buttonTIM COLLEN / BOWLING FOR SOUP / SUGARCULT
@ Shibuya AX (20th May '04)

「三色ポップ」


『Tim Collen』

 ティム・カーレン。元サマーキャンプのフロント・マン。1997年以来、7年ぶりの再会だった。シュガーカルトと一緒に彼を見られるなんてラッキー!なんて気持ちで行ったのに、7年という年月であの頃の面影はすっかりなくなっていた。声も昔に比べると太くしゃがれていて、ソロ・アルバム『Fun Razor』の曲を歌っている彼にも、どこかしっくりこなかった。

 でも、ソングライターとしての才能は変わっていなかった。ゴリゴリしたロックでも、甘いメロディ・ラインは健在だった。ラスト近く、ギターリストが「彼はサマーキャンプにいたんだよ」と一言。場内のリアクションの薄さはお構いなしに始まったのが、サマーキャンプの『Pure Juice』から"Drawer"、続いて"Nowhere Near"。まさかの演奏に、驚きのあまり歓喜の叫び声も上がらなかったよ!懐かしすぎる。

 ソロの曲よりもやっぱりこっちの曲を歌っている時の方がしっくりきていた。なんて、ティムにとってはあまり良いことではないのかもしれないけれど。家に帰って即効でサマーキャンプのアルバムを聴いた。今聴いても、ぜんぜん褪せてない爽やかポップ、甘くてメランコリーな全曲名曲のアルバムだ。今リリースしていたら、違っていたかな。サマーキャンプはまだいたかな。記憶が一気に7年前に引き戻され、泣けるメロディも手伝って、センチメンタルな気分になってしまったのだった。けっきょく、せっかくのティムの初ソロ・ライヴは、サマーキャンプの思い出に浸るだけで終止してしまった・・・。 思い出ついでに、サマーキャンプの『Pure Juice』は超オススメ盤。

『Bowking For Soup』

 デカい!ギターのクリスがステージに登場して、場内全員の目は彼の巨体に釘付けだった。相撲取りよりもはるかにデカい。あの体でギターなぞ弾けるのか?動けるのか?と視線も思いも彼にロックオン。そのくらいインパクト大のバンド・マスコットがいる、テキサス出身のボウリング・フォー・スープ(以下BFS)。直球パーティ・パンク・ロックの彼らは、日本のパンク・ロック・キッズたちのツボに見事にヒットしたようだった。初っ端から疾走パンクでガンガン飛ばし、場内全員がBFS目当てかと思うほど、激しい盛り上がりで、オープニング・アクトにしては充分過ぎるほど場内を熱くさせた。

 日本でもお馴染みの"Punk Rock 101"はもちろん、サビのハモりが印象的で切ないメロディとスピード感を兼ね備えた"Emily"などなど、バラエティとフックに富んだ豪快弾けソングの連続だった。演奏は上出来、オーディエンスを盛り上げ、グイグイBFSペースに引きずり込むパフォーマンスは、ずっと見ていても飽きない。注目を一身に集めるドデカいのがいても他の3人のメンバーの印象が消えてしまうことはなく、それぞれの個性が出ていて、バンドのバランスがいい。間がいい、動きがいい、曲のスピード感がいい。パンク・ロック・キッズよ、まだまだ要チェックのバンドがここにもいるのだ!ボウリング・フォー・スープ、もっと注目されていいようなバンドなのに、と少しばかり悔しい。ちなみに、ラストにArmy of Freshmenが乱入。バック・ステージ裏のお祭り騒ぎをまんま見ているようで、とても楽しかった。

『sugarcult』

 20:30過ぎ、ようやくメインのシュガーカルトの出番がやってきた。スーツにピンクのシャツ、ネクタイ姿のヤンエグ・スタイルで横分けティムが登場すると、黄色い歓声で盛り上がる。どうりでピチピチした女の子のファンが多いわけだ。彼らの曲は、一度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディ。それが疾走感十二分なサウンドに乗せて溢れ出す。ニュー・アルバム『PALM TREES AND POWER LINES』は幕開けから、ポップ・チューン満載のシュガーカルト渾身の一枚。ライヴも、弾けるポップ・チューン全開でスタート。気持ちよくかっ飛ばし、会場を包み込んだ。

 "She's The Blade"や"Memory"は、"You're The One"や"Stuck In America"に匹敵する泣きメロなのに、エネルギー満載の超爽快ロック・ナンバー。クセになるメロディ・ライン、力強さの中の哀愁漂うメロディはずっと聴いていたくなる。楽しく明るい気分の中に、ふと切ない気持ちがこみ上げてきてなんだか甘酸っぱい。パワフルで煽るメロディが加速していく感じがたまらない。

 会場内はシュガーカルト・ライヴ常連が多いようで、どこでも歌詞も動きもバッチリ。縦ノリの動きが止まることがない。力強いギターのカッティングやスピード感あるサウンドで、ステージ上もオーディエンスもみんな気持ちよくジャンプしていた。観客に一息つかせる間もなく、あのヒット・ナンバー"Stuck In America"は最高潮の盛り上がり。"Sign Off"や"Back To California"では、ポップ感とはガラリと雰囲気を変えた落ち着いたテンポで、会場全体しっとり黄昏気分に浸っていた。ラストの"Bouncing Off The Walls"まで、一心不乱にシュガーカルトのパワー・ポップ・ロックと共に駆け抜けて、あっという間の1時間だった。

 ライヴの印象がものすごく薄いのは、なんでだろう。アグレッシヴなパフォーマンスなんだけど、演奏がバラバラなかんじがしたからかもしれない。ティムの声もフタをされてしまっているみたいで、遠くまで広がってこない。調子が悪かっただけかしら。もったいない。生で聴くからこそダイレクトに伝わってくるものがあるかと思っていたのに。シュガーカルトの曲はありきたりなポップ・ロックなのかもしれないけれど、強烈に印象づける。それが、ライヴで響いてこなかったのが、少し残念だった。またCDを聴いてみた。やっぱりイイ曲の粒揃いなんだけどなぁ・・・。

 パフォーマンスされた曲はShe's The Blade, Memory, What You Say, Crying, Champagne, Back To California, Worst December, You're The One, Stuck In America, Bouncing Off The Walls, Daddy's Little Defect, Saying Goodbye, Pretty Girl (The Way)など。


report by ali

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