buttonMURATRIX @ Ikebukuro MANHOLE (7th May '04)

magが果たし状を受けた !!

muratrix
  ジャックバドラというバンドをご存知だろうか? 現在大活躍中のサンボマスターも(結成初期の頃の話だが)熱望の末やっと共演を果たしたという、某有名ギター・スクールの講師をメンバーに据えた知る人ぞ知る馬鹿テクバンドである。その演奏的技量やヘヴィなサウンドもさることながら、娯楽要素あふれる魅力のステージングで多くのファンを獲得していた。しかし昨年、惜しくも活動休止してしまう。
muratrix
  と、2曲目でいきなりゲストが乱入したのだが……楽器持ちやラッパーなんかが登場するならわかる。でも、ちょ、ちょっと待てい !! 誰だよコイツ、どう見ても本物のサムライじゃねーか !? 上から下まで完全に“もののふ”。ちゃんと腰に二本挿してるし!俺もそこそこライブハウス通い暦は長いほうだが、さすがにハコで武士に遭遇したのは初めてだ。唖然としているとその侍が曲に合わせて扇子片手に踊りだす。なるほど、この人は日本舞踊を舞うというわけだ。
  そのギター&ボーカル、村鳥氏から連絡が入った。別のバンド……というよりソロ・プロジェクトで心機一転ライブをやるのだが、ゲストを豊富に迎えた必見のステージだと自ら豪語し、しかもサポートに入るリズム隊は去年のフジロック・フェスティバルにも出演したピンクフラミンゴMGだというのだ。ジャックバドラの実績を考えれば決して過剰とはいえないこの自信、すでに逆オファーというよりsmashing magに対する果たし状の意図と見た! これは逃げるわけにはいかない。

  バドラ時代と同じく『機動戦士ガンダム』が平然とライブハウス内で上映され、それに油断していると突然暗幕が上がりバンド登場。「こんばんはー、ムラトリックスです !!」の一言でいきなり演奏が開始される。極端にディレイをかけたメインマイクや、お馴染みゴールデン仕様“百式ギター”も健在のままだ。相変わらずのテクニックで7弦ギターを操り、それにピンクフラミンゴのリズム隊が負けじとついてくる。ものすごい音圧のままインスト曲が展開される。
muratrix
  と思ったらテンションがどんどん上がってとうとう刀を抜き、狭いステージでぶんぶん振り回し始める!ところが、これが凄かった。殺陣を勉強してるのか、スピードといい刀さばきといい素人目にも驚嘆せずにはいれない気合と迫力。それがロックの轟音とマッチしている光景はなんとも不思議だった。こりゃこの“果し合い”は負けかな……と思ってしまったところで演奏終了。入れ替わりに女性バイオリニストがゲストに現われ、「次はバドラの曲が甦る!」と村鳥が叫ぶ。お客さんは大喜びだ。 muratrix
muratrix   バイオリンを最後まで従えたまま、あっという間にライブは終了。演奏されたほとんどがインスト曲で、ボーカルが入ったのは最後の曲だけ(それもほとんどネタみたいな感じで思い切り笑わせてくれました)。やはり期待通りエンターテイメント色が強いステージに大満足。渋さやMONG-HANGみたい。こんなに面白いのに心に一抹の悔しさが残るのは、やっぱり戦いに敗れた“やられた感”だろうか。だって普通、いくら果し合いっていっても、本物の侍を連れてくるなんてさすがに予想できねえよ。反則だよあれは……。

report by joe and photo by maki

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