THE OFFSPRING @ Nihon Budokan (13th July '04)
武道館が揺れた!
オフスプリングは、私の中では超VIP待遇なのだ。だから、約2年ぶりとなった待望の来日は、もちろん東京全日程参加。しかも、武道館!NKやメッセだって充分大きな会場だったけど、武道館でオフスプリングがライヴをやったのだ!遂に武道館!ものすごい勢いで渦巻くモッシュと、乱れ飛んでくるクラウド・サーフィン、「ウォウウォウウォウ〜」や「アハーン」の大合唱。外の猛暑に負けないほどの熱気。あの武道館を震撼させる凄まじい興奮が3日間も繰り広げられたのだった。
オフスプリング登場までのほんの30分程度が何時間にも感じられた。ざわつく神経と震えと鼓動の早さで頭がクラクラしてきて、もう待てないと思った瞬間、場内が暗くなり、大歓声と共にやっぱり押しつぶされた。高ぶる気持ちと緊張感が電気のようにビリビリと頭の先から爪の先まで流れ出し、一気に汗となって噴出してきた。自分の意に反して奇声のような悲鳴のような叫び声を上げていた。ステージから聞こえてきたのは、"Neocon"のイントロのドラム。最初に姿を現したのは、新メンバーのアトムだった。スティックを振り上げ、ドラムをパワフルに目一杯叩く。そしてベースのグレッグが重低音を響かせながら静かにステージに姿を見せ、続いてヌードルズとデクスターが登場すると、武道館の天井を突き破るほどの歓声が沸きあがり、拳を振り上げたオーディエンスとオフスプリングが"Neocon"で吠えた!会場が一丸となって吠えた!そのままアルバムの流れで"The Noose"、そして続いて"All I Want"で「ヤァヤァヤァヤァヤッ!」と、ファストなオフスプリング・パンクは電光石火のごとく一気にスターとから突っ走っていった。
メンバー紹介はなかったけれど、ロンに代わってドラマーは新加入のアトム。華奢な体を全部使って叩きだすドラムはものすごくパワフルで勇ましいのに、途中、パーカッションのクリスの横に立ち、笑顔で一緒に拳を振り上げていた姿は可愛らしかった。控えめなポジションでベースを弾くグレッグは、いつもみたく頑固職人のように、もくもくとプレイに専念している。"Bad Habit"では、嵐の前の静けさを思わせるグレッグの重厚なベースが会場内に緊張感を張り巡らせ、ネックで光る赤い照明が静かに存在をアピールしていた。この曲のひんやりと漂う空気は、何度体験しても凍りつく。そして、フロントのデクスターとヌードルズ。彼らはキッズたちの盛り上がりを近くで感じようとするかのようにステージ前方まで進み出てみんなを扇動していた。この二人にはオーラがある。例えば二人が中央に並んで立つだけで、圧倒的な存在感がステージ上を占めていた。悪ガキっぽさもありながら、"Walla Walla"や"One Fine Day"では楽しそうな笑顔を浮かべて、オーディエンスの狂喜乱舞っぷりを見守って楽しんでいるかんじもあった。いくつになっても、この人たちってすごくカッコイイし最高っ!
セットリストは、3日間通してほぼ同じ。日本のファンの希望を取り入れただけあって、弾けまくり盛り上がりまくり必至、オーディエンスのエネルギー大放出の選曲。まるでベスト盤を聴いているようなセットリストになっていた。違いといえば、一日目には"self-esteem"と"smash"を、三日目には初めて"mota"をやったところだ。"smash"はその頃からのファンにとってははずせない曲なんだけど、会場の様子を見る限りなぜだか盛り上がりに欠けていた。こうやって、少しずつ『smash』からの曲がセットリスとから外れていくのかと思うと、少し寂しい気もする。初の"mota"は予想もしていなかっただけに、驚き以上に喜び!本当に、なんでこの曲が今までセットリストに一度も入らなかったのか、不思議でしょうがない。そして、ニュー・アルバムからの"Hit That"や"Da Hui"、"Long Way Home"は、ずいぶん前からやっているようにしっかり馴染んで、武道館全体にシンガロングが響き渡っていた。これなんだ!こういうオフスプリング・サウンドが、血を騒がせてたまらなく好き!これはオフスプリングのライヴでは外すことのできないアンセムになったに違いない。
今までのライヴであったような凝った演出はなく、シンプルなパンク・ロック・ショウだった。唯一のエンターテインメントといえば、二日目のアンコール前、嘉悦女子のマーチング・バンドによる"Hit That"の演奏だ。目の前にいた、小学生にしか見えない小さな女の子が、不器用にステップを踏みながらタンバリンを叩いていたのが印象的だった。その演奏に合わせて歌うオーディエンスの声と歓声もメンバーを楽しませたに違いない。ステージ袖でマーチング・バンドを見つめるヌードルスの顔は、まるで我が子を見守る優しいパパの表情だった。
アンコールは、最新シングルの"(Can’t get my) head around you"、ファストでポップでハッピーな"One Fine Day"、そして"Pretty Fly"を最後に持ってきて、1時間ちょっとのオフスプリング・ライヴは幕を閉じた。毎度のことながら、体中に無数のアザ、全曲歌いまくりで喉がヒリヒリ、全身汗まみれ。満足感と充実感と共に終わってしまった寂しさが気持ちを埋め尽くす。楽しかった、以上。それ以外の言葉は見つからないし、あまりに楽しすぎたので、ライヴから数日経っても心にポッカリ穴が空いてしまったかんじで、『SPLINTER』を聴くとたまらなく寂しくなった。今までの10年と同じように、これから先も彼らがオフスプリングであり続ける間は、私の中で最もスペシャルな存在のバンドであることは間違いない。
今回は仙台まで行ってみた。ZEPPでオフスプリングを見るなんて、今後もうないかもしれないという思いだけで行ってみた。1500人近い人が1階のフロアを埋め尽くし、身動きできないすし詰め状態。2階も異例のオールスタンディングで300以上の人がいたはずだ。セットリストは東京とほとんど同じだったけれど、ここでは"The Worst Hangover Ever"を入れていた。一度腕を突き上げたら降ろせないくらいギッシリ状態の中で、オーディエンスはひしめき合い、クラウド・サーフィンの連打、シンガロングは止むことなく、ぶっ続けのカッ飛び大熱狂のライヴだった。ライヴ終了後、2階からの階段を下りている時、前方にいた男の子グループの一人が、興奮冷めやらぬといったかんじで「楽しかったよね!」と握手を求めてきた。固い同志の握手。みんなどこでも同じような思いで会場を後にして、次の来日までまた首を長くして待つんだろう。最高だ、オフスプリング。次は2年後?それともどこかの夏フェス?すでに思いは次のライヴに向かっている。
セットリストは、コチラを参照。
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