The Captains @ Shibuya Yaneura (18th July '04)
時速30キロでどこまでも行こう
この日は「渋ロックフェス」と題された企画だった。自分が着いたときは、ザ・ガールハントがやっていて、まあ、一言でいえWEEZERだった。歌詞は日本語だけど。次のザ・ジェッジジョンソンはバンプ・オブ・チキン+スーパーカー。ドラムは打ち込みで、ヴォーカル&ギターがくるりの岸田の雰囲気を醸し出している。エレクトロニックな浮遊感は結構好きだ。そして、お笑いライヴが2組。要するに漫才なんだけど、最近のお笑いブーム(これは第何次お笑いブームなんだ?ドランクゴラゴンとかロバートとかみたいな感じ)の流れを汲んだ笑いである。 響とツインクルというコンビが出てきたが、ツインクルの方が話が面白かったな。響も笑えたけど、ちょっとキャラクターに依存した感じ。ここまでで結構楽しんだけど、この日のお目当てはもちろんトリのキャプテンズである。
東京では、約1ヶ月ぶりのライヴである。その間、オフィシャルサイトの日記を見ているとリハーサルを繰り返していてようだ。その効果がいきなり1曲目の"恋のゼロハン"に表れた。このスピード感(時速30キロだけど)、この音圧は、そこいらのガレージパンクを遥かに凌駕する。こんな、聴いてて気持ちがいいサウンドもそんなにない。しかも、一度聴いたら忘れられないメロディと4人のキャラクターが加わって、彼らにとって最強のキラーチューンになっている。それを一番最初の曲に持ってきた。初めて観る人は度肝を抜かれるんじゃないか。さっき出ていた、お笑いの突っ込み2人が並んで観ていたのだけど、口をポカーンと開けて見入っていたのだった。そして、間髪入れずに"フーアーユー?"へ。傷彦とヒザシがヴォーカルを取る曲で、ここにメンバー紹介を織り込む。今までは、メンバー紹介のコーナーが独立してあったのだけど今までと違った趣向で見せている。
ヨースケの刻むリズムにお客さんたちが手拍子で応えて、スパニッシュな闘牛師とセニョリータの物語"恋するマタドール"。この手拍子といい、「ORE!」というキメのポーズにしても、ステージ前に陣取るお客さんたちのノリがすごい。確実にお客さんの数が増えているし、最前列で撮影をしていたsaya38によると「以前なら『キャーッ』と言いつつ笑っていたのだけど、今はマジで傷彦に惚れてるよ」と女性客をガッチリつかんでいる状況だ。それは傷彦のルックスを含め4人のキャラクターに負うところが大きいんだろう。傷彦がお客さんの目の前で「愛してるっ!」と言って失神したり、"砂浜ラブレター"でラヴレターを配ったりと、恒例のパフォーマンスで女の子たちが歓声を上げるのも当然なんだろうけど、それだけに留まらない、迫力あるロックンロールバンドとして凄まじい状態になっている。それは"夕焼けサンドビーチ"や"黄昏流星群"や"恋は赤道直下"の憂いを含めつつ疾走するガレージパンクを聴けばすぐに感じるだろう。インタビューを読めば、彼らの背後に豊かな音楽的な素養があって、エンターテイメントと同時に、音楽に対しても真摯な姿勢が分かると思う。もっといろんな人に聴いてもらいたい。
すでに22時を超えていたのだけど、アンコールは"お前一番星"。☆の形の振り付けも決まって最後の最後までテンションが高く、突っ走ったライヴだった。この日は代表的な曲はほぼ網羅して、ボリュームも十分でお腹いっぱいなんだけど、爽快感が残った。
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reported by nob and photos by saya38
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