JUDE @ Shibuya AX (22nd Jan '04) 映画的な - part1 -
会場に入ったときには、すでに始まっていて"Joey in my pocket"の途中だった。次の曲はベンジーが得意とするお菓子ソングの"サリー"である。ブランキー・ジェット・シティの時代から映画を観ているようなストーリーを感じさせる曲が強力なロックンロールと共にベンジーの作る歌の魅力のひとつなのだけど、この日の中盤は映画的なベンジーの歌の世界が遺憾無く発揮されたのだった。"チャド"では「盗みはよくないぜ」とハンドバックをひったくったり、自動販売機をこじあけたり、夜のショーウインドウのものや車や流れ星を盗んできたブランキーのときからは想像できない言葉がサビで歌われるわけだけど、別にベンジーが年を取って分別臭くなったのではなく、あくまでも映画的なひとつの場面として歌ってみせているんだろう。ベンジーは監督兼主演俳優なのだ。 |
後からセットリストを見るとブランキー時代の"二人の旅"から始まり、"Diduri Didura"、"Wild Bebi"、"カミソリソング"とロックンロール色が強く、冒頭から観れなかったことに後悔するのだった。だけど、スローに落とした曲が多かった中盤も十分堪能できたので、まあ良しとしよう。ベンジーを中心にうねうねしたベースで支える渡辺、端正なドラミングの椎野、ヴォーカルでも重要な役割を果たすキーボードの福士という編成で、ベンジーの描く世界を際立たせている。
「フランス映画みたいだもの」とまさにそのまんまの言葉が出てくる"海水浴"が描く海辺の風景がノスタルジックで悲しげだ。続く"ARABIA"は、モーテルで目が覚めて二人で旅をするというロードムービーである。
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"アクセル"の後半はステージの背後がプラネタリウムのようにたくさんの小さい電球が輝き、フロアから歓声が上がる。「星空が綺麗すぎて/心を盗まれたのさ」。"何も思わない"、"水"を経て"新しい風"の「愛するために生きるんだ」というリフレインが心に響いてくる。そして、"ライラック"。オリジナルよりもめちゃくちゃ速い演奏で、ロカビリーぽくなっている。この季節にピッタリの曲なのだけど、何よりもブランキーの曲だとフロアが爆発するのだ。 |
report by nob and photo by nachi |
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mag files :
映画的な : (04/1/22 @ Shibuya AX) : review by nob, photo by nachi
説明不要のロックンロール : (04/1/21 @ Shibuya AX) : review by taisuke, photo by nachi
まるで、眼前の大岩のように : (03/12/7 @ Sapporo Factory HALL) : review by shuma, photo by q_ta
38歳の少年 : (03/11/28 @ ZEPP Tokyo) : review by taisuke, photo by maikokko
終わらない旅の一つの頂点 : (03/11/28 @ ZEPP Tokyo) : review by chihiro, photo by maikokko
Jet Cityの案内人 : (03/11/10 @ Kawasaki Club Citta) : review by taiki, photo by maikokko
photo report : (03/11/10 @ Kawasaki Club Citta) : photo by maikokko
シルベットは夢を見る : (03/1/8 @ Shibuya Kokaido) : review by nob
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