Tokyo Pinsalocks @ Shibuya Chelsea Hotel (28th Aug. '04)
「ミクスチャー・キャー・キャー」
「女の子バンドをもっとこれから盛り上げていきたいと思ってるんで!」。ライブの間じゅうずっと笑顔で陽性のバイブを振りまいていた東京ピンサロックスのナオコが、やはり満面の笑顔でステージ中に言ったこの一言を持って、この日のイベントの趣旨説明とさせてもらいたい。そう、この日のイベント、東京ピンサロックス主催「パンツの染み」は要するにギャルバン祭りである。今回は4時間で6バンドも出るかなり密度の濃いイベントとなったようだが、時間の都合で見れたのはピンサロックス、スーパー・エッグ・マシーン、ミューリーの三バンドだけだった。しかもミューリーは最後の一曲しか見れなかったのだが、とにかく見れた限りでレポートしていこう。
まずはミューリー。このバンドに関しては一曲しか見ていないのでとやかくいう資格は無いのだが、ひとつだけ触れられることがあるとしたら、ドラムの人を見たときに私が感じたデジャブ感だろう。あの存在感あるドでかいアフロ、MTVのVJに応募したら一発で受かってしまいそうなインパクトのあるルックス、どこかで見たことあるような気が・・・と、モヤモヤしてたのだけど、ライブが終わって帰るときに、ハッと思い出した。あの人、The☆scantyのドラムの人だ。(The☆scanty=歌番組にもたまに出てたジュディマリと同じプロデューサーでジュディマリ系の曲をやってたバンド)ってことは、あのバンド、解散したのか。う〜ん、人に歴史ありだ。
次はスーパー・エッグ・マシーン。ちっちゃくて華奢な感じの女の子たちがやってるスリーピース・バンド。リフがうねるミクスチャー系の骨太サウンドだったのだが、素朴な感じの方言を使いつつ所謂「あゆ声」でMCするもんだから、肩の力が抜けたというか何というか。何かベッカムの声を初めて聞いたとき、あれ、なんでこの人の声こんな高いの?、と戸惑ってしまったときのような感じ。お前その声じゃないだろ、と私は思わずツッコミたくなったのだが、客席の女の子たちからは「かわいい」という声が漏れてたので、別にいいのかもしれない。
そして、ついに東京ピンサロックスの登場だ。私は彼女たちのライブは初体験。どうやらレッチリ系のミクスチャーな音を出す女の子バンド、というのがマグのレポートを読んだ限りの印象だったので、もし体育会系のマッチョな雰囲気だったらどうしよう、苦手だなあ、と始まる前から少ししり込みしていた。しかし、サウンドチェックの様子を見てると(本人たちがしていた)、どっからどの角度でどう見ても彼女たちがマッチョなバンドには見えない。ベースのヒサヨはスラリと背が高く繊細そうな感じだし、ボーカルのナオコは最初に書いたようにとにかくニコニコと明るいし、ドラムのレイコはどう見ても中学生でドラムセットに埋もれそうだったし、ギターのトモッチは男前だったけど親しみやすい感じで、メンバー全員揃いも揃ってマッチョ感ゼロ。少し安心する。
そして、本番。一曲目の”ブレインウォッシャー”が始まると、それまで抱えていた余計な不安は一気に解消された。ミクスチャーの匂いは、確かに曲のアレンジの端々に感じられる。間違いなくその手のバンドに影響は受けているのだと思う。しかし、何よりボーカルのナオコの声がミクスチャーとしては完全に異質。ミクスチャー系のこわもてのサウンドの女性ボーカルなら、絶対ビッチ感溢れるうらぶれた声を出して「私、ロックです」という演出をしてくると思ってたのに、ナオコはそんな小細工は全くしていなかった。ポップス唄ってもOKな感じの明るく伸びやかな声を、そのまま真っ直ぐに出してくる。ハードなロックを嗜好するバンドにとってこの声は一つの賭けと言ってもいいと思うのだけど、実際このサウンドと声の組み合わせには、水と油のようなミスマッチ感はなくて、酸性とアルカリ性が混ざって悪いところだけ中和されたような、スッキリとしたメジャー感があった。
昔の曲といって披露されたものなんかに較べると、最近の曲は、メロディー、アレンジともにかなりポップになってきてる。新曲として披露された”匂いマニア”なんかはサビが一発で耳に残るようなインパクトとポップさがあった。ミクスチャーじゃないのかい、とツッコまれそうだが、今の彼女たちの曲を聴くとミクスチャーは飽くまで一つの要素に過ぎないし、バンドの立ち振る舞いもギャルバンらしいワイワイと楽しいポップさがあったので、この方向性の変化の仕方はバンドにとってプラスのものだと思う。Beanbagのユミから、「なあなあ、キャーキャーいいながら曲作ったんキャーキャーいいながらレコーディングしたん?キャーキャーいいながらライブすんねんやろー?オイッたまにはまぜろーー!」というコメントがピンサロックスのセカンド・ミニアルバムに寄せられていたが、このバンドの雰囲気はまさにそういう感じ。ライブ観てたら、私もそんなキャーキャーに混ぜてもらってたみたいで、なんだか楽しかった。
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report by yoshi_k and photo by Ken-Go
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mag files :
ミクスチャー・キャー・キャー : (04/08/28 @ Shibuya Chelsea Hotel) :review by yoshi_k, photo by Ken-Go!
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初のワンマンっていいね : (04/04/03 @ Shibuya BOXX) : review by toddy, photo by hanasan
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よさこい+焼肉+バブルガール! : (04/03/28 @ Street Live in Shibuya) : review by nob, photo by izumikuma
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photo report : (04/03/11 @ Kobe Chiken George) : photo by ikesan
声という楽器の可能性 : (04/02/27 @ Shibuya Chelsea Hotel) : review by joe, photo by maikokko
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Interview : 女の人に聴いてもらいたい : (04/02/22) : interview by nob, photo by izumikuma and keco
no title : (04/02/18 @ Shinjuku LOFT) : review by 加賀琢磨, photo by izumikuma
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終わりでなく、出発として : (03/12/26 @ Shinjuku ACB Hall) : review by nob, photo by keco
完成度の高いミクスチャー : (03/12/26 @ Shinjuku ACB Hall) : review by joe, photo by keco
photo report : (03/12/26 @ Shinjuku ACB Hall) : photo by keco
柔も剛もよく柔も剛も制す : (03/12/21 @ Utsunomiya Vogue) : review by nob
爆音の砂嵐へ : (03/12/17 @ Chiba Look) : review by nob
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previous works by yoshi_k
2004
「4人でひとつ」 : The Libertines (3rd Aug. @ Shibuya AX)
本物ガレージ、メジャーで弾けろ : The Von Bondies (13th Apr. @ Shibuya Club Quattro)
Sweet child of mine! : Wall of sound (20th Feb @ fabric, London)
やっぱりフランス人 : AIR (18th Feb @ Brixton Academy, London)
2003
飛躍的な進歩、圧倒的な勝利 : The Strokes (6th Dec @ Alexander palace, London)
ロックンロールって、確かこんな音だった : Razorlight (11th Nov @ 100club, London)
ただ「音楽」としか名付けられない未分化な何かを発する子供たち : The Music (15th Oct @ ICA, London)
ミスマッチの違和感 : The Thrills (11th Oct @ shepherds bush empire, London)
生々しい自然体のズレ : intensions of an asteroid (3rd Oct @ barfly, London)
熱いオヤジたちの肩肘張らない音楽 : James Taylor Quartet (22nd Oct @ mean fiddler, London)
コンサートの集合体としてのフェス : Reading Festival (23rd Aug. in Reading)
穏やかな覚醒 : nderworld (10th Aug. @ somerset house, London)
これからを感じさせる輝き: Saint Rose (15 Jul @ feet east, London)
オ〜オ!!オ〜オ!! : The future heads (11th Jul. @ barfly, London)
お父さんも安心!家族向けフェスティバル : uilfest'03 (6th Jul in Guilford)
巨大さに支えられた自由 : Glastonbury Festival '03 ( 27 to 29th Jun '03 in Shepton Mallet)
本気なロックンロール+アホと笑い : Electric Eel Shock (19th May. @ arts cafe, London)
Completely Stone Roses! : the complete stone roses (10th May. @ Garage, London)
死ぬまで踊り狂え! : Death in Vegas with DJ Andrew Weatherall (4th May. @ Nrixton Academy, London)
私もまた力の限りジャンプする : Blur (13th May. @ Astoria, London)
もっと今のあなたを! : (20th Feb. @ Shibuya Club Quattro)
all these worlds are yours! : DOVES (2nd Feb. @ Shibuya Club Quattro)
「もう一声」を聞かせてくれ! : the jeevas (7th Jan. @ Kawasaki Club Citta)
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