第ニ回日本ロックフェスティバル @ 高円寺無力無善寺 (20th - 27th June '04)
「極楽に一番近いフェス」 - part.3 -
6月25日
玉川裕高バンド :
元コモンビルの人、なのだそうである。コモンビルの音は未聴だが、今年の5月に渋谷のO-nestで1度このバンドを見た。そのときはnestの客席の左方にあるちょっと段になっている狭いスペースで、肩を寄せ合うようにライブをやっていた。そこに比べるとこの無善寺のステージですら、若干広く見えるほど。バンド名はまだ決まってないそうで、とりあえず「玉川裕高バンド」と名乗っているらしい。
登場して開口一番「酔ってま〜す!」と楽しげにギターをかかえる玉川氏に加え、オールバック&アロハシャツ&グラサンの一見強面なギタリスト、突っ込みの鋭いウッドベースの方も個性が際立っていて、もうこの3人でしか醸し出しえないような、微笑ましくも強烈なオーラを放出している。
演奏するのはカントリー、ウエスタン、ブルース、ロカビリーなどを基調としたもので、普段こういった曲を聴き慣れてない私の耳には、やたら新鮮な響きをもって飛び込んでくる。耳触り抜群、そしてものっ凄く楽しい!玉川氏の個性的で伸びのある歌声が、カラッと晴れた太陽の陽差しのようにさんさんと降り注ぐ。反面、ねちっこくやらしーい悪魔的な雰囲気漂う歌声も随所に織り交ぜられ、そのバランス感が非常にいい具合。弦が切れたり、コード表やカポを見失ったり、「もう帰れ!」と客に笑顔で毒づいたり、別の客が出て行こうとすると「帰るの?帰んないで〜!」と泣きついたり、なんだか全然憎めやしない。
ふと気付くと、すっかり愛してしまっていた。そんな感じのバンド。もう、いとしすぎて仕方がない。早急にバンド名つけて、音源をリリースしてほしいものである。もちろんライブも!
結局開催1週間のうち、飛ばし飛ばしながらも3日間参加してしまった。改めて、無善寺という「場」の持つ特殊な力を実感した、濃厚な3日間であった。もっとたくさんのバンドが見たかったし、無名なバンドのレポートも書きたかったが、とりあえずはこれだけ。フジよりもロックインジャパンよりもライジングサンよりもいち早く開催され、そしてひっそりと幕を閉じたこのアンダーグランドなフェスティバル。誰でも当日券たった¥1,500で、気軽に混沌とした数時間を過ごすことができる。第三回目が予定されているかどうかは不明だが、是非とも開催してほしいと切に願う。
report and photo by uko
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「極楽に一番近いフェス」 : (04/06/20 @ 高円寺無力無善寺) : review, photo by uko
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