button新宿フォーク、バーレスク・エンジン、ボーンズ
@ 初台DOORS (6th Feb '04)

或るバンドの解散


 ライヴハウスによく行くようになると、たまたま観たバンドが「これで最後のライヴになりました」とか言っているのに出食わしたりする。やっぱり音楽的経済的人間関係的にバンドをやっていくのは大変だな、と実感すると共に、そのバンドがなまじ良かったりして、もっと観ておけばよかった&これで最後なんてもったいないと残念に思うのだ。

 12月に新宿フォークを観に行ったとき、新宿フォークのひとつ前に出ていたjumping DOGGY shopというバンドが、今日で解散するといっていた。男女で2MCを擁して、ド ラゴン・アッシュみたいな見せ方もすごく上手く、ライヴハウスよりはホールの方が 映えるんじゃないかなと思った。バンドの終わりなんてあっけないなと思うと共に、 トリとかメインでなく、他のバンドのゲストという形で終わるのはバンド運営って厳 しいんだなと感じた。

 そして、そのとき新宿フォークの後に出たバンドが、今回取り上げるボーンズである。3人組でベースのチャイルは上半身裸で、頭には変な帽子(?)、ドラムのハラテツはヴィジュアル系でも通用するルックスの持ち主、ギターのイーケンは全身光りモノで背中には「ZURUMUKE POWER」と書いてある。何だかジミ・ヘンドリックスがP ファンクをやっているような、ブルース、ファンク、サイケなどが混ざり合って楽しいバンドだった。あまりに面白過ぎてどう書いていいのやらと、そのときは新宿フォークのレポートだけにしたのだけど、また、ひとつお気に入りのバンドが増えたなと思った。そのときは。ところが、1月に入ってボーンズの解散が彼らのサイトで発表された。その解散ライヴが初台DOORSであるとのことで、行くことにしたのだ。

 この日はゲストに新宿フォーク、バーレスクエンジン迎え、まずは新宿フォークから。"東京ガール"から始まり、今日はファンキー・モードで行くようだ。小田切は、いつものように長いマフラーとコート姿で、マイクスタンドを持ち上げたりアクションも激しい。キーボードの大久保もキーボードスタンドに蹴りを入れたり、キーボードの上に乗っかったりして暴れ放題。続けて"僕達の長い一日"もファンキーだ。"キス"、"好きです"で一息ついて、冬なのに"夏が来た"をやる。湿っぽくならないようにしているのだろうか。最後は"二十七番地"。切ないラブソングのあと各楽器が暴れ始め、最後はキーボードから火花が飛び散るめくるめく展開は何度観ても素晴らしい。

 次がバーレスクエンジン。ステージ向かって左からドラム、ベース(お立ち台)、ギター、ギター(お立ち台)でフロントにヴォーカル&ブルースハープという編成である。ヴォーカルのコハ・ラ・スマートが千葉レーダの茂木淳一みたいな口調で「隣にオペラシティがございますが、オペラと言えば新田恵理ちゃんの冬のオペラ・・・」と言いかけたところでクレイジー・ケン・バンドにガレージが融合したようなロックンロールに突入する。メンバーは全員赤いスカーフをして、赤木圭一郎か小林旭みたいな感じ。ヴォーカルの人が腰から抜き出すのは拳銃ならぬブルースハープで何個もあって、曲ごとに変えていく。このロックンロールな感じは、そういう時代を知っている人にはノスタルジーかも知れないけど、彼ら自身はノスタルジーな要素を顕微鏡で観察しているかのような一歩引いた眼があるのだ。格好つけでなく、お笑いが混ざっているので、ベタつかないのだと思う。最後は、コハ・ラ・スマートがフロアに飛び込んでブルースハープを吹いて一見さんもガッチリ掴んでいった。

 バンドとバンドの間には中国人の評論家&詩人の顔峻がi-Podに作ってきた音(サウンドコラージュ(?))を入れてきて、それをバックにボーンズに捧げる詩を朗読する。中国語なんで全く分からんけど面白い。ボーンズは積極的に中国に行ってライヴをやっていたのだった。

 そして、いよいよボーンズが登場する。まずは「金がなくなったら現場行って稼ごう」と歌う"はきだめ天国"で始まる。労働者のブルースロックという感じだ。基本的にアップテンポのファンキーな曲で占められ、イーケンのギターが冴え、チャイルが激しく動き回って、腰にクるベースラインを生み出す。何よりも歌詞が楽天的でユーモアを感じさせ、例えれば、ウルフルズとかと共通するものがあると思う。"ポジティブ・キャンペーン"はチャイルがリードヴォーカルを取る。素直なホノボノした曲で、コテコテなボーンズの中にあってちょっと色が違った感じ。本編最後の"OK俺" は、70年代ディスコ風のブイブイ言うベースが特徴な曲で「オッケー!オレ!」という掛け声で大合唱。ステージに倒れ込んだイーケンが「俺にオッケーパワーをくれ!」と言って起き上がるというジェームス・ブラウン風のパフォーマンスをしたり、イーケンがステージから去って「オッケー!オレ!」コールの中、フロアから再登場するというのをくり返す。この「オッケー!オレ!」コールが数日間耳について離れなくなるくらい感染力がある。

 アンコールも"ミサイル・ハニー"、"脳みそパニック"とファンキー攻め。前に観たときはスローな味わい深いバラードもやっていたけど、やはり最後ということで、湿っぽくならずに、あくまでもファンキーであろうとする。そして、最後の最後、チャイルが「オッケー!オレ!」と叫び、再びフロアも"OK俺"で大合唱になって演奏に突入する。解散の理由はよく分からない「ボーンズでやることは全てやってしまった」らしい。メンバーも音楽から離れてしまう人や、すでに別のバンドで活動が決まっている人もいる。ブランキー・ジェット・シティやミッシェルガン・エレファントのように最後に何万人も集めるバンドもある一方で、自分たちの主催ライヴで終わりを迎えることができなかったバンドもある。その中で、ライヴハウスにお客さんを集め、トリという形でラストを飾れたボーンズは幸せだったのかも知れない。何よりも最後にあれだけ盛り上がれて強い印象を植え付けることが出来たのだ。
report by nob

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