The Vines @ Shinsaibashi Club Quattro (21st May '04)
「ダッシュに短し助走に長し」
いいライブを観たい、そう願うことは傲慢なことなのだろうか。The Vinesのライブはすごくいい時とダメな時の差があるというのはよく聞く話。だからといって私は「今日は波がある割にはよくやってた」とか差し引きしながら観なければならないというのだろうか。私はそんなに色んなことを頭に入れてライブを観たいとは思わない。純粋にその日のライブを楽しみたいと思うのだ。私はThe Vinesを過大評価もしていなかったし、逆に過小評価しているわけでもなかった。The Vinesがどんなライブをするのかが観たかった。笑えないくらい見事に空中分解した。
そう言えば、去年のMROで日本初お目見えするはずだった彼ら。待たせられすぎた今回の来日は東京・大阪のクアトロの2公演のみ。そりゃあ、チケットも争奪戦になるという話。My Bloody Valentineの曲が流れる中、20分押しで濃いスモークが漂うステージに現れた。
スピーカーからの音も決して悪くない。2ndアルバム『Winning Days』の曲ごとに七変化するギターの音とバンドを支えるパトリックとハミッシュの低音も健在だ。クレイグの声にも思っていたよりも伸びがあるし、とりわけ機嫌がよろしくなさそうでもない。オーディエンスの反応もすごくいい。でも何かが違う。目の前の光景と、スピーカーから流れる音と、熱狂するオーディエンスがバラバラなのだ。ステージにいるメンバーとオーディエンスの間には温度差がありすぎた。メンバーもそれぞれが自分の世界に入り込み、特にあの人は完全に別世界に逝ってる。その光景はあまりにも痛々しかった。理由は明確だ、本気じゃないからだ。その姿は誰から見ても明からさまでついには"Are You OK?"まさに核心をついたオーディエンスからの一言。そりゃあ、苦笑いでビール吹き出すくらいしかできないよね、クレイグ君よ。
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ほぼ1時間、延々と続く助走の中で、The Vinesが本気のダッシュを観せたのは、アンコールの"Get Free"と"F.T.W"だけだった。クアトロであんな大合唱を観たのは初めてだった。オーディエンスは本気なんだよ、クレイグ君よ。
もし、アンコールでたった数分でも本気のダッシュを見せることなくこの日のライブを終えていたら、The Vinesのライブなんてもう2度と観るもんか!くらいの爽快感があったことだろう。逆にその方が良かったのかもしれない。でも一瞬だけちらつかせたクアトロ全体を包んだ一体感は、The Vinesはこんなもんじゃないという確信を持たせるほどのものだった。その瞬間を一瞬でも観られたことはラッキーということなのだろうか、目をキラキラ輝かせた熱き人もいた。だが、私にとっては早くも今年のワースト・ライブに輝きそうなライブだった。The Vinesはそんなもんなのか?いや、そんなもんじゃないだろう?そんなもんじゃないと言い放ってみよろ、クレイグ君よ。
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report by kuniko and photo by mari
なお、THE VINESの写真は5/19の東京公演を撮影したものです。
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Mag files
「ダッシュに短し助走に長し」 (04/05/21 @ Shinsaibashi Club Quattro) : review by kuniko, photo by mari
『腐ったみかんの法則』 (04/05/19 @ Shibuya Club Quattro) : review by taiki, photo by mari
photo report (04/05/19 @ Shibuya Club Quattro) : photo by mari
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