button Three Bullets and a Gun
@ 新宿Doctor (17th Feb. '04)

衝撃、冷めやらず


Three Bullets and a Gun

 初めてこのバンドを観た時の衝撃を今でも引きずっている。横須賀の小さなライブハウスが一気に沸騰するような演奏をいきなり叩きつけて、たまたまそこに居合わせたすべての観客が両手を突き上げ嬌声を発していたあの光景は忘れようがない。終演後あわててそいつらのフライヤーをチェックするとなんと年間のライブ数が約50本(当時)。絶対どこかと育成契約を結んでいるセミプロのメジャー予備軍バンドだろうと決めてかかっていたら、全然違って全て自力で活動しているのを知り再び唖然とした覚えがある。

 それがThree Bullets and a Gun。スタンディング・キットでもないのにテンションが上がると立ち上がってしまってあちこちブッ叩きまくるドラマー、堅実なラインを弾く一方でトリッキーな奏法を駆使し度肝を抜くベーシスト、終盤には振り回し続けたギターのピックアップをマイク替わりに絶叫する狂気のギター&ボーカル。しばらくしてやっと打ち解けた頃「ライブ後に客に話し掛けられたことなんかそれまでなかったし、ましてや誉められたのなんてお前が初めてだ」とドラムのトヨに言われて呆然とした。世の中の連中はみんなよっぽどシャイなのか馬鹿ばかりなんじゃないかと思ったものだ。その後彼らが絶賛されるのを待つには、某・尊敬するバンドマン(超有名音楽誌の元・編集長。見る目は確か)に引き合わせるまで待たねばならなかった。世間はまだまだ不遇だ。

 ちなみにその後の博多Mellow Yellowとの出会いもこのバンドを通して生まれたのだった。さて、この日はそのMellowとの対バンということでT.B.a.a.Gも気合が入っている。また久々にスリブレ旋風が吹き荒れるか? と思っていたら、いきなりアルバム外の曲から演奏が始まってちょっと面食らう。後でセットリストをチェックすると、タイトルは"Yamanote Groove Line"。……天才というかバカというか、一体どうやったらこんな名前を思いつくんだ? たった二つの単語で神様を地上に引きずり降ろしてしまった"Hey God"といい、この辺のネーミング・センスに改めて脱帽する。

Three Bullets and a Gun ところでこの日の演奏のキレは初っ端から冴えまくっていた。まずカズ(Gu/Vo)の声が出ている。楽器も通常バッキングからキメのタイミングまで全員の息がぴったり。いつもながらのスリーピースなのにブ厚い音と派手なアクションがそれに拍車をかける。次いでMellowに捧げる新曲"Beat City"も初めて聴いたが、ベタなタイトルとブレイクを多用したベタな展開が逆にがっちりハマッていて、いきなり気に入ってしまいさっそく心のブックマークに追加した。曲終わりにはベースのヨネがぐるぐる体をぶん回し、トヨは立ち上がりシンバルのスタンドごとなぎ倒す全身酷使しての猛連打。それを見てあわてて飛んでくるハコのスタッフ。相変わらずステージ上では優しくないバンドだ。ふだんはいい奴らなんだけどな。酒さえ飲まなきゃ。

 ここ最近は日本語でMCすることを覚えたステージの上の原始人・カズが(初期はひたすら演奏、もしくはたまに英語で叫びだすだけだった)「Mellowがまた…(ブツブツ)……」とか何やら言いかけたが、「あーやっぱやめた!」と突然の説明放棄。上げたテンションを落とすまいと再び演奏モードに再突入。いいぞいいぞ。それでこそスリブレ。で、ここで突然ホーン隊が乱入する。サックスとトロンボーンの通称"SAMURAI HORNZ"一部メンバーだが、飛び入りの編成変更にちょっと戸惑う客も見られた。そんな反応をよそに、新宿の地下に管楽器の音が吹き荒れる……あれ? まだちょっとバンドに遠慮してるか? でもメイン・リフをユニゾンできちんとなぞってさらに迫力を倍化させたり、邪魔にならないように音の合間をきれいに縫い上げる演奏の展開はお見事。次回登場時はもっとガンガン動き回ったり、ソロを暴走させたりしてほしい。

 ホーン隊を従えたままこの日の演奏は終了。メンバーも会心の出来だったようだ。しかしこのバンドは10回に1回くらい、普段よりさらにものすごい核爆発みたいな演奏を見せることがある。九州ツアーでは(後から人づてに聞いた話だが)「こいつらこのまま死ぬんじゃねえか」と思わせるようなライブをやって、実際その後ほとんど廃人同様にしばらくその場を動けなくなってしまったらしい。そういえば以前には、興奮のあまり大出血をして救急車で運ばれたライブさえあった。傷ついてほしいわけではない。しかし、そのくらい人間が全てを「出し切った」姿というのをまた見てみたい。最近は以前よりかなりライブのペースを控え気味のスリブレだが、すぐにそんな画をまた見せてくれるだろう。

report by joe and photo by 亀屋公祥



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