buttonAIR @ brixton academy, London (18th Feb '04)

やっぱりフランス人


 シャープなスーツをクールに着こなした黒人のドラマー兼ベーシスト、後ろのライトが当たってないところには、ビートルズ後期のジョン・レノンのようにキリスト様の風体をしたキーボーディスト。手前にも、もう一人キーボーディスト。エールは2人だけでステージに立ってもおかしくない。あの耽美的世界観をメンバー以外とは共有せずに、2人で黙々と機材をいじりながらのステージング。そんな光景も目を閉じればいとも簡単に思い浮かぶ。しかし実際は打ち込みを所々に挿入しつつも、生音を多用したバンド形式でのライブだった。

 メランコリック、ロマンティック。バンド形式だからと言ってももちろん、そんなエールのイメージを裏切ることはない。静かにギターを爪弾くニコラスも、フレンチらしく全身を黒で決めたジャンも、ロックバンド的なアツさは決して見せない。一見、淡々とこなしているだけのようにも見えるが、時間が経つにつれ、だんだんとエールのメランコリアが心地良く会場を支配しているのがわかる。そして、"high school lover"でジャンがピアノソロを見せたとき、じわじわと染み込んできていたこの日の美しきメランコリーが一気に臨界点に達した。客席から自然に沸きあがる拍手。もしこのとき隣の人が涙を流していても、誰も驚きはしなかっただろう。

 陽気なムーグが飛び交う"sexy boy"もこの日は演奏されたが、『moon safari』からの曲は、予想通り、あまり今のエールの雰囲気とはそぐわないものになっていた。ただ、アンコールを盛り上げるために懐メロ気分で距離を置いてこれらの曲を演奏するのはありだろう。"sexy boy"のペラペラな陽気さも、演奏するタイミングを上手く選んだことで救われていた。

 そう言えば、彼らが見せた「外国人らしさ」が意外とかわいかったので少し触れておこう。「how are you? You know we are always singing about sex, in fact,~~」といった感じの、いかにもステージに上がる前に考えてきた雰囲気が漂う少しぎこちない英語でのMC。今まで海外のアーティストがぎこちない日本語でMCしてくれるのは何回か見たことあったが、英語でそれをやられると日本人の私にとっては妙な感じである。あと、アンコールが終わったあとの投げキッス。それ、イギリスのバンドは絶対やらないでしょう。日本のバンドは言わずもがな。音楽に国籍は関係ないが、サラリとそれをやってしまうところにエールのフレンチらしさが垣間見れて、メランコリーにドップリと浸ったあと、少し微笑んでしまったのだった。


report by yoshi_k

The official site of

AIR is :

http://www.intairnet.org/


The latest work :

AIR

"Talkie Walkie" 国内盤(CCCD) / US import


previous works :
"PREMIERS SYMPTOMES" : 国内盤 / US import with extra trax / UK import
"Moon Safari" : 国内盤 / UK import
"Moon Safari / PREMIERS SYMPTOMES" : UK import (2 in 1)
"THE VIRGIN SUICIDES" : 国内盤 / UK import
"10,000HZ LEGEND" : 国内盤
"City Reading " : 国内盤(CCCD) / US import(CCCD)

check the albums?

search:
?
Amazon.co.jpアソシエイト
previous works by yoshi_k

button2004

buttonやっぱりフランス人 : AIR (18th Feb @ Brixton Academy, London)

button2003

button飛躍的な進歩、圧倒的な勝利 : The Strokes (6th Dec @ Alexander palace, London)
buttonロックンロールって、確かこんな音だった : Razorlight (11th Nov @ 100club, London)
buttonただ「音楽」としか名付けられない未分化な何かを発する子供たち : The Music (15th Oct @ ICA, London)
buttonミスマッチの違和感 : The Thrills (11th Oct @ shepherds bush empire, London)
button生々しい自然体のズレ : intensions of an asteroid (3rd Oct @ barfly, London)
button熱いオヤジたちの肩肘張らない音楽 : James Taylor Quartet (22nd Oct @ mean fiddler, London)
buttonコンサートの集合体としてのフェス : Reading Festival (23rd Aug. in Reading)
button穏やかな覚醒 : nderworld (10th Aug. @ somerset house, London)
buttonこれからを感じさせる輝き: Saint Rose (15 Jul @ feet east, London)
buttonオ〜オ!!オ〜オ!! : The future heads (11th Jul. @ barfly, London)
buttonお父さんも安心!家族向けフェスティバル : uilfest'03 (6th Jul in Guilford)
button巨大さに支えられた自由 : Glastonbury Festival '03 ( 27 to 29th Jun '03 in Shepton Mallet)
button本気なロックンロール+アホと笑い : Electric Eel Shock (19th May. @ arts cafe, London)
buttonCompletely Stone Roses! : the complete stone roses (10th May. @ Garage, London)
button死ぬまで踊り狂え! : Death in Vegas with DJ Andrew Weatherall (4th May. @ Nrixton Academy, London)
button私もまた力の限りジャンプする : Blur (13th May. @ Astoria, London)
buttonもっと今のあなたを! : (20th Feb. @ Shibuya Club Quattro)
buttonall these worlds are yours! : DOVES (2nd Feb. @ Shibuya Club Quattro)
button「もう一声」を聞かせてくれ! : the jeevas (7th Jan. @ Kawasaki Club Citta)

無断転載を禁じます。The copyright of the article belongs to . It may not be reproduced in any form whatsoever.counter
==>Back To The Top Page : JPN / ENG.