The Captains @ Takadanobaba Phase (30th Aug '04)
「キャプテンズはマジだった」
日本でGSといえば、グループ・サウンズのことになる。グループ・サウンズ。英語だけど、「ネオ・アコースティック」同様、この言葉は海外では通じない日本だけの言葉のはずだ。そのGSを今、演奏しているという、キャプテンズを見た。キャプテンズ。名前からして、すでにGSの雰囲気だ。
これは詰め襟のスーツといったらいいのだろうか、メンバーはお揃いの衣装でばっちり決めている。ライトに照らされ、「オレ!」というかけ声で、もろにスペインな曲が始まる。演奏の合間に、フロントの三人はフラメンコのような振り付けをビシッときめる。ボーカルの傷彦はバラを口に加えている。正直、見る前までは、コミック・バンドまがいのひどいバンドだったら…と心配もしていたが、キリっとした動きとそのまなざしから、彼らがマジなことがすぐにわかった。Who Are Youというリフレインのある曲では、前のほうにいる女の子たちは、YMCAならぬ、WAUの振り付けをメンバーと一緒に踊りだす。メンバーにいわれるでもなくしっかり振り付けを踊り、傷彦が曲の途中でバラまいたラブレター(!)を目の前に取りにいく、そんな熱心なファンの子はすでに多い。
ギターのヒザシは演奏そっちのけで、自分が踊ったり、振り付けを教えたりといそがしい。ダウン・ピッキングからピート・タウンゼンドの必殺技、ウインド・ミルを決めたりもする。そういえば昔、友達とザ・フーの『キッズ・アー・オールライト』を見たあとに、「ピート・タウンゼンドは、GSを持ったときが一番格好いいよね」と言ったら、失笑を買ってしまった。ギブソンというメーカーにSGというモデルのギターがあるんだけど、これをぼくは間違えて、GSと言ってしまったのだ。自分の頭のどこかにGSという言葉が強く残っていたのかもしれない。そう、ヒザシはよく動くが、ドラムとベースでしっかりグルーブが出来ているので、これでいいと思う。
丸メガネにモサっとした頭の、服を変えればガリ勉受験生のようにも見えるヒザシに、髪をぴっちり分けたテッドと、フロントを固めるメンバーは揃ってアクが強いが、やっぱりボーカルの傷彦抜きではこのバンドは語れないだろう。バラを加えたり、ラブレターをばらまいたりと、ほとんど死語となっている「キザな奴」を本気で演じる。「最後のグループ・サウンズ、キャプテンズです」とMCで何度も言っていたが、自分たちがこのスタイルを選んだことにかなり意識的なのだろう。マスのレベルでは「ナシ」なものを、「アリ」なものにしてしまう。もしかしたら、彼はそんなマジックを、本気で狙っているのかもしれない。
と、書いていると大袈裟なものに思われたかもしれないが、キャプテンズのライブは純粋に楽しい。それは、もちろん彼らのコミカルな部分もそうなのだが、純粋にロックバンドとしてカッコイイのだ。日本の歌謡曲のような親しみやすさを持ちながらも、ブルーズを感じさせる曲からは、ロックンロールが鳴っている。スピードをあげながらも、テッドのベースがウネり、ドラムのヨースケが何度も大声で叫びながらグルーブを叩きだしていった後半は、グイグイと引き込まれた。日本各地、10数カ所を回ったというツアーの最終日だったこの日。バンドの勢いが感じられる、素晴らしいライブだった。
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report by rad photo by yusuke
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