Ani Difranco @ Shinsaibashi Club Quattro (10th Mar.'04)

1+1=?


Ani Difranco
 この日はTシャツと春物のジャケットで十分なほど暖かい日だった。でも、もう春になったんだなぁと思うには、まだ早いのかもしれない。数日前には関西でも吹雪くほどの寒さだったから、油断大敵。こう温度差が激しいと風邪をひきやすいから、注意しなくちゃ。

 今回の会場となった心斎橋Quattroには何度も足を運んでいる。行き慣れた会場に、ライブ会場には見慣れない張り紙を見つけた。「本日はアーティストの希望のため、禁煙とさせていただきます。ご了承下さい」と。僕はタバコを吸わないから、「おっいいねぇ、これで服が臭くならねぇな」と思ったけど、やはり意外でもあった。音楽とタバコは切り離せない関係であると、勝手に思い込んでいるせいかもしれないな。テーブルの上にあったサービス(?)のポテトチップスをつまみながら、公演が始まるのを待った。
 ステージには椅子が一つ寂しく置かれてあって、バックには白い大きな布がかかっていた。急遽OPENING ACTを務めることになった Gail Ann Dorseyは、David Bowieのバンドでベースを弾いているという女性。否が応でも期待してしまう。何度かBowieのライブをテレビやビデオで見たことがあったので、「スキンヘッドの女ベーシスト」として知ってはいたが、どんな歌を歌って、どんな声なのかは全く知らなかった。ステージにギター一本携えて登場した彼女は、思ったより小柄な女性だった。ベースを弾いている印象が頭に焼き付いていたので、ギターを持っての登場にはちょっと意外だった。旧来の友達でもあるAni DifrancoのOPENING ACTとして参加できる喜びと、ソロとしては初めて日本で演奏する嬉しさが、彼女の満面の笑みと、彼女の優しい歌声を通して伝わった。 Ani Difranco
Ani Difranco
 5曲ほど、演奏してステージを降りてから数分後、なんと僕の後ろに彼女が立っている!!話しかけようか、かけまいかモジモジしていると、あっちからも、こっちからも人が集まってきて、話しかけるタイミングを失ってしまった…彼女はサインを求められても嫌な顔一つせず、ステージで見せていた満面の笑みでyesといってサインをしていた。すげぇいい人だった。

 時間は八時をちょっと過ぎたくらい、今夜の主役Ani Difrancoは喜びの感情むき出しでステージに登場した。観客はわれんばかりの拍手で彼女を迎え、ステージの後方にあった白い布も「待ってました」と言わんばかりに、ゴージャスなたるみを、こさえているではないか。満面の笑みでそれに応えた彼女は、Thank youと一言、幕は上がった。
Ani Difranco  アコギ一本の弾き語りスタイルと聞いて,連想するしっとりとしたステージはそこにはなく、ギターからは氷を削るような音のカッティングが聞こえてくるし,弦を指でバッチンバッチンはじいてグルーブを作り出しているし、良い意味で予想を裏切られた。こんなライブには、いつもゾクゾクさせられる。

 こう書くことでAni Difrancoの音楽が乱暴な音を出すと思うかもしれないが、それは間違いだ。確かに彼女の音は強さを持っている。しかし、その強さと攻撃とは決して結びつかず、どちらかといえば防御に結びつくのではないか。強引な言い方をしてしまえば、男性には決して備わらない、女性だけが持っている『強さ』といえるかもしれない。当たり前の話だが、全ての女性が同じ種類の『強さ』を持っているわけがない。色も形も違うだろうし、大きさも異なっていて当然だ。海の向こうにいるAni Difrancoの音楽が好きなのは,彼女がギターと声を用いて、彼女の感情であり、個性を上手に表現しているからだ。男性であれ,女性であれ、自分を上手く表現できる人に,心が惹かれる。
Ani Difranco  この日の会場では、いたる所で英語での会話が聞こえた。それほど外人率が高かった。そのためかは、わからないが、Ani DifrancoのMCは一方通行のものではなく、会話に近いものだった。冗談を言って、ケラケラ笑ったり(ちょっと、ひき笑いだったような)、お客さんからの質問に気軽に答えていた。また、Ani Difrancoから見た,不思議の国ニッポン話もあったなぁ。彼女はライブの前日、スタッフと共に居酒屋へ行ったらしい。そこで、注文をしようと店員を呼ぶと、「喜んで〜」とか「はいっっ!!!」など、必要以上に大きな声で返事をすることが、彼女にとってツボだったらしく、店員の真似をしてはケラケラ笑っていた。

 本編が終わり、ステージ袖へと彼女は戻っていったが、お客さんの要望に応え、すぐにステージに戻ってきた。やはり満面の笑み。OPENING ACTのGAIL ANN DORSEYからAni Difrancoまで笑顔が絶えなかったのではないか。時間にしてみたら約2時間ということになる。きっと二人の演奏を通して、彼女立ちのやさしい気持ちと,底抜けに明るい性格が、お客さんに伝わったのだろう。

 この日のライブで音楽は決して数学的に片付けられないと実感した。ギターと声という2つの音が合わさると、数では表現しきれない『?』に変わるのだ。冷静に考えたら当然だ。過去があって今に至るのだから、声もギターも決して1つという数字でくくることはできないのだから。
report by yohsuke and photo by ikesan

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