遠藤賢司 @ Shinsaibashi Club Quattro (26th May '04)
『感動という言葉の重さ』
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僕もこの日のライブに行くまでは、まともに遠藤賢司の音楽を聴いたことがなかった。彼はライブの合間に「いい音楽は勝ち残る」としきりに言っていた。これから遠藤賢司の音楽は僕にとって、とても大きな存在になることだろう。5月26日に遠藤賢司のライブに足を運んだことは、本当に幸運だったと思う。音楽が好きな人には、みんなに見てもらいたいと、心から思う。
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開始予定時刻より20分ほど経った、7時20分に姿は見えぬが、『純音楽の道』のイントロが聞こえてきた。するとエンケンこと遠藤賢司が迷彩柄のパンツにラメ入りの黒いシャツに、背中にはアンプを背負いステージに現れた。その瞬間、体中に鳥肌がたつわ、無意識に「すげぇ」とつぶやいてしまう始末。一瞬にして、この何を言っているか、よくわからない男のとりこになった。
ところでエンケンデビュー35周年を記念して、先だって発売された『純音楽一代~遠藤賢司厳選名曲集~』のジャケットって森進一のアルバムジャケットをヒントにしたって知ってました?1曲目の後に始まった、エンケンのお宝サインレコード自慢のコーナーで発覚したんです。エンケンがこれまでに集めてきた、島倉千代子等のサインレコードの中に、そのヒントとなった森進一のレコードが。それから、エンケンは彼のベストアルバムの宣伝を始めた。「35曲入りで、なんと1曲たったの100円。しかも、CDはこのようにレコードのようなデザイン」とこんな調子で話す度に、客席から「おぉ~」と声が漏れる。その声を聞いてエンケンは「さてはお前ら買ってないなぁ」と一言。丁度彼の目線の先にいる3人組に狙いを定めたのか、その先も事あるごとに、その3人に「買ってね」と念を押していた。
何曲かエンケン一人で演奏した後、エンケンバンドでもお馴染みの湯川トーベンを「世界一のギタリスト…じゃなかったベーシストの」と紹介したのだが、ステージに上がり、最初に手にしたのはギターだった。演奏からも、二人の会話からも、お互いのことを分かり合っているということが伝わってきた。「ぽちにゃんです(エンケン)」「タマにゃん(トーベン)」とお互いを自己紹介して、「にゃあにゃあ」と歌いだしたはいいが、エンケンがいきなり演奏を辞めて、お客さんに向かい「みんなさ、好き勝手ににゃあにゃあ言ってよ」と提案。その時トーベンはいきなり演奏が中断したので、当然驚きの表情を浮かべていると思いきや、「まただぁ」と言わんばかりの笑顔だった。トーベンは関西でのソロライブが控えているので、その宣伝をしたはいいが、エンケンが「タマにゃんですっとか言ってるミュージシャンのライブなんて行く必要がないよ。」と事ある毎に言っていた。
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トーベンが一旦舞台袖へと戻ると、もう一人の主役鈴木茂がステージに現れた。野生児のごとく自由奔放にギターを弾くエンケンとは違い、鈴木茂は弾き方もスタイルもどこか洗練されている。『寝図美よこれが太平洋だ』で初めて担当したリードウクレレでも、その洗練さは損なわれてはいなかった。トーベンが再びステージへと現れて、3人で演奏を始めたのだが、非常にバランスのいい演奏だと思った。単に、音のバランスがいいというのではなく、1人1人、他の2人にはない個性を持っており、その個性が失われることもなく、一人の個性が突出することもなく、1つの曲の中で聞くことが出来るという点においてだ。
『純音楽一代~遠藤賢司厳選名曲集~』の中で、「僕は僕の曲全部好きです」とコメントしている。ライブの合間にエンケンはこんな話をした。「曽我ひとみさんってすごいと思うんだ。あの人は自分の感情をとても簡単な言葉で表現できるんだもん。難しい言葉で説明するのなんて、誰にでもできるよ。曽我さんってもしかしたら、詩人なのかもしれない。」エンケンが曽我ひとみさんに対して思っているように、エンケンも自分の感情を簡単な言葉で素直に表現できる人だと僕は思った。エンケンの音楽から、歌詞から、ギターから何かが、僕に伝わった。それは決してわかりにくい言葉ではない。「僕は僕の曲全部好きです」という気持ちも、音楽で何か出来るという考えも、信念も、人柄も、何もかもが伝わった気がしたのだ。
この日のライブで素晴らしい光景を見た。それはライブも終盤に差し掛かり、「東京ワッショイ」が演奏された時だ。エンケンのギターソロが始まると彼は、ステージから客席へと降りてきた。それまでほとんどの人が椅子に座っていたのだが、彼が降りてくると、少しずつではあるが、お客さんが席から立ち上がり拍手を送っている。数が徐々に増えていく。僕も気付けば、立っていた。感動するとは、こういう事だとこの時思ったのだ。無意識のうちに自分の気持ちをどうにか表現する事なんだと。それがただ立ち尽くすでもいいし、涙を流すでもいい。人それぞれ表現の仕方は違うのだろうが。今この原稿を書きながら、エンケンのアルバムを聞いている。思い出すと今でも鳥肌が立ってしまう。24歳の細胞にエンケンの音楽が染み付いてしまった。
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これまで色んな音楽を聴いてきて良かった。それがなかったら、この日エンケンのライブには行っていなかっただろう。それと、僕はこの日のライブをきっかけに、「感動した」という言葉をむやみに使うことを辞めた。そうじゃなかったら、この日のライブに失礼だと思ったからだ。
report by yohsuke and photo by ikesan
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mag files :
不滅の男 (04/06/03 @ Shibuya Club Quattro) : review by toddy, photo by hanasan
photo report (04/06/03 @ Shibuya Club Quattro) : photo by hanasan
『感動という言葉の重さ』 (04/05/26 @ Shinsaibashi Club Quattro) : review by yohsuke,photo by ikesan
photo report (04/05/26 @ Shinsaibashi Club Quattro) : photo by ikesan
photo report (04/04/08 @ kameria hall) : photo by izumikuma
photo report (04/01/31 @ Kichijoji Star Pines Cafe) : photo by hanasan
エンケンは... 永遠に不滅です! (00/9/13 @ Shibuya On Air West) : review and photo by hanasan
interview :
不滅の男、エンケンの声を聞け Vol.1 (04/04/09) : interview rad, photo by hanasan
不滅の男、エンケンの声を聞け Vol.2 (04/04/09) : interview rad, photo by hanasan
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The official site of
Kenji Endo
http://www.enken.com/
live schedule : (予定)
guest : Shigeru Suzuki
5/25 (tue) : Kyoto Takutaku
5/26 (wed) : Shinsaibashi Club Quattro
5/27 (sat) : Nagoya Tokuzo
6/3 (thu) : Shibuya Club Quattro
*詳しくはこちらでご確認ください。
previous albums :

"東京ワッショイ" (傑作中の傑作です)
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The latest album is ;

"純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集"
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