Mellow Yellow @ 新宿Doctor (17th Feb. '04)
博多からの刺客!!
メンバー全員が黒のモッズ・スーツでビシッと決め、ギターはミック・グリーン直系のカッティングでテレキャスを掻き鳴らし、パブ・ロック界の大御所ウィルコ・ジョンソンとも共演。しかしこれはTMGEの話ではない。何年か前、知人を介する形で知ったこのバンドの関東ツアーで、地方で活躍中の良いバンドはまだまだたくさんいるんだと思い知ったものだ。そんなわけでBLEACH、JHONNY BOYSに負けじと今回紹介したいのは、九州福岡は聖地・博多のバンド MELLOW YELLOWである。
5度目の東京遠征となる今回初日のハコは新宿CLUB DOCTOR。しかし、おや、いつもと少し様子が違う。ギタリストの汰亜が珍しくストラトを抱えているし、ベースの260(ジロー)もオーソドックスなプレベを使用。「どこのメーカーなのかもよくわからない3000円くらいのベースをエロく弾く」のが彼のイメージだったのだが・・・。そして序盤は少しユルめの演奏。サム・クックのカバーなどを織り交ぜ、ボーカル・クニが味のあるノドを聴かせる。おお、腰をくねらせながら260が妙なポジションの指弾きを見せている。よかった、スケベーシストの称号は今回も健在だ!!
健在なのは汰亜も一緒だった。来た、来た、例のカッティング奏法!!チャキチャキッとリズミカルに手首を切り返し、圧巻のさばき方で演奏を先導する。空間まで裂くみたいなスピード感。ナイフみたいなエッジの鋭さとパーカッシブな打楽器の要素が同居している。と、リズム隊が負けじと追いついてきた。なんだかエンジンがかかってきたようだ。
ドラマーのコナカはオカズを無闇に乱発するタイプではなく、背筋を伸ばし細いネクタイを締めたまま叩くその姿が象徴するように、タイトで堅実なビートをキープする。それに対して260のベースは意外にも実は手数が多い。ダウン・ピッキングでルートを連打するその合間に、まったくリズムを崩さず、見事な運指さばきでフィルインをところどころに散りばめる。とんでもなく巧みだ。スゴい。というより、この指の動きと微妙な主張のやり口は、またしてもエロい。
そしてクニがいつものように良い感じでぶっ壊れ始める。シャウトやアクションはもちろんのこと、「火曜日、週末や!!」とか「そこのスタンドでガソリン売っとるけん(ドリンクのことらしい)、さっさと飲んで気合いれいやあ!!」とか「おまえらオナゴの扱いがなっとらぁ(ん)ぜ!!」とか博多弁丸出しの逆ギレMCが炸裂して、なぜか観客は異様に盛り上がる。しまいには「さっき演奏したThree Bullets and a Gun、あいつら頭おかしいけん、目が合ったらすぐそこの新宿署に駆け込め!!」とかビールを流し込みつつ言いたい放題。爆笑。それにしても、明らかに前もっては用意してないこの喋りの機転というか、ギリギリに気の効いたセンス、シナロケのシーナさんを思い出した。そういえば一緒に演ってるんだっけ。
終盤は"ピストルナイツ"や「車シリーズ」などテンポのある定番曲を散りばめ、疾走感を止めないまま一気に走り切って終了。アンコールにも応えずステージを去っていった。60'sをルーツと同時に目標にしているのは彼らのスタイルや音からもよくわかるが、それにスピード感を組み合わせてうまく消化しているのがこのバンドの特徴でありいい所だと思う。しかも、前回よりさらにうまくなっていた。今回のツアーで今回のツアーでまたどれだけ開花してしまうのか、見ものである。
ライブスケジュール
2/19(木)
高円寺 UFO CLUB
2/20(金)
武蔵境 STATTO
2/21(土)
仙台 enn
(仙台ヒットチャンネル presents『仙台ピストルナイト』)
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report by joe and photo by 亀屋公祥
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mag files :
博多からの刺客!! (04/2/17 @ 新宿Doctor) : review by joe, photo by 亀屋公祥
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