「Wagu 10」feat. CLISMS, THE BACKDROPS, 巨人ゆえにデカイ, ワッツーシゾンビ and にせんねんもんだい @ Koenji UFO CLUB (5th Sep. '04)
「東京VS大阪 最狂バンド列伝」
- part 3 -
次に登場したのはワッツーシゾンビ。彼らのライブを見るのは2回目だ。と言っても初めて見たときは演奏の途中からだったので、実質今回が初めてと言ってもいいだろう。ステージ中央に鎮座する、何故か大仏の覆面が取り付けられたマイクスタンドからしてみて、関西人のアホなことにかける業みたいなものを感じるが、サウンド面だけをとらえてみるとアホ要素は余り混入されてないようだ。こちらが肩透かしをくらうぐらいの、しっかりした歌と演奏。ブルージーでソウルフルなロックンロール・サウンドを轟かせ、徐々に独特の雰囲気を作り上げていく。というか音だけ聴いてても、はっきり言ってそんなに面白みは感じられない。若手芸人然とした面構えのヴォーカル兼ギタリストの醸し出すユルい空気、野獣のような雰囲気を持つガレージ・パンク系ギタリストのプレイの獰猛ぶり、やさぐれたリズムを叩き出す上半身裸のドラマーのこのうえない胡散臭さ。しかと目を見開いてワッツーシのプレイを見つめるうちに、彼らの溢れ出す豊潤な変態性がくっきりと感じとれ、一気に骨抜きにされてしまうのだ。
ヴォーカルの笑顔がまたいい。そこはかとない狂気を感じさせる無邪気な笑顔で、手にとった野菜ジュースを頭からかぶり、それでもなお笑顔をふりまく。水でもビールでもなく野菜ジュース、ってとこがまたアホぶりに拍車をかけている。頬から上半身を伝うドロドロした液体が汗と混じった「汗汁」が、最前列にいた客(私を含む)に容赦なく飛散するが、嫌な感じは全くしなかった。「しょーがねーなー、もー!」と逆に嬉しく思ってしまったぐらいだ。
と、最前列にいた観客(メンバーの連れ?)がいきなりステージに上がり、「あっ」と思う間もなくドラムセットを解体しフロアに担ぎ出す。それを合図としメンバー全員が、一挙フロアになだれ込む。怒涛の後半戦が始まった。毎回かどうかは不明だが、ワッツーシのライブはステージでの演奏(前半)と、フロアでの演奏(後半)に分けられているようだ。滞りなくセッティングが終了し、何事もなかったかのように演奏を再開するドラマー。ギター2人は観客に肩車され、フロアに居る者全員を威嚇せんばかりの鬼のような形相で、ギターを激しく掻きならす。その後フロア中央で3人が団子状になっての演奏。
巨人ゆえにデカイといい、ワッツーシゾンビといい、この日は出演してないけどおしりペンペンズといい(レポートしたい!)、大阪では今、こういうのがアンダーグラウンド・シーンの主流なのか?まるで8年ぐらい前、関西を中心に席巻していたスカム・ブームの熱気が、目前で再現されているかのようなグッダグダの雰囲気に完全にもってかれてしまった。時代を経ても脈々と受け継がれる、関西の伝統とも言えるスピリット。混沌の極みのような状況を目の当たりにし、感服ひとしきり。今後の彼らの動向から、全く目が離せそうにない。
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