The Captains @ 渋谷CREST
可能なるグループサウンズ
仕事が終わって会場の渋谷O-Crestに着くと、すでにキャプテンズの演奏が始まっていて、後からの話によると2曲目が終わったところだったらしい。なのでちゃんと聴けたのは"恋するマタドール"からであった。スパニッシュな調べに乗せて、ヴォーカルの傷彦が歌い踊るドラマティックな曲で「Ore!」という掛け声でつけるポーズも決まっている。
頭から間に合わなかったのは残念だったけど、こうしてキャプテンズが作り出す世界に引き込まれていくのだ。ステージの最前列には、彼らの稲妻ショックにヤラれた女子たちが陣取り、傷彦やヒザシの振りに合わせて踊っている。おそらく、当時のGS バンドと比べてステージ上の運動量が多いと思うけど、どうなんだろう?当時を知る人はどう思うのだろうか。後ろの方のお客さんの中には明らかに当時のリスナーが混じっていたりする。オーラのあるリーダーの傷彦、メガネをかけたギター好きのヒザシ、人のいい感じを醸し出しているベースのテッド、まだ若くてエネルギッシュなヨースケ、と4人のキャラクターが立っていて、傷彦とヒザシのステージアクション、そして往年のGS風コスチュームを身に纏っている姿に目を奪われがちだけども、彼らの演奏は確かなもので、特に"若干二十歳の暴れ太鼓"ヨースケのドラムの激しさはMAD3なんかの狂気を孕んだロックンロールを思い出させる。
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"恋をしようよ"は「どうにも、どうにも、どうにも・・・止まらない」と何度も絶叫する傷彦の切迫感が伝わってくる。歌詞は、まるで銭湯の壁に描かれた富士山のように、書き割りのような、典型的なGSの世界であり、彼らはそれを演じているわけなのだ。作りものの世界?だけども映画や舞台での優れた演技がリアルに感じられるように、作りものであろうと、そこに込められたものがリアルであれば、それがなんであろうと伝わってくるのだ。
そして、ついには、傷彦が「愛してる!」と絶叫して失神してしまう。それも演技というのは分かっているし、おれも実際腹を抱えて笑ってしまったのだけど、そのエンターテイメントに殉じる姿に感動してしまうのだ。
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一度聴いたら忘れられない"恋のゼロハン"、"夕焼けサンドビーチ"と疾走していく曲で締める。このめくるめくドライブ感はどこに出ていってもOKのような気がする。音の勝負ならパンク系やロックンロール系のバンドと対バンが出来るのでは?最後はヨースケがドラムセットを破壊する勢いだった。だからMAD3を思い出したりしたのだけど。そして例によって加山雄三の"君といつまでも"のインストヴァージョンをBGMにメンバーが前に出てきて挨拶する。音と笑いと格好よさがミックスされたこのバンドは観る度に少しずつ変化し成長を見せている。この瞬間を見逃すのはもったいない。 |
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report by noba and photo by saya38
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今の時代、音楽やるのに制限はほとんどない。機材の発達によってギター、ベース、ドラムのフォーマットに縛られることはないし、既存のジャンルの枠に捕われることもない。そんな中でGSというガチガチの枠ルを選び取った彼らは、制限ある枠の中で最大限暴れることによって逆説的に自由を感じさせるのだ。
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