最初はかなり掴めないヤツ感があったが、リユニオンバンドにありがちなギクシャクさをうまくほぐしているようで最後はとても好感が持てた。ベースのサム・ヤッファは憧れのバンドで演奏している少年のようで、とても嬉しそう。フジロックのニューオーダーのステージで観たビリー・コーガンのようだった。
そして、やはりこの人が凄かった。デヴィッド・ヨハンセン翁。写真見て!この顔!口が凄いでしょ。この日、あんな感じの大きな口を持った人間は間違いなく同じ動きをすることが分かった。ミック・ジャガーさながら、スティーブン・タイラーよろしくの爬虫類系な動きが観客を惹き付けやまないのだ。ボクはあの動きを観るだけで、皆ご機嫌になれると思う。それだけの魂溢れる熱演だったし、熱唱だった。しかし、やはりというか曲間はおっさんらしく息を切らして「はぁはぁ」していたわけで、そんな所にボクはまたグッときていた。
MCは長いわコテコテだわで、伝説のバンドらしからぬ敷居の低さを誇っていたわけだが、中盤"PILLS"辺りが引き金となり、ロックンロールは加熱していき、大好きなMCまでカットして"BABYLON"、"TRASH"、"JET BOY"の必殺チューン三連打を繰り出すと、観客はそりゃあ大盛り上がり。観客からブラジャーまで飛んできて、シルヴェイン・シルヴェインはそのブラジャーでギターの弦を叩く始末。その大波に乗ったままステージは幕を閉じた。ステージ脇に帰る前の、メンバー揃って合掌している画が忘れられない。
結局のところ、ニューヨークドールズにもはやドラマは必要なかったというとことなんでしょう。途中演奏されたジャニスの"PIECE OF MY HEART"もベタベタのハードロックアレンジだったが楽しめた。でも、もうちょっと貫禄を見せて欲しかったなぁというのが本音かな。
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[setlist](原文のまま)
1.LOOKING FOR KISS
2.PUSS'N'BOOTS
3.SUBWAY TRAIN
4.IT'S TOO LATE
5.PIECE OF MY HEART(JANIS JOPLINのカバー)
6.BAD GIRL
7.LONELY PLANET BOY / ARMS
8.PRIVATE WORLD
9.GIRLISH DAZE
10.VIETNAMESE BABY
11.PILLS
12.MIRAGE
13.MYSTERY GIRL
14.OUT IN STREET
15.BABYLON
16.TRASH
17.JET BOY
18.PERSONALITY CRISIS
19.HUMAN BEING
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report by toddy and photo by saya38
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