Smashing Mag / The Captains @ Shinjuku Marz (5th Aug '04)

The Captains @ Shinjuku Marz (5th Aug '04)

笑いと悲鳴
観る度にいろんな表情を伺えるバンドだとライヴハウスに足を運ぶ甲斐があるってもんだ。もちろん、シナロケのように何十年と変わらないロックンロールを続けているバンドも格好良いけど、これからのバンドは変化が手応えとして感じられるようだと嬉しい。　この日はバンドとバンドの間はお笑い芸人とバンドとのトークでつなぐという面白い企画があったのだけど、前のバンドの人と芸人さんがトークしている最中が次のバンドのサウンドチェックになるわけで、キャプテンズのサウンドチェックはトークを邪魔するくらいで「どこのガレージパンクですか？」と思えるくらい荒々しいものであった。そして改めて登場しての一曲目は"夕焼けサンドビーチ"で、このスピード感と「oi！oi！」という掛け声が尋常じゃないほどロックンロールだ。次がポップで明るい"フーアーユー？"。恒例のメンバー紹介を経て新曲の"二人の世界"になる。　それにしても、メンバー紹介のコーナーっていつも傷彦が「僕の大好きなメンバー紹介です！」と言っているんだけど、「メンバー紹介」が大好きなのか、「大好きなメンバー」と紹介するのか、ダブルミーニングぽくて面白い。さて、新曲は、傷彦が「プリーズ・・・プリーズ・・・」と哀願するヴォーカルが印象的な、GS特有の濃い哀愁を湛えた曲だ。そして"砂浜ラブレター"では例によって傷彦はポケットからラブレターを出してフロアにばら撒く。傷彦の「歌舞伎町を愛で染めてやるっ！」というMCに女の子たちがキャーと悲鳴をあげる。　この日の傷彦はかなり取り憑かれている顔付きで、狂気が宿っているかのようだった。憂いを含めつつ疾走する"黄昏流星群"、この日は全般的にヒザシのギターを見ていたのだけど、指がよく動いて上手いなあと感心するだけでなく、キャプテンズのサウンドを新鮮と感じるのは、GS当時のギタープレイに縛られないヒザシに負うところが大きいんじゃないかと思う。　　"恋をしようよ"は傷彦の失神シーンで笑いと悲鳴を交錯させエンターテナーぶりに感心させられる。そして最後は"恋は赤道直下"。極限まで飛ばすロックンロールで、やっぱり4人ががっちり組み合わさったときに発揮される力は絶大だと感じさせられる。この日は"恋のゼロハン""恋するマタドール"もやらなかったけども、それが全然不足に感じなかったのだった。代表曲を外してきても大丈夫というのは心強い。この先にまだまだ可能性があるバンドだなと改めて思う。　　P.S.ライヴ後は司会のお笑いコンビとヒザシでトーク。「メガネは伊達か？」とか、いろいろコンビに突っ込まれていました。 report by nob and photo by izumikuma