button『雑食-The Shock vol.21"犬になって月に吠え夜"』
feat.怖(姫路) / RaBi*RaBi /
DEADBAMBIES / HKH(姫路) / balancE
@ 新宿Marble (24th Apr.'04)

姫路の至宝 - part1 -


 兵庫県の南西部・播州、とりわけ姫路市を中心としたいわゆる西播地方は、知る限りにおいては突出した個性を持つバンドが発祥する確率が高いように思う。同じ関西でも大阪や京都、神戸なんかに比べて遥かに閉塞しているこの地(姫路-大阪間はJRで1時間かかる。片道運賃\1450也)においては、シーンとかムーブメントなんて言葉はハナから存在していない。文化的なものを求め他所に遊びに行くにしても金と時間がかかりすぎるし、なんせバンド及び音楽ファンの絶対数も都市部と比べ少ないので、同じジャンルを嗜好する者同士が密に接する機会などめったにないんじゃないかと思う。

 また過度な情報も意識しない限りそんなに入ってこないので、流行に惑わされることなくのんびりと、自らの音楽嗜好をドロッドロになるまで煮詰めることができるんじゃないだろうか。とまれ、理由は定かではないが中途半端な地方都市の割に、ストレンジで魅力的なバンドが結構育まれているのは事実だ。

coa  で、そのバンド達の温床となっているのが、姫路は五軒邸にあるMUSHROOMという名のライブハウスなのだ。THE PLAYMATES、DROOPなどを排出し、店長自身もGREATEFUL BED名義で音楽活動も行っているこのお店。ちなみにだててんりゅう、頭脳警察、裸のラリーズ、ニプリッツetc…で一言では言い表せないような音楽活動を行ってきたヒロシさんもここで働いている。なんかもう、変態(勿論いい意味で)の巣窟みたいなトコなのだ。そして現在MUSHROOMを拠点として活動しているバンドの一つが、怖(コア)である。

 この日、怖による関西では恒例となっているライブ企画「雑食」の東京出張版が行われた。かく言う私も8年程前までは姫路に近いド田舎に住んでいて、その頃は怖のライブはかなりの頻度で見ていた気がするけど、それも私が上京してからは1年に1度見れたらいい方、ぐらいのペースに減少してしまった。今回久方振りに見れるということで、気持ちもはやる。

夕月新三朗  新宿のMarbleという、MARZの3軒隣に新しく出来た地下のライブハウス。開演より30分ほど遅れて会場に到着すると既に1バンド目のステージは終了していた。がっかりする間なく、観客席におもむろに登場したのが幕間担当、謎の講釈師・夕月新三朗。親切にも「トイレ行きたい方は今のうちにどうぞ」みたいなことを言っている。覆面、法被、ラメの蝶ネクタイ、スパッツという粋な装い。けったいなおっちゃんが出てきたなぁ、と思ってたら、壁に何やら書いてある模造紙が貼ってあり、それをやおら身振り手振りを用いて読み上げはじめた。どうも怖のことを説明してるらしいのだが、肝心の序盤を全く聞いてなかったせいか余り食いついていけず、そのうち集中力途切れあえなく脱落。後に聞いたところによると、彼はスラッシュ団というのを率いていて団長をつとめているらしい。怖はその団員らしい。入団するには夕月氏の出題する「なぞなぞ」に答えねばならぬらしい。現在55歳らしい。36年ぶりに東京に来て、この日「東京デビュー」する予定らしい。謎すぎてよく分からなかったけど、なかなかチャーミングな御方、だった気がする。
RaBi*RaBi  次にステージに登場したRaBi*RaBiは、ヴォーカリストとドラマーの女性2人組。なんといっても2人とも若くてカワイイ。やたら艶々してる!それだけでもうこちらとしては目尻は下がりっぱなしな訳なのだが、その驚異的なサウンドとパワーとのギャップには序奏から不意打ちをくらわさた!特筆すべきはドラマー。金髪のショートカットでパンキッシュな見た目とは異なり、繰り出されるのは、テクノ、D'N'Bやフューチャー・ジャズのような、かなりダンサンブルなドラム・スタイル。自分の出す音に合わせて踊るようにドラムを叩いている。ドラムを叩くと言うより、ドラムと戯れてるという感じのプレイ。そのテクニックにはもちろんだが、ブレイクの折に見せる表情やまるで小動物のような仕草にも引きこまれる。

RaBi*RaBi  そこにヴォーカルが乗せられていくわけだが、このヴォーカリストの歌声もある種独特で、昨今のR&B/SOUL系でもないし、昭和歌謡系でもない。ロリータでもなければアイドルっぽくもない。突出した個性はないけど、天然無垢で懐かしさをも感じさせる流麗な歌声。そして何と言ってもただただ普通に歌が上手いのだ。この普通というのがすごく重要だと思う。聴き手の心にスーッと溶け込み、違和感なく混在していく。計算だとか奇をてらったりだとかという点が皆無なだけに、歌い手の生の感情がありありと伝播してくるようだ。とにかく歌うことの喜びと2人でやっていることの嬉しさ、ステージに立ち観客と向き合うことの楽しさは、その歌・表情とともに手にとるように伝わってきた。



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