button The Skatalites - 40th Anniversary Japan Tour
feat. The Boldies, The Ska Flames
and 川上つよしと彼のムードメイカーズ
@ Shibuya Club Quattro (19th-20th Sep. '04)

「ジャジャジャジャジャー!ラスタファーラーイ!」


 そんなラスタファリズムの合言葉が十分弱の間隔で会場に轟いた夢のような2日間…いやいや、夢ですら最近はこうまで幸せなモノは見せちゃあくれまいて!!

THE BOLDIES THE BOLDIES(9/19)

 渋谷の初日に選ばれたのは後に控えているSka Flamesの初期メンバーであったKING NABE氏率いるBoldies。メンバーは黒い衣装で統一され、ミッシェルの"シスコ"などで御馴染みのロックンロールクラシックなあのコード展開から成るオープニングチューンや続く"Hang'Em High"はスカパラを髣髴とさせる疾走感に満ちたもので、他の出演者に比べると彼らの楽器は「武器」であった。どちらかといえばこの場に向いてないような…という空気も流れたがサウンドは決して悪いものではなく、ドレッドよりもスキンヘッドを前にすれば向けられる声量は今回の数倍も高いであろう。モッシュピットの一部のオーディエンスによる尋常でない盛り上がりを見てそう感じた。


THE SKA FLAMES(9/19)

 「オーセンティックスカの祭典」と称されたフジロック02のヘヴンが場所をクアトロに移して再開された。会場の暴発しそうに高い期待を"007のテーマ"を織り交ぜた一曲目"Tokyo Shot"で発散させた後は"聞こえてこないか""I`ll Close My Eyes"と会場の空気は彼らの独壇場。ミラーボールに照らされて「アイルクロースマイアーィズ」なんて歌い上げるのを見ながら「この日のハイライトだ!」と思っていた。本編スカタライツを観るまでは・・・。
THE SKAFLAMES


川上つよしと彼のムードメイカーズ(9/20)

 ご存知スカパラのベーシストがアダルトな魅力を披露するムードメイカーズ。スカパラだけでなくLittle Tempo、Reggae Disco Rockersからも選出されている「日本発イイ感じの音オールスターズ」的な彼らのロックステディにはホーンを使ったアンサンブルの扱いを熟知し、円熟の粋をこれでもかという位に見せつける。かと思えばまさかの"I Faught The Law"のカバーが飛び出してしまうあたりはやはり百戦錬磨のメンバーが揃わねばできたもんじゃなかろう。前座バンドのライヴ告知であれほど盛り上がった時を私は見た事がない。

 ハッキリ言って両日ともに前座を観た段階でお腹一杯と言ってしまえるものだったし、Ska Flamesやムードメイカーズを「前座」ではなく「スペシャルゲスト」扱いにしたのは当然のことだと思っていた。それなのにライヴが終わってから鏡に映るこの緩みまくったツラを作らせ、「一日だけでは終わらせたくない!」と私情を無視してまでも通ってしまわせた張本人は残念ながら彼らではない。

 こういう思いをしている人は多分私だけではないはず。私にとって渋谷クアトロ初の歓声で耳が痛くなるというシーンを見せながら、恒例のテンカウント越しに幕を開ける"Freedom Sounds"のカタルシスを前にした後でそれを感じないわけにはいかない。

 そのまま"I Should Have Known Better""Guns Of Navarone"、さらに初日にはラスト付近だった"Ringo"を2日目には続けざまにプレイされた会場は、後方で煙草を吸おうと思っても酸素が薄くてライターが機能しなかったほどで、しかしながら空気の使用目的としてはロックのような「ウオオオオオ!!!」という勢いからではなく、どちらかといえば体を揺らす時の運動時の呼吸で消費されたものの方が多いようである。とにかく会場は右を見ても左を見ても笑顔と止めることを知らない踊りの民の姿しかなかった。
THE SKATALITES

 中盤の女性シンガーを交えてのロックステディタイムでは、なんと半年前に惜しまれながら他界したPhyllis Dillonも歌ったBob Marleyの"Nice Time"が登場する。
 フィリスのヴァージョンよりもしっとりと語りかけるように歌う時、フロアには鼻をすすりながら一緒に歌う女のコの姿があった。「フィリスの歌声をもう一度…」と泣いているわけではないと思う。鳴らされる音がただただ美しいのだ。年月を重ねた人間にしか表現できない優しさの具象化した音は、ひたすらに我々の心を打った。

 年月を重ねたといえば、このツアーはグループの40周年を記念したものなのだ。休止期間があったとはいえ私の寿命の二倍近くを生きたこの音とグループが、こうして今も人々の心をつかみつづけているという事実。
 しかも毎年のようにテケテケテケテケとエレキギターを弾きに来る連中と違って若い世代の"Simmer Down"の合唱や登場したゲスト達のようなフォロワーを今も絶やさない彼らの勢いたるや神がかり的なものを感じる。曲の間に欠かさず「ジャジャジャジャジャー!ラスタファーラーイー!」という声を上げているので案外それは間違っていない気もしたりしなかったり。

 ラストには"Phoenix City"の大合唱、再びテンカウントを経ての"Freedom Sounds"、アンコールの"Occupation"と、最後まで珠玉のキラーチューンを連発して伝説のグループは完璧なステージを披露した。
 ロック一筋だった私に今も抜けないこれらの音への入り口となる横槍を貫いたブエナビスタソシアルクラブは、メンバーが相次いで召された今となっては再現不可能である。
 今年のフジのJamaica All Stars、そして今回のThe Skatalitesはどれも「オリジナルスカタライツ完全版」ではなかったが、若いメンバーの笑顔や楽しそうなおじいちゃん達の立ち振る舞いには政治的背景を超越したジャマイカンの血を脈々と流れていることを確信させ、ここに私の「お礼参り」は成ったとしてよいだろう。

 ただ、できるものならばこの素晴らしい夜との再開を私は心から待ち望んでいる。さあ次はいつ来てくれるんだ!?
report by ryoji and photo by hiroqui

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