THE SKATALITES @ Shinsaibashi Club Quattro (16th Sep. '04)
skatalites号発進!!
9月に入ったというのに、うだるような暑さまだ続きそうだ。まさに残暑。体にまとわりついてくる空気から逃げるように、会場である心斎橋クラブクアトロのあるビルへと駆け込んだ。
開演予定時刻の7時を少し過ぎたくらいに、この日の前座を務めるバンドSLY MONGOOSEのメンバーがステージに現れた。ギターにベース、ドラム、パーカッション、キーボード、そしてトランペットという6人編成のこのバンドが演奏する曲は、パーカッション、ドラムといった打楽器が非常に細かく、数多く叩いているせいか、jazz色を多く含んだskaに聞こえた。個人的にドラムが細かい音楽が好きなので、SLY MONGOOSEの音楽は僕のツボにはまった。赤と青にライトアップされるステージに彼らの音楽が合わさると、『ルパン3世』の世界を彷彿させるようだった。
SLY MONGOOSEのライブが終わり、会場が一旦明るくなると、トイレに向かう人や、ビールを買いに行く人たちの移動が始まって、それに逆流しステージ正面ほぼど真ん中のいい場所を確保した。赤やオレンジ、黄色といった原色をまとった人たちが僕の目の前を通り過ぎる。去年同じ場所でthe skatalitesのライブを見たときもそうだった。
正確な時間は覚えていないが恐らく8時くらいだろう。今夜の主役the skatalitesのメンバーがステージに現れた。この日のライブを心待ちにしていたお客さんが暖かい拍手でメンバーを出迎えた。最後にベースのLloyd Brevettは人里離れて生活している仙人かのように、ゆっくりとした足取りでステージに現れ、これまたゆっくりとした仕草でベースを掴んだ。
10,9,8…3,2,1 freedom!!!
Skatalitesのメンバーが機長を務める飛行機が、動き出した。
Lloyd Brevettは2002年のFUJI ROCKにて行われたインタビューで、「演奏している時はお客を楽しましてハッピーにさせたい。オーディエンスのハッピーが自分たちのハッピー。それを一番に考えている」と言っていた。去年の公演でもそうだったのだが、観客が彼らの音楽で幸せそうに踊ったり、一緒に歌ったりしているのを見ては、嬉しそうに笑っていた。まるで自分の子供を見るかのような優しい目をしながら。ライブも中盤に差し掛かったところで、skatalitesの紅一点Doreen Shafferが白いドレスを身にまといステージに現れた。「sugar sugar」,「can't you see」等を含め数曲、披露した。
光陰矢のごとし。昔の人はうまく言ったものだ。超高速で飛び続けるskatalites号は時間までも追い越してしまったのかと思うくらい、あっという間に過ぎていった。「Jah、Jah、Jah、Jah、Jah、Jah、(ジャー)、ラスタファーライ」とお決まりとなっている台詞の後に「次の曲でラストだよ」と。ふと時計を見てみると、もう10時前だった。メンバー各々は舞台袖へと引っ込んでいくと、僕たちはアンコールの手拍子を始める。普段なら誰もいないはずのステージにはドラムのLloyd Knibbが残っていて、僕たちの手拍子にバスドラを合わせて、メンバーに「早く出てこいよ」と催促しているではないか。
彼らがこの日演奏した曲に『occupation(占領)』という曲があった。ジャマイカは長い間イギリスの統治下にあった。1962年にイギリスから独立を果たした後も国内ではストリートギャングの抗争が頻繁に起こっていたという。ジャマイカの国旗に使われている黒、金色(黄色)、緑にはそれぞれ意味がある。黒は過去の苦渋とこれからの苦渋。金色(黄色)は陽光と豊富な鉱物資源、そして緑は豊富な農産物と希望。The skatalitesのライブを見ていると、まさにこの3つの色が持つ意味を音楽で表現しているのだろうと思う。底抜けに明るい彼らの曲からは太陽の光と、希望を連想するが、そこには『occupation』という曲名からもわかるように過去の苦渋を忘れず、未来に向けて警鐘を鳴らしている。
Lloyd Brevettは2002年のFUJIでのインタビューにて、こうとも言っていた。「今の音楽はすごく若い人に向けてばかりで、自分はあまり興味が持てない。でも、オーディエンスは18から24位の年齢が多いので、彼らがスカという音楽をもっとプログレス(=前進、発展)していくことが起こると思っている」the skatalitesにより作り出されたskaという音楽は今や世界中に広がり、これまでに様々な形のskaが生まれてきた。この日の前座を務めたSLY MONGOOEも含めて、the skatalitesの子供は世界各国にたくさんいる。これからskatalitesの子供たちの曲を聴いて育った、skatalitesの孫もどんどん出てくるだろう。11人から始まったskaという名のファミリーは、これからも増え続けていくことだろう。
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report by yohsuke and photo by ikesan
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