スペースシャワー列伝 第四十巻〜青天の宴〜 feat. COMEBACK MY DAUGHTERS、OCEANLANE、ASPARAGUS @Sinjuku LOFT(9th July '04)
青空
「スペースシャワー列伝」というライヴイヴェントは、毎回毎回、「ほにゃららの宴」というようにテーマが決まっている。そして、毎回毎回そのテーマにぴったしこーんと合ったアーティストが出演する素晴らしい企画なのだ。テーマに合わせてアーティストを選んでいるのか、アーティストに合わせてテーマを決めているのか?は定かではないが(調査不足失敬)どちらにせよ、素敵なイヴェントであることに変わりはない。第40巻の今回は〜青天の宴〜。よくぞここまで…、と頭が下がるくらい、これまた「青天」がよく似合うアーティストが勢ぞろいしたのだ。
トップバッターはCOMEBACK MY DAUGHTERS。異様に蒸し暑い外、満員御礼で熱気ムンムンの場内に相反して、カラッとした音と空気を運んできた。「これはアメリカ西部の青空のイメージなのね!(行ったことないけど)」と勝手に決めつけ曲を聴く。カラッとはしているけれど、荒々しくない中性的な声が印象的。サウンドのアクセントになっているピアノも爽やかさのポイントになっていた。
続いて、ステージ前面にかけられたスクリーンが上がったが…、そこには誰もいない? SEに合わせてワンテンポ遅れてステージに登場したのはOCEANLANEだ! 以前、音源を聞いたときに「すごいものに出会ってしまった」と思って以来、ずっと観てみたかったバンド。CDで聴く以上に透明なヴォーカルに1曲目から釘づけになる。真っ直ぐに人の心を貫通していくような声。ここをつきぬけた後はどこに向かって行くのだろう? きっと、雨上がりの空のような柔らかな水色の中に溶けて、また私たちの上に舞い降りてくる。そんな予感のする歌声だ。"Fade in Time"では、あまりのメロディの美しさに圧倒され、曲が終わってからも拍手をするのを一瞬忘れるほどだった。ラストはリズム隊にぐいっと引っ張られながらキャッチーなメロディが流れる"Sign"で締め。思いっきり切ない感情を会場中に残し、風のように去っていった。
トリを務めたのはASPARAGUS。今日の出演者の中ではもっとも弾けたサウンドで、フロアも跳ねる、飛び込むの大騒ぎ。ちっともラテンじゃないのに、自らの音楽を「ラテンです!」と執拗にアピールするのは、もしかして夏=ラテンなんて単純な発想じゃないでしょうね…、とちょっと疑いの目を向けてみる。でも、確かにこの突き抜けた気持ち良さは、スペインや南米(これまた行ったことないけど)の青空に通じるのかも、とも思う。ものすごく耳障りのいいヴォーカルと、弦の上を自由に遊び回るようなギター。パキっとしたビートを刻むリズム隊。どこまでも青い空の下で聴きたくなる。ラスト2曲"ROLLA COSTA"〜"FALLIN' DOWN"では熱を帯びた音を存分に出し、フロアもステージも思いっきり跳ねる、飛び込むを楽しんでいた。
ひと言で『青天』といっても、色々な空がある。どんな青でも、曇り空より、雨模様より、やっぱり晴れた空が好きだなぁ。帰り道、3バンドの爽やかさに浸りながら、そんな風に思った。
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*このライヴの模様はスペースシャワーTV!にてオンエアされます。
初回放送:8/20(金)21:00〜22:00
リピート:8/29(日)22:00〜、9/2(木)26:00〜、9/8(水)13:30〜
スペースシャワー列伝のサイトはこちら
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