MONG-HANG @ Shibuya YANEURA (25nd April '04)
言語外コミュニケーションの可能性

この日は渋谷の屋根裏で5つバンドが出るイベントのトリであった。それまで出たバンドもmooolsを始め面白いバンドばかりで、お客さんも沢山入っていたけど、結局全てを持っていったのがMONG-HANGだったのだ。
|
「MONG-HANGを観るとみんな笑顔になる」と撮影を担当した、なちさんが言っていたけど、みんなが幸せな気持ちになって笑っているというのとはちょっと違う。「なんかエラいもん観ちゃったなぁ」という、インパクトに負けちゃった感じ、もうアンタには負けましたよ的な苦笑い交じりの笑顔なのだ。
 |
「レディース・アンド・ジェントルマン」と妙な訛りのある音声が繰り返され、バンドが登場する。首長族のベース、顔面銀塗りのパーカッション、頭は派手な飾りで髭面のヴォーカル、帽子の上に鳩のキーボード&パーカッション&フルート、やたら体格のいいギタリスト、そしてドラムの6人編成だ。全員が白装束だ。見た目のインパクトもさることながら、ステージの動きが、演劇というか舞踊風の、それでいて笑いを起こさせるような、およそ普通のロックなアクションとは掛け離れているも印象に残る。
|
 |
ダメ押しは何言っているのか意味不明な歌詞。ハナモゲラ語というか、およそ何かを伝えるということをハナから放棄した歌。そこで浮かび上がってくるのは、彼らが何よりも「何じゃこりゃ!」というインパクトで勝負していることなのだ。それは言葉を使わなくても、猛烈にMONG-HANGの存在がお客さんに伝わり、心に残るのだ。それは最近の彼らのライヴには必ず外国人の姿があるように、彼らの音楽は確実に言葉を越えて浸透しつつある。
新たに加入したギタリストはハードロックっぽい要素を持ち込み、帽子に鳩の女の子はいろんな楽器で忙しい。この2人は前回観たときと比べ、バンドサウンドに馴染んできた感じだし、60年代のサーフミュージックっぽいところや、ジャズぽくスウィングする断片がちりばめられ、音楽のバラエティがより広がって、ますます正体が分からない感じが深まっている。
|
MONG-HANGの音楽を敢えて言えばプログレとなるのかも知れないけど、それは演奏が上手いとかいろんなジャンルの音を雑食的に取り入れたり、実験精神とか、そういう意味でプログレッシヴなのだ。
そして忘れていけないのは、笑い。ヴォーカルである「バ」やベースの「ケイタイモ・ウジャ・ビン・ビン」のアクション、そして恒例の腕を直角に曲げて上下動させる「ナハナハ」・・・ってなんか文章にしても面白くないな。やっぱり観てもらうのが一番だと思う。日本にこういうバンドがいるんだということを多くの人の目に焼き付けてもらいたいものだ。
|
report by nob and photo by nachi
|
mag files :
言語外コミュニケーションの可能性 : review by nob, photo by nachi (04/04/25 @ Shibuya YANEURA)
photo report : photo by nachi (04/04/25 @ Shibuya YANEURA)
ヒューモアとしてのプログレッシヴ・ロック : review by nob, photo by nachi (04/02/18 @ Kichijoji Star Pine's Cafe)
photo report : photo by nachi (04/02/18 @ Kichijoji Star Pine's Cafe)
初体験... : review by aihama, photo by nachi (03/09/21 @ Aoyama CAY)
白装束集団 : review by nob, photo by nachi (03/09/21 @ Aoyama CAY)
photo report : photo by nachi (03/09/21 @ Aoyama CAY)
|
|
|