Ben Harper & The Innocent Crimiinals @ Carling Apollo Hammersmith (22nd Jun '04)
「今日はどうもありがとう」
数年前のリキッドルーム×2、昨年度の苗場×2、今年は名古屋と東京。これだけ観ておいて(数でゆったらうちのマスターにゃあ敵わんが)まだまだベンのライヴに足を運ぶという理由は自分でもよく分かってない。だって正直なことをゆってしまえば自分の限界を超える程テンション上がったこととかあんまないし、ステージ上に絶世の美女が立つわけでもないのですよ。楽曲も粒揃いと知りながら、過去に人生を狂わせたブリティッシュロックのアンセム達と比べるとインパクトに欠ける印象があるわけで...そうなんだよ。別にたまたまロンドンにいる時に偶然ライヴがあるからって、行く必要は無いはずなんだ。そんな必要はね...しかし何故か旅行券と一緒に手元にあるのはこの日のチケットで、アポロのステージに置かれた御馴染みの楽器を観ながら俺、超ワクワクしてんの。どういうことだよこれ。
1曲目、おそらく新曲の"Take My Hand"。"With My own Two Hands"調の、ベンお得意のメロディーと天に向かって救いを請うような歌い方でスタートしたステージは暖かくオーディエンスに迎えられた。フロアの温度は今までの経験からカタルシスという言葉に無頓着と個人的に思っていたイギリス人達にしては珍しく、かなりの雄たけびがあちこちから沸き起こる。
それ以降は下記のセットご覧の通り、最近のツアーのセットと同じ展開だ。俺が何故だか愛して止まないアフロスターは今夜も絶好調、横揺れだけでは物足りなくなるような荒々しさと優しさを備え音を会場の一人一人に伝えている。
予定調和の励ましではなく自然発生的な興奮の声が止まることを知らないという夜の一回目の山場は新曲"Where Could I Go"。ライクアメリカンなメロディに、ベンにしては珍しいシンガロング調の歌い方が印象的なこの曲を、ベンがまるで視線の先に最愛の人を立たせているかのように感情を込めて歌い上げる。ビリビリッと肌を震わすほどの声があがるのは言うまでも無い。
この日特徴的だったのは、演奏される楽曲の中でも特にバラード。エレピがメロディーの根幹になるようアレンジされていた"She's Only Happy In The Sun "がCDよりも格段に成長していることと、オーディエンスが皆「コレをまっていたんだよ」的な盛り上がりを見せてくれるのだからたまらない。我々がステージに強烈な力を受け止めているのと同じ位にベンも視界に広がった人々から何かを得ているのだろうなと思わずに入られないヴァイヴが行き来するのを感じていた。
バラードではないのだけれど、アンコール一回目のベンの弾き語りコーナーは日本には無い情景を作り上げていた。それは歌詞がダイレクトに響くと言うことは羨ましいなと思わずに入られないほどの美しい光景で、"Waiting An Angel"の時であったろうか...ゆうに3000人を超えるキャパの会場の中、聴こえてくるのはベンの声とギターのみという時があった。どの人もこみ上げてくる思いを押し殺すのに必至で、それが音には出ないで空気として感じとれるというものは、ライヴという空間ではなかなか味わえないものだ。勿論ついつい叫んでしまう人もいるんだけど、逆サイドの方から「シーッ!」と注意を促すようなオーディエンスの連携が可笑しかったり。
そしてラストは勿論拳を突き上げて「WAR!」でシメ、今夜のライヴも健やかに終わりを迎えたのであった。会場を後にし、友人と「やっぱりベンだな!」と言う結論が導き出したりする。理由はまだまだ分からない。しかし、今はまだそれでいいんだろうなとも思ったりする。
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set [1] :
01 Take My Hand
02 Excuse Me Mr.
03 Brown Eyed Blues
04 Temporary Remedy
05 Gold To Me
06 Where Could I Go
07 Don't Take That Attitude To Your Grave
08 Steal My Kisses
09 Diamonds On The Inside
10 She's Only Happy In The Sun
11 Ground On Down
12 Amen Omen
enc [1] :
13 When It's Good
14 Waiting On An Angel
15 Walk Away
enc [2] :
16 Burn One Down
17 With My Own Two Hands/War
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report by ryoji and photos by hanasan
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mag files :
photo report: (04/06/23 @ Carling Apollo Hammersmith, London) : photos by hanasan
「今日はどうもありがとう」: (04/06/22 @ Carling Apollo Hammersmith, London) : review by ryoji, photos by hanasan
photo report: (04/06/22 @ Carling Apollo Hammersmith, London) : photos by hanasan
blessed to witness this show... : (04/03/05 @ Shibuya AX) : review by sisterchill, photos by hanasan
音楽の一部になる: (04/03/05 @ Shibuya AX) : review by nob, photos by hanasan
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おおらかな緩急: (04/03/04 @ Zepp Tokyo) : review by ryoji, photos by hanasan
ベン自身がダイアモンドである: (04/03/04 @ Zepp Tokyo) : review by 竹井晶子, photos by hanasan
会場を包み込んだもの: (04/03/04 @ Zepp Tokyo) : review by joe, photos by hanasan
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愛と思い出の夜: (04/03/02 @ Nagoya Diamond Hall) : review by ryoji, photos by hanasan
photo report: (04/03/02 @ Nagoya Diamond Hall) : photos by hanasan
photo report: (04/03/01 @ Namba Hatch) : photos by hanasan
DVD Review : Live At The Hollywood Bowl: (04/02/12) : review by hanasan
これが心を揺さぶる歌、そして、音楽だ : (01/06/17&18 @ Shinjuku LOFT) : review and. photos by hanasan
ツェッペリン・ファンも満足! : (01/06/17 @ Shinjuku LOFT) : review by nob, photos by nishioka
photo report : (01/06/14 @ Osaka Big Cat) : photos by ikesan
photo report : (99/02/03 @ Shinjuku Liquid Room) : review and photos by hanasan
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